ライター歴45年を迎えたオバ記者こと野原広子(67歳)。年々、1年が過ぎるのが早いと感じているが、2024年もあっという間! 今年はどんな年だったのか? オバ記者が振り返る。
* * *
「今年ほど大きくページがめくれた年はなかった」
残すところあと何日? 指折り数える年末をいかがお過ごしですか。私の方は朝からまったりとYouTubeざんまい。ときどきFacebookとインスタで人様の幸せそうな年の瀬をながめております。大掃除? おせちの用意? あ、そういう人並みのことはいっさいナシ。てか、根無草オバが笑って暮らすには絶対に手を出してはいけない領域なのです。
なんてことを心の中でつぶやきながらスマホで写した写真を見ていたら、今年はつくづく面白い1年だったと思う。ライターという不安定な仕事を45年も続けていると浮いたり沈んだりは当たり前だったけれど、今年ほど大きくページがめくれた年はなかったかもね。
地元での講演会に元受刑者“乱入”
まず3月にわが郷里の茨城県桜川市で講演会をさせていただいたの。5月には笠間稲荷で有名な笠間市に参上!
桜川市では昨年の11月に初めて呼んでいただいて今回は2回目。どちらも同級生が応援に駆けつけてくれてね。2回目は前夜から降った雪でローカル線の水戸線の線路に竹が倒れて不通になって来られない人がいるまさかの展開。さらに当日、予想外のアクシデントが起きた。講演会の途中からひとりの男性がふらりと入ってきたのよ。
こちらは講演の余興で、刑務所の管理栄養士で『めざせ!ムショラン三ツ星』の著者、黒柳桂子さんに登壇してもらって「ムショのご飯は臭くない!」という話をしていたところ。すると「そうだぁ、臭くねーぞ」と最前列から声がかかった。なんとふらりと入ってきた男性が元受刑者だったのよ。
「はいはい、マイクマイク」ということになり、男性も「ムショの飯はうまかったです」というから大爆笑よ。
笠間市の講演会では講演のあと、みなさんに「夢はなんですか?」とマイクを向けてインタビューをしたの。その時に山口伸樹市長は「引退したら離島で暮らしたい」と答えたのよ。講演会が終わり、職員から教わったお蕎麦屋で昼食を食べていたら、「先ほどはありがとうございました」と声をかけてくださった方がなんと山口市長の奥様で「主人がああいう夢をもっていることを初めて知りました」とおっしゃるんだわ。「そういえば夫婦って意外とそういう話ってしないよね」と同行のアヤヤがしみじみと言いながら蕎麦をすすっていたっけ。
ラジオ出演、ついに地上波も
笠間市での講演会の前日はたまプラーザの地域ラジオに出演。てか、乱入(笑)。ラジオは母親の介護をしているまっただ中の2年前に茨城放送からお声がかかりガチガチになりながら話した経験がものをいったのかしら。今回はわれながら口が動く動く。
そしてとうとう地上波で9月21日放送の『私のヒュッゲ』(テレビ東京)に出演。私の暮らしぶりをこの日と翌週の2回に渡って取り上げられたの。毎朝、お水を棚にあげて、仕事の合間にヨーグルトや甘酒作りなどなど、私の暮らしぶりには1ミリのウソもないけれど、いくらなんでもここ何年も人を招き入れていない部屋をみなさんにお見せするワケには参りません。収録日の8月14日を迎えるまで娘もどきの千恵子に手を合わせたり、ライター仲間の青木まき子さんにすがりついたりしてお片付け。そんな姿は本番ではもちろん映ってなくて、私は涼しい顔で米とぎなどをしていたのでした。
都知事選で注目を集めた石丸氏にインタビュー
忘れられない仕事は6月はじめ、東京都知事選挙に出馬を表明した安芸高田市市長の石丸伸二さんにインタビューしたこと。翌日は退任式という日に広島県安芸高田市の市長室でプライベートなことを聞きまくったわよ。「恥を知れ、恥を!」なんてもちろん言われず終始にこやか。てか、自分から「苦手なものは親しくなった女性との会話」なんて水を向けるから、「私、女性週刊誌の記者ですよ。そんなこと言われたら突っ込まずにいられないじゃないですかぁ〜」と言うと、「どうぞどうぞ」だって。
その後の都知事選挙戦も私の住む秋葉原やふた駅先の東京駅前に選挙カーが来るから、気になってね。何度か足を運んじゃった。そんなわけでこの夏のイメージといえば石丸カラーの薄紫。都知事選には落選したとはいえ165万票! その後の石丸さんのYouTubeでの活躍はご存知の通りだ。
小林幸子さんの田植えのイベントで出会った金子恵美さん、宮崎謙介さんご夫妻にも驚いたわね。おふたりは仲がいいと聞いていたけど、ここまでとは! 「まさか新潟で『いっしょに写真撮ってください』と声をかけていただくとは思わなかったからうれしいです」と過去の出来事を隠さず話す宮崎さんにすっかり魅了されてね。『女性セブン』でインタビューをすることになりました。
これまで有名、無名を問わずインタビューをしてきた私だけど今年はいくつかの雑誌やネット媒体からインタビューをされた。AERA、日刊ゲンダイ、日経BP。特選小説では『全裸監督』の著者であこがれの本橋信宏さんとは3時間たっぷり話ができました。
実家の茨城まで原チャでの旅
プライベートでもいくつかチャレンジした年だったわね。実はいつか茨城に住む弟の家まで原チャで行きたいというのが、60歳で原チャリの免許を取ってからずっと温めていた夢だったの。それを5月の連休に実現。人は「すごい体力!」と驚いてくれるけれど実際は逆。今やらないと来年はどうなるかわらないという不安があって、ずいぶん考えたあげくの決行だったわけ。
もちろん一度に往復したのではなくて、復路は後日、あらためてよ。だけどその間、桜川市のコクボオートさんで愛車を徹底的に整備してもらったらこんなに変わるの?と驚く乗り心地になってね。やっぱり行って良かった! できれば来年も茨城の農道を突っ走りたいな。
東京から伊豆下田までオールグリーン車のサフィール踊り子号には6人まで乗れる個室があるってご存知? そこをひとりじめしてもひと部屋分の個室料金を払えば、特急乗車券は6人分ではなくてひとり分でよしと、YouTuberのスーツさんが番組で言ってたのでいてもたってもいられず決行!
が、調べたら発売と同時に売れ切れのプラチナチケットでね。取れるわけがない。冷やかし半分でみどりの窓口に並んだらきゃーっ、取れちゃった!
『大人の休日倶楽部パス』(JR東日本の新幹線を含む全線が5日間乗り放題のチケット)も、今年は秋冬の2回、運良くスケジュールガラ空きのタイミングだったので乗りまくり。
と、この鉄運の強さを来年は男運、金運でも大いに発揮しますようにと、お正月はご近所の神社参りをしようっと。
みなさまも、良いお年を!
◆ライター・オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。
【432】67歳オバ記者が綴る“魅力度ランキングワースト1位 佐賀県、茨城県の魅力 茨城の鉄板パワースポットと佐賀・唐津の「人の優しさと食べ物のうまさ」
【431】“鉄旅”を愛する67歳オバ記者、『大人の休日倶楽部パス』を使って青森へ 「寿司屋や海鮮居酒屋には行かない」理由