
世界中で累計6億部以上を誇る小説『ハリー・ポッター』シリーズ。さらに、計8作が公開された映画版も累計の興行成績は77億ドル超(約1兆1000億円)で、世界歴代3位の記録を持つ。そんなファンタジー小説の金字塔は現在、新たな映像化の企画が進行中だ。
「ワーナーブラザース傘下の大手放送局で、計7シーズンのドラマ版の制作が決まっています。同社のストリーミングサービスで配信され、1冊につき1シーズンで描く予定。映画版より忠実に映像化できると期待されています。ハリーのほか幼い頃のエマ・ワトソンさんが演じたハーマイオニー役などは未定ですが、先日、主要キャストの一部が発表されました」(映画関係者)
配役で注目されたのがハリーとの因縁が深い、魔法学校の名物先生役だ。
「ハリーと対立し、彼を目の敵にするスネイプ先生です。原作では顔色は土気色で大きな鉤鼻、髪はねっとりとしており、まるでコウモリのようだと表現される個性的な役どころ。映画版でスネイプを演じたアラン・リックマンさんは、あまりの完成度の高さにファンからも“完コピだ”と称賛され、スネイプ役は彼の代名詞になりました」(別の映画関係者)

このスネイプ先生、原作者のJ・K・ローリングにとっても“影の主人公”と語るほど思い入れの深いキャラクターなのだという。
「ローリングさんは、最初はオファーを渋っていたリックマンさんを食事に誘い説得。彼が演じやすいように、当時は未発表だったスネイプの秘密を明かしてまで役作りをサポートしたことが知られています。ただ、残念なことにリックマンさんは2016年に亡くなっており、今回、ドラマ版で誰が演じるのか大きな注目が集まっていたのです」(在米ジャーナリスト)
白羽の矢が立ったのは、ガーナ人の両親を持つ俳優のパーパ・エッシードゥ。
「当初は、『スネイプ先生がアフリカ系になった』と意外なキャスティングに驚きの声が広がりました。しかし、エッシードゥもシェイクスピアの舞台で鍛えられた実力派。さらにシリーズ完結まで10年を要する一大プロジェクトだけに、原作の設定に忠実な実年齢が重視されたそうで、彼はスネイプ先生と同じ34才です」(前出・映画関係者)

また、昨今のハリウッドのトレンドも影響しているという。
「設定や配役にも多様性が求められる時代です。昨年、真田広之さんが主演し賞レースを席巻した『SHOGUN 将軍』が高く評価された要因のひとつにも、この多様性が影響しているといわれています。制作陣としては注目を浴びる役どころにアフリカ系の俳優を起用して、“魔法使いに白人も黒人もない”と多様性をアピールする思惑もあるのでしょう」(前出・映画関係者)
今夏にも撮影がスタートする同作。配信開始は2027年頃になりそうだ。
※女性セブン2025年5月8・15日号