寒さもやわらいできた季節に生え始める早春の山菜。これからの季節においしい山菜について、野菜ソムリエプロの福島玲子さんは「2〜3月には、タラの芽やふきのとうがおいしく育ちます」と話します。早春の山菜の中でも代表的なこれら2つについて、選び方と保存のコツを教えていただきました。
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代表的な早春の山菜の選び方のポイント
春を感じる山菜はこの季節だけの味覚なので、ぜひ食べていただきたいです。そこで、まずは選び方について知りましょう。
タラの芽は、2月に栽培物のめだらが旬を迎えます。めだらは苦味が少なく、食感がやわらかいのが特徴。暖かくなった3月には、天然物で苦味が強くて味が濃いおんだらが出荷され、長く楽しめる山菜です。また、ふきのとうは3月頃から出荷されます。
タラの芽の選び方|大きさを要チェック
タラの芽を選ぶときは、つぼみが、少し開き3cmほどに伸びたものがよいです。さらに茎がふっくらとしていて5cm程度の長さだと食べ頃です。ほどよく成長したものは食感がいいですよ。また、葉は少し開いて、色味が鮮やかなものが◎です。
つぼみや茎が伸びすぎると、苦味やえぐみが強くなります。一方で、若いつぼみはやわらかいですが風味が弱く、食べられる部分も少なくなりますので、大きさを確認して好みに合うものを選んでください。
ふきのとうの選び方|つぼみ・葉・根元を確認
ふきのとうを選ぶポイントは成長しすぎていないことです。つぼみに締まりがあり、葉が閉じているものが良品。ふきのとうは葉の開きと比例して苦味が強くなりますので、つぼみをよく見ましょう。
また、根元に傷があるのはもちろんですが、切り口が黒ずんでいるものは傷んでいる可能性が高いです。鮮やかな緑色のものが新鮮でおいしいですよ。
タラの芽&ふきのとうの正しい保存方法
あまり日持ちしない山菜にとっての大敵は乾燥です。乾燥を防ぐ、正しい保存の方法をお教えします。
タラの芽の保存法乾燥から守れば3日冷蔵可
タラの芽はあまり日持ちせず、野菜室で保存ができるのは2〜3日程度。乾燥を防ぐために新聞紙に包んでから、呼吸ができるように穴を開けたポリ袋に入れ、野菜室に置きます。調理する際には、苦味を抑えるためにアク抜き(下茹で)をしましょう。ただし、天ぷらにするときはアク抜きはなしでもOKです。
茹でたものを冷凍してもOKです。ただし風味が落ちますので、できれば生から調理して食べていただくのがおすすめです。
ふきのとうの保存|アク抜き後に冷蔵庫へ
苦味の強いふきのとうは、冷蔵でも冷凍でも保存前にアク抜きをしておきましょう。
冷蔵の場合は、ふきのとうもタラの芽と同様に風味が落ちないように乾燥を防いで保存することが大切です。アク抜きをしたあとに軽く湿らせた新聞紙で包んでから、ポリ袋に入れ、野菜室に置けばOKです。2〜3日を目安に食べきってください。
冷凍する際は、アク抜きをしてから水気をしっかりと拭き取り、使いやすいように小分けにしてからラップで包み、保存袋へ入れましょう。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ