健康・医療

《目を痛めるリスク》コンタクトレンズで注意したい「入浴」「メイク落とし」「再装着」に関するNG使用法

コンタクトレンズを取り出している
やってしまいがちな、コンタクトレンズのNG行動(写真/photoAC)
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視力矯正だけではなくファッションの一部として取り入れられるなど、広く市民権を得ているコンタクトレンズ。しかし、直接眼球に触れるものだけに、使い方を誤ってしまうとリスクもつきものだ。そこで、『いつも使っているコンタクトレンズのことを、あなたはほとんど知らないかもしれない』(アスコム)の著者で、コンタクトレンズ会社社長の吉田忠史さんから、コンタクトレンズにまつわるNG行動を教えてもらった。

コンタクトレンズをつけたままの入浴はNG!

「お風呂にはコンタクトをつけたまま入っているという人、意外と多いのではないでしょうか?」と吉田さん。

コンタクトレンズを外すと視界がぼやけ、入浴しづらくなってしまうものの、コンタクトをつけたままで入るのは絶対にNGだという。

入浴している女性
コンタクトレンズをつけたままの入浴は雑菌が繁殖するリスクがある(写真/photoAC)
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コンタクトレンズで雑菌が繁殖しやすい状態に

水分を多く含むコンタクトレンズを入れている目は、菌が住みやすい環境になっている。しかも、目は涙が菌などを流すことによって病気から守られているが、コンタクトをつけているとその自浄作用も弱くなってしまうという。

「お風呂の水に含まれる雑菌が増殖して眼病を引き起こす可能性があります」(吉田さん・以下同)

入浴の少し前にコンタクトレンズを取るのが◎

浴室の中が見えにくくて困ってしまう、という人のために、吉田さんがコツを教えてくれた。

「直前でコンタクトを取ると、それまでとの見え方の違いで、より見えにくく感じることもあると思います。お風呂に入るちょっと前に、コンタクトを取って、少し目を裸眼の視力に慣らしてから入ると見えやすく感じるのではないでしょうか」

目を触る女性
入浴する少し前にコンタクトレンズをとり、目を慣れさせるのがよい(写真/photoAC)
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もちろんサウナやプールもNG

汗を大量にかくサウナでは、目に汗が入ってしまうことで雑菌が増えるリスクがあり、プールや海も同様に雑菌の多い水の中を泳ぐことになるので、目の健康のためには避けるべきだ。

どうしてもコンタクトレンズ着用でプールや海に入りたい場合は、できるだけ目に水が入らないようにし、上がったあと、新品のコンタクトレンズに交換することを吉田さんはすすめる。

「なお、水から上がった後の目は雑菌が繁殖しやすくなっていますので、時間をおいてから装着するようにしてくださいね」

1dayタイプは付け直しNG!

吉田さんは、1dayタイプを1日のうちであればつけはずしOKと勘違いされている場合があると話す。しかし、本当は「ワンタイム」で、「一度取り出して目につけたら、装着はその一度きり」だという。

何度もつけたりはずしたりするようには作られていないため、コンタクトレンズの調子が悪いからといって、はずしたものをもう一度付け直すのはNG。

一方で2weekタイプは開封から2週間が交換の期限のため、一度しかつけておらず、もったいないと思っても2週間経ったコンタクトレンズは処分して新しいものを使用する必要がある。

落としたコンタクトレンズの再装着はNG!

コンタクトレンズを落としてしまったら、1dayタイプかどうかに限らず、2weekタイプを開封した初日だとしても再装着はNGだ。

1dayタイプのコンタクトレンズ
1dayタイプのコンタクトレンズや落としたものは再装着NG!(写真/photoAC)
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「コンタクトはスポンジのような性質を持っているため、菌や水分を吸収しますし、水道水でコンタクトが変形する可能性があります。たとえ、消毒液で丹念に洗ったとしても、菌は完全にはなくなりません」

コンタクトレンズはメイク落とし前に外す

また、メイク落としをする際には必ずコンタクトレンズを外してからにするよう、吉田さんはいう。

「どんなにしっかりまぶたを閉じていても、クレンジング剤が目に入ることがあり、コンタクトの汚れや変形につながります。コンタクト装着時に限らず、裸眼の状態でも目の健康にとってよくありません」

アイメイクの落とし方

コンタクトレンズを外したら、吉田さんが教える目の負担にならないアイメイクの落とし方を実践しよう。

綿棒を持っている
目に負担をかけないメイク落としの方法を実践しよう(写真/photoAC)
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「アイメイク専用のリムーバーをコットンに適量つけ、目をきちんと閉じて10〜20秒ほど上まぶたに軽く押し当てます。メイクが浮いてきたら、優しく拭き取りを」

ゴシゴシとこすると目にクレンジングが入りやすく、皮膚を傷めることにもつながるので要注意。

「マスカラは、コットンをまつげの下に当ててから、クレンジングをつけた綿棒で優しくまつげをなでるように落としましょう」

ちなみに、メイクをする際は逆に、コンタクトレンズをつけてから行うのが正しい順序となる。

◆教えてくれたのは:株式会社パレンテ代表取締役・吉田忠史

スーツ姿で腕を組んでいる男性
株式会社パレンテ代表取締役の吉田忠史さん
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よしだ・ただし。2011年に株式会社パレンテ代表取締役就任。コンタクトレンズECサイト「レンズアップル」を運営するほか、 自社ブランド「WAVE」では「“見える”をもっと楽しく。 “見える” をもっと手軽に。」 をコンセプトに、コンタクトの枠を越えた商品・サービスを展開し、 視覚を通じて人生を豊かにすることに貢献。 日本一コンタクトを愛し日本一コンタクトを売りたい男として、YouTube「コンタクト社長よしだちゃんねる」 を配信している。https://www.youtube.com/channel/UC42lUmww3cdxr0nUKiS647g

◆監修:眼科医・河内敏

かわち・さとし。コンタクトレンズの正しく安全な使用法を啓もうすべく、 株式会社パレンテと組んでさまざまなプロジェクトを企画したり、ラジオパーソナリティやイベントでの講演も行なったりしている。

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