独特のねばりがある里芋は、秋を迎えた今が旬です。野菜ソムリエプロの福島玲子さんは、「里芋は、芋類にはめずらしい栄養をたっぷり含んでいるんです」と話します。詳しい栄養とともに、おすすめのレシピを教えてくださいました。
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低カロリーでお腹にやさしい里芋の栄養素
里芋は芋類の中でも糖質が少ないので、低カロリーでヘルシーです。さらに食物繊維がたっぷりで、整腸作用も期待できます。詳しい栄養についてお話しします。
食物繊維たっぷり!便秘に効果的な栄養素
里芋の独特のねばねばとしたぬめりには2つの食物繊維が含まれているので、便秘に悩む人におすすめです。まず、粘着性があり、食べ過ぎ防止効果が期待できるガラクタン、そして、グルコマンナンを含みます。これはこんにゃくの主成分となっているもので、ガラクタンと同じく水溶性食物繊維です。いずれも、糖質の吸収をゆるやかにして、血糖値の上昇を抑えてくれます。
じゃがいも、さつまいもなどの芋類には、水に溶けにくい不溶性食物繊維がたくさん含まれていることが多いのですが、水溶性食物繊維が多いのは里芋ならではの特徴。ねばねばとしているのも、水溶性食物繊維が水に溶け出すからです。
豊富なカリウムなど美容に効果的な栄養素
食物繊維以外にも、栄養はたっぷり。体内の過剰な水分を排泄するカリウムが含まれているので、むくみの解消や高血圧対策に効果的です。野菜や芋類の中でも、里芋のカリウムの含有量はトップクラスです。
また、貧血予防に効くモリブデンも。造血作用があるだけでなく、糖質や脂質の代謝を助ける役割も担うので、ダイエット効果も期待できます。
ほかにも、便通を促すマンナンや、美肌や美髪に効果的な銅、生活習慣病予防効果のあるビタミンB群、造血作用のある葉酸なども含まれています。
里芋の調理のポイント&おすすめレシピ
最後に里芋の調理のコツと、ココナッツの香りが食欲をそそる、里芋を使ったカレーのレシピをご紹介します。
里芋の正しい下処理&赤い部分はどうする?
里芋のぬめりが気になる場合は、皮をむいてから塩もみをするといいですよ。その後さっと洗うとぬめりがかなり抑えられます。ちなみに、調理のときに手がかゆくなることがありますが、気になる人は手に塩または食用の重曹をまぶすとかゆみを軽減できます。
ちなみに、皮をむく手間を省きたいときは、頭の部分をカットしてからラップで包んで4〜5分程度レンジで温めると、皮がつるっと簡単にむけます。
また、里芋には赤い部分があります。これはポリフェノールが酸化しているもので、食べても問題はありません。ただし、食感は少し悪くなりますので気になる人は避けてもいいでしょう。