
今年の9月16日、24年ぶりに北海道をご訪問、今月の10月8日には、8年ぶりに鹿児島県を訪問されるなど、即位後の地方公務が注目を集めている天皇皇后両陛下。1年前の昨年10月には、アメリカから返還されてから50年という節目に、両陛下そろっての沖縄県ご訪問が注目を集めました。今回は、皇室のかたがた沖縄ご訪問で見せられた「平和の祈り」を振り返ります。
沖縄へ計11回、訪問された上皇ご夫妻
1975年7月、上皇ご夫妻(当時は皇太子・皇太子妃)が初めて沖縄を訪問されたのは本土返還から3年後のことでした。予期せぬ事態を案じた上皇ご夫妻は「たとえ石を投げられたっていい」と沖縄入りを決められたそうです。

実際に「ひめゆりの塔」で献花された際、過激派の青年がご夫妻に向けて、火炎瓶を投げつける事件がありました。幸いにも退避され、大事に至ることなく、その後も現地の施設訪問を続けられました。

「ひめゆりの塔」での事件があったにも関わらず、翌年も沖縄を訪問されました。
ご夫妻の沖縄訪問は、80歳近くになられるまで続き、計11回に及びました。それだけ沖縄へ心を寄せられていたことがわかります。




退位の約1年前の2018年3月、天皇皇后として最後の沖縄訪問では、糸満市にある「国立沖縄戦没者墓苑」を訪れ、犠牲者に白菊の花をささげられました。

悠仁さま、沖縄初訪問では「平和の礎」をご覧に
秋篠宮家の長男、悠仁さまが、沖縄を初訪問されたのは、小学1年生のときでした。秋篠宮ご夫妻と共に、糸満市の平和祈念公園を訪問されました。沖縄戦で亡くなった24万人超の名前が出身地別に刻まれた「平和の礎」を前に、悠仁さまは「東京都はどこ?」と尋ねられ、ご夫妻と一緒に探すなど熱心にご覧になっていました。


2019年12月、令和の御代がわりを経て、秋篠宮ご夫妻は、皇嗣同妃両殿下となられてから初めて、ご夫妻で沖縄を訪問されました。14日午後、糸満市の平和祈念公園を訪れ、国立沖縄戦没者墓苑で供花され、15日は「全国育樹祭」の式典にご出席、午後は火災に見舞われた首里城をご覧になりました。
沖縄の本土復帰から半世紀、天皇皇后両陛下25年ぶりに沖縄へ
1987年9月、天皇陛下が初めて沖縄を訪問されたのは、皇太子になる前の浩宮時代の時でした。到着されたその日に、上皇ご夫妻が火炎瓶を投げつけられた「ひめゆりの塔」へ訪問。
沖縄戦当時、「ひめゆり学徒隊」として看護動員された生存者、宮良ルリさんに「あなたが書かれた『私のひめゆり戦記』を読みました」と声をかけられました。

雅子さまと、おふたりがそろって沖縄を訪問されたのは、沖縄返還25周年を迎えた1997年7月でした。それから、天皇皇后両陛下が再び沖縄入りを果たされるのは、昨年の10月、25年ぶりの来県になりました。



2022年5月15日で、沖縄県が本土に復帰してから50年。「沖縄復帰50周年記念式典」が開催され、天皇皇后両陛下がオンラインで出席されました。
陛下は、「大戦で多くの尊い命が失われた沖縄において、人々は『ぬちどぅたから』(命こそ宝)の思いを深められたと伺っていますが、その後も苦難の道を歩んできた沖縄の人々の歴史に思いを致しつつ、この式典に臨むことに深い感慨を覚えます」と述べられ、また、今後の沖縄についても言及されました。

「今後、若い世代を含め、広く国民の沖縄に対する理解が更に深まることを希望するとともに、今後とも、これまでの人々の思いと努力が確実に受け継がれ、豊かな未来が沖縄に築かれることを心から願っています」
オンラインでのご出席から約5か月後、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開かれた国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭の開会式に出席されるため、10月22日に天皇皇后両陛下が特別機で沖縄県に向かわれました。到着後、両陛下は沖縄県糸満市の平和祈念公園を訪問されました。






沖縄の人たちに心を寄せられた「かりゆし」姿
翌日の23日、両陛下は「美ら島おきなわ文化祭」の開会式にご出席。陛下は、大会についてお言葉を述べられました。
「本年、本土復帰50周年という年を迎えたこの沖縄の地に、全国各地でさまざまな文化芸術活動に取り組まれている方々を迎え、国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭が開催されることは誠に喜ばしいことと思います」
また陛下は「今回、感染症対策に心を配りながら、この大会が介されることは、文化芸術活動に携わる方がへの大きな励みになることと思います。関係者の皆さんが開催のために払われた努力に対し、心から敬意を表します」と述べられました。





午後は、「かりゆし」に着替えられた両陛下は市立体育館を訪れ、11月に行われる「沖縄音楽フェスティバル」に向けた三線(さんしん)の練習風景をご視察。おきなわ工芸の杜(豊見城市)では、障害のある人とない人が一緒に大型絵画を制作するワークショップを視察されました。
25年ぶりの沖縄訪問では、沖縄の各所で多くの人と交流された両陛下。上皇ご夫妻から続く、平和への思いは、天皇皇后両陛下へ受け継がれています。
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