料理・レシピ

料理家・山本麗子さん(77才)、ひとりの食事をおいしくする肉・野菜の下ごしらえ術 エビワンタンも一度に作って冷凍保存で調理がラクに

「えびワンタンスープ」

えびワンタンを作り置きしてらくらく調理の「えびワンタンスープ」

65才以上の女性の5人に1人がひとり暮らしといわれるいま(総務省調べ)、日々の料理に迷う女性が増えています。毎日の食事が心身の健康に直結する年代である一方、「食材を買っても食べ切れない」、「作る張り合いがない」といった理由で料理から遠ざかる人も。こうした悩みに、40年以上一線で活躍し続けるプロはどう対処しているのか聞いてみました。下ごしらえで簡単調理の鍋とスープを山本麗子さん(77才)が教えてくれました。

下ごしらえに手間をかけ、冷凍保存

「70代はまだまだ元気!ひとりだからといって手軽に適当に作れる食事でいいと思っている人は、私の周りにはひとりもいませんよ!」 と話すのは、現在、軽井沢で暮らす山本麗子さん。

鍋に野菜を入れる女性

下ごしらえに手間をかければ調理が楽に!

食材はすぐ使えるように下ごしらえをしてから保存しておくのが、おいしく使い切るコツだという。ごぼうなどはミックス野菜にして冷蔵庫に、あめ色玉ねぎやワンタンは一度に多めに作り冷凍庫にストック。

あめ色玉ねぎ

山本麗子さんお手製のあめ色玉ねぎ

「カットしたミックス野菜はみそ汁やうどんにサッと加えられて便利。あめ色玉ねぎは、作るのに時間がかかりますが、スープやカレー、炒め物などに加えるだけで、ぐんと本格的な味わいになります。ちょっと手間ですが、せっかくならおいしいものを食べたいですものね」(山本さん・以下同)

【鍋】「鶏とごぼうの鍋」のレシピ

ごぼうの風味が豊か。焼餅を入れてお雑煮風に。

「鶏とごぼうの鍋」

「鶏とごぼうの鍋」

《鶏肉と野菜の下ごしらえ》

鶏肉は茹でて冷凍。野菜は切って混ぜておきます。野菜は保存袋に入れてしっかり空気を抜き、冷蔵庫で5日程度保存可。

保存袋に入った鶏肉

肉は茹でて冷凍

「鶏肉は片栗粉をまぶしてから茹でて冷凍すれば、プリッ、ツルッとした食感をキープできます。再加熱の時間も短くて済みますよ。ごぼうはよく洗って皮ごと使うと風味が残ります。混ぜる野菜はお好みで」

保存袋に入れた野菜

保存袋に入れたらしっかり空気を抜く

《材料》(1人分)

鶏もも肉…300g 片栗粉…大さじ1 ごぼう…1本 大根…300g 長ねぎ…1本
※鶏もも肉、ミックス野菜は下ごしらえしたら半量を使う。

【A】だし汁…4カップ しょうが汁…小さじ1 塩…小さじ1弱 しょうゆ…大さじ1 酒…大さじ2 餅…2個 三つ葉…適量

《作り方》

【1】鶏もも肉は2cm角に切り、塩少量(分量外)と片栗粉をまぶす。鍋に湯を沸かして茹でたらバットに取り出す。

【2】ごぼうは洗って皮ごとせん切り、大根は皮をむいて細切り、長ねぎは斜めの薄切りにしてボウルに入れ、混ぜ合わせておく。

【3】鍋に【A】を入れて火にかけ、煮立ったら【1】と【2】を各半量加える。

【4】焼いた餅を加えて器に盛り、1cm幅に切った三つ葉をのせる。(※残りの鶏もも肉は冷凍、ミックス野菜は冷蔵で保存する。)

【鍋】「トマトとじゃがいものチーズ鍋」のレシピ

野菜もたんぱく質も摂れて栄養満点。

「トマトとじゃがいものチーズ鍋」

「トマトとじゃがいものチーズ鍋」

《材料》(1人分)

トマト缶…1/2缶 じゃがいも…大1個 玉ねぎ…1/4個 キャベツ…100g ベーコン…30g  フランクフルトソーセージ…150g サラダ油…小さじ1 コンソメスープの素(固形)…1/2個  水…2カップ 塩・こしょう…各少量 ピザ用チーズ…60g

《作り方》

【1】じゃがいもは皮をむき1cm角に切る。玉ねぎ、キャベツも1cm角に切る。ベーコンはみじん切りにする。フランクフルトは3cm厚さの斜め切りにする。

【2】鍋にサラダ油を入れ、ベーコンを炒めたら、じゃがいも、玉ねぎ、キャベツを加えて軽く炒める。水と刻んだトマト缶を加え、野菜が柔らかくなるまで煮る。

【3】固形スープの素、フランクフルトを加えひと煮立ちさせ、塩・こしょうで味を調える。チーズを加え、溶けたら火を止める。

鍋で具材を炒めている

細かく刻むのがスープに旨みを出すコツ

ベーコンと野菜は細かく刻むことで、スープに旨みが出やすくなる。口当たりもよくなり、どんどん食べられる。

冷蔵庫にある食材でシメまでおいしい鍋に

ベーコンと野菜の旨みに、チーズのコクが加わった深い味わい。フランクフルトソーセージでボリューム感も◎。

「残っている食材を刻んで入れるだけでおいしい」

ご飯にかけてリゾット風に

ご飯にスープをかけたもの

締めはご飯にかけて

シメはスープをご飯にかけてリゾット風に。煮込むよりサラッと食べられる。

【スープ】「オニオングラタンスープ」のレシピ

本格フレンチの味わいがあっという間に完成。

「オニオングラタンスープ」

「オニオングラタンスープ」

《あめ色玉ねぎの材料》(作りやすい分量)

玉ねぎ…2~3個 バター…40g

《作り方》

【1】玉ねぎは皮をむいて薄切りにする。

【2】鍋にバターと【1】を加え、焦げないように中火~強火を繰り返し、あめ色になるまで40分ほど炒める。

【3】冷めたら40~50gずつ保存袋に入れ冷凍する。

あめ色玉ねぎをスプーンですくっている

40分ほど炒めて作るあめ色玉ねぎ

《「オニオングラタンスープ」の材料》(2人分)

あめ色玉ねぎ…80~100g 水…2カップ コンソメスープの素(固形)…1/2個  塩・こしょう…各少量  バゲット…1cmの薄切り4枚 ピザ用チーズ…80g パルメザンチーズ…大さじ1

《作り方》

【1】鍋にあめ色玉ねぎと水、固形スープの素を入れ、弱火で5分ほど加熱する。塩・こしょうで味を調え、温めたカップに注ぐ。

【2】バゲットにピザ用チーズをのせてトースターで5~6分チーズが溶けるまで焼く。」

【3】【1】のスープに【2】をのせ、好みでパルメザンチーズを振る。

チーズをのせたパン

チーズをのせて焼いたパンをスープに浮かべれば、オーブンいらず。「大好きなオニオングラタンスープを手軽に食べてもらいたい、と考案したレシピです」

下ごしらえして冷凍した食材はいろいろな料理に

「あめ色玉ねぎは、鍋についた焼き目を削ぐイメージで炒めていくのがコツ。大さじ山盛り1杯でオニオンスープ1杯分になり、カレーや炒め物のコクもアップ。ワンタンは、麺やはるさめと合わせれば、一食になります」

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