
近年は利便性の高さやコスパの観点からカット野菜を使う人が急増し、サラダ用だけでなく、「豚汁用」「野菜炒めセット」「鍋用」など用途別にさまざまな種類の野菜がカットされ、袋詰めして販売されている。
”カット野菜は危険”から安全に
ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会代表理事で加工食品ジャーナリストの中戸川貢さんが解説する。
「かつてカット野菜の消毒には次亜塩素酸ナトリウムという強力な薬剤が使用され、体への影響が懸念されていましたが、最近は次亜塩素酸水といって正しく使えば人体に害のない溶液を使用するケースがほとんどになりました。カット野菜ですから、丸ごとの野菜に比べれば当然栄養価は落ちると言わざるを得ませんが、水につかっているわけではないので、栄養素が流出し続けているわけではない。
カット野菜やパック詰めの野菜の技術は年々向上していて、最近は大手のメーカーが国産野菜の旨みやミネラル分をしっかり残したままの野菜パックを出すようになった。ただし、旨みやミネラルを残そうとすると農薬も残ってしまうので、輸入野菜を使用しているカット野菜やパック野菜は避けた方がいい」

むしろカット野菜や冷凍野菜を選んだ方が、栄養を多く摂れるケースもある。管理栄養士で健康検定協会理事長の望月理恵子さんはこう説明する。
「旬でない野菜は必然的に栄養が少なくなります。冷凍野菜は、旬の時期に収穫した野菜を冷凍していることが多いので、季節外れの野菜を生で買うなら、冷凍の方がいいかもしれません。
カット野菜についても、家で調理するときに切ったり洗ったりするのだから、栄養分にそこまでの差はないと思います。ただし、パックの内側に大量の水滴がついていたりすると傷みの原因になりますから、そうしたものは避けるか、購入後はすぐに水分を拭き取ってください」(望月さん・以下同)
旬の野菜がおいしく、栄養がたっぷり含まれることは事実だが、例外もあることを覚えておきたい。
「ブロッコリースプラウトやパセリ、レタスなどの中には水耕栽培で育てられているものもあり、これらは1年を通して栄養価が変わりません」
※女性セブン2025年2月20・27日号