
近年減少傾向にあった「質屋」が、コロナ禍を境に注目を集めている。品物(質草)を預ける代わりに現金を融資してもらい、期限までに元金と利息を返せば品物が戻ってくるため、「給料日までちょっとお金が足りない」「冠婚葬祭費で急に入り用になった」といったときに重宝し、バッグやアクセサリー類を質草にする女性利用客が増えているという。では、高額査定がつくのは具体的にどんな品なのか?
ハイブランド品に限らず、不要品をお金に換えたいならこの選択肢が◎
銀行や消費者金融は“人”を査定して融資するが、質屋は“物”を査定する。それだけに、質草は“担保になる価値のある物”に限定される。一方で買取は、手放すことにはなるものの、幅広いジャンルの物が現金になる。
「買取を希望されるお客さまはコロナ禍の前後にかかわらず、年々増えています。特に、ご実家の整理や終活などの後にまとめ売りされるかたが多いです」とは、出張買取に定評のある「福ちゃん」の総合査定士・永田雛乃さんだ。
買取希望が多いのは着物、食器、毛皮
「売却希望の品で最も多いのが、着物、食器、毛皮。捨てるにはしのびないけれど、着ないし使わない、しかもかさばるし、捨て方がわからないなどの理由です」(永田さん・以下同)
これらはノーブランドでも値がつくこともあるという。そのほか、デジタルカメラ、ゲーム機、ゲームソフト、レコードプレーヤー、スピーカーなども売れる。
平成初期のデジカメ、中国切手などはお宝に
「平成初期のデジタルカメラは需要が高まっていて数万円になることが。壊れていても、バッテリーがなくても買取できる場合があります。ソニーのウォークマンは、初期のものが数十万円に。故・鳥山明さんの漫画『ドラゴンボール』が表紙になった1980年代の『週刊少年ジャンプ』に約10万円の値がついたことも」
中国の切手や骨董品に望外の値がつくこともある。
「文化大革命時代(1966~1976年)の切手は燃やされてしまって現存数が少ないため、1枚で10万円になるケースも。また、中国の古い硯が国際オークションで約3億円の値がついたことがありました」
思ってもみないものに値がつくケースがあるので、持ち込みより出張買取で、家中の物を査定にかけた方がいいようだ。
「福ちゃん」で買取査定した金額を大公開!
「福ちゃん」で買取査定した金額を大公開する。金額は2024年6〜12月の相場で、現在は値段が変わる可能性あり。
【訪問着】「本加賀友禅 初代由水十久 童子 梅の木 パープル マルチカラー」

買取査定額:12万6000円
「着物の買取査定額は数百円が多いですが、作家もの、新品、流行柄の振袖であれば高値がつくことも」
【反物】「明綴れ 金糸 菱模様 花唐草 宝相華 ゴールド ブラウン マルチカラー」

買取査定額:21万2317円
「仕立てられる職人が減り、反物は着物より需要は低いですが、素材で価値は変わります。基本は正絹」
【毛皮】「ロシアンセーブル アムール産 ハンガー・カバー付」

買取査定額:28万699円
「動物愛護の観点から日本での需要は低く、ミンクやラビットは数百~数千円。セーブルが最も高額に」
【食器】「マイセン イエローローズ ピンクローズ コーヒーカップ&ソーサー 計6客」

買取査定額:38万9355円
「ブランド品の箱入りセットは高額の傾向に。ノーブランドでも箱入りセットなら値がつきやすいです」
【バッグ】「ルイ·ヴィトン トリヨンレザー ブラック ハンドバッグ」

買取査定額:31万8500円
「ルイ・ヴィトンは需要が高く、破損、汚れがあっても値がつきやすい。特に上記は人気で高値に」
【バッグ】「シャネル マトラッセ キャビアスキン ダイアナフラップ」

買取査定額:73万1817円
「ルイ・ヴィトン、シャネル、エルメスは3強。カビが生えていても10万円以上の値がついたことも」
写真/PIXTA
※女性セブン2025年3月6日号