お重にあれこれ入った豪華なおせち料理もいいけれど、値段は高価だし、実際は量が多すぎて食べきれない…ということも。そんなときに、ほんの少しの手間と材料で、お正月感を一気に盛り上げてくれるのが、かまぼこの飾り切り。その魅力と、3分でできる、カンタンかまぼこの飾り切り2種の作り方を、料理家のいづいさちこさんに教えてもらった。
――かまぼことは思えない美しさですね。
いづい:かまぼこは、そのままスライスするのもいいのですが、少し変化をつけて包丁を入れるだけで、ぐっと小粋さが増します。切り方1つで口当たりが変わるのも、かまぼこの魅力。紅白のかまぼこで作る飾り切りも数多くの種類がありますが、実は白いかまぼこだけで作るほうが、シンプルな美しさが際立ちます。
和の器ではなく、洋風の器に盛りつけるのもおしゃれに仕上げるポイント。愛らしい花かまぼこと、曲線の麗しさが魅惑の結びかまぼこの2種に、南天の枝などを添えれば、それだけで立派なお正月の1品になりますよ。花の中央に、いくらを少しトッピングしてもいいですね。簡単なのに、こんなにも素敵な日本の文化、ぜひ挑戦してほしいですね。
花かまぼこの作り方(1個分)
【1】かまぼこが板についたままの状態で、8㎜幅1枚と、2〜3㎜幅1枚にスライスする。8㎜幅にスライスしたかまぼこの中央に、上からやや深めに切り込みを入れる。どちらも板から切り離す。
【2】2〜3㎜幅にスライスしたかまぼこを、くるっと丸める。
【3】丸めたかまぼこを、もう一方の切り込みを入れたかまぼこの中に入れ込む。ほかも同様に作り、器に盛る。
結びかまぼこの作り方(1個分)
【1】かまぼこを5㎜幅に1枚スライスし、板から切り離す。まな板に寝かせて置き、中央に縦の切り込みを入れる。
【2】 中央の切り込みの左右に、上下から半分くらいまで、切り込みを入れる。
【3】切り離した部分のかまぼこを、一方は下から、もう一方は上から穴に入れ込む。
【4】上下から入れ込んだかまぼこの先端を両手でぎゅっと引っ張り、結び部分を締める。
ほかも同様に作り、器に盛る。
◆教えてくれたのは…
いづいさちこさん料理教室『くにたちの食卓いづい』を主宰。定番からアレンジ料理まで幅広く、美しい盛りつけも人気。『箱詰め名人の持ちよりベストレシピ』(家の光協会)。『9つの調味料&スパイスがあなたの料理を変える』(誠文堂新光社)など著書多数。
撮影/菅井淳子 取材・文/堀内雅江