
桜が散ったと思ったら、一気に季節は夏へと向かい始めた。新緑と初夏の風を感じながら食べたくなるのは「冷たい麺」。そばやうどん、冷麺など麺文化が根づく古都・京都で、さわやかで涼しげな見た目にも美しい「冷たいそば」を、地元に精通する文化人や京都グルメを知り尽くす地元情報メディア『Leaf KYOTO』に教えてもらった。
すだちといちじくのダブルの酸味がマッチ
「すば」は店舗にある製麺所で作る自家製そばを、「うどんのだし」に合わせた新進気鋭の立ち食いそば店。「冷やかけすだちいちじく」(1300円)は、たっぷりのすだちといちじくは酸味と甘さのバランスがバッチリ。


◆「すば」
京都府京都市下京区木屋町通松原上ル美濃屋町182-10
濃いめのつゆに風味豊かな自家製麺が絡み合う
「そば処 志な乃」の「天ざる」(1800円)は、国産のそば粉を使った細めの自家製製麺に、めじか、さば、利尻昆布からとっただしをベースにしたつゆがよく合う。えび、なす、ししとう、玉ねぎ、大葉、のりなど、さくさくの天ぷらもボリュームたっぷり。



◆「そば処 志な乃」
京都府京都市左京区正往寺町462-2 インペリアル岡崎 1F
キリッとしまったそばにほろほろにしんの甘みが至高
「京都総本家 にしんそば松葉」は、1861年創業、「にしんそば」発祥の名店。「冷やしにしんそば 」(2090円)は、薄味の上品なだしと、甘めに味つけされた肉厚なニシンで奥深い味わいに。温かいにしんそばにはない、山芋と卵でやさしい食べ心地に。九条ねぎはもちろん、七味唐辛子を入れて味の変化を楽しんで。



◆「京都総本家 にしんそば松葉」
京都府京都市東山区四条大橋東入ル川端町192
ふっくらジューシーなおあげと紅しょうがが好相性
「本家 田毎」は、明治元年創業の歴史ある名店。「ひやしきつね 」(1090円)は、京都の地下水を使って作られた繊細でコシのあるそばと、昆布とかつおぶしのだしが美味。たっぷりの刻みのりにさっぱりとした大根おろしと甘いおあげの見事な調和に、紅しょうがのアクセントがぴったり。



◆「本家 田毎」
京都府京都市中京区三条通寺町東入ル石橋町12
自家製の麺にこだわりの具材
「六条新町 招福亭」の「茶そば冷麺」(1150円)。自家製の茶そばに合わせる具材は、すべて国産の無農薬野菜を使用した体にうれしいこだわりの逸品。甘みと酸味のバランスが絶妙なスープは、改良を重ね、3年かけて現在の味に。ヘルシーで心も体も元気になれる。



◆「六条新町 招福亭」
京都府京都市下京区艮町894
見た目にも涼しげな極上の一杯
「花もも」の「すだちそば」(1050円)。そば粉8割、小麦粉2割で作られた「二八そば」はもちもちとした口当たり。やさしい味つけのだしに浮かぶすだちが美しく、目でも口でも楽しめる逸品。すだちは、丁寧に種が取り除かれており、さわやかな酸味を余すことなく堪能できる。



◆「花もも」
京都府京都市中京区丸太町麩屋町西入ル昆布屋町398
麺と一緒に京都のおまつりも!山鉾巡行は圧巻の「祇園祭」

「祇園祭」は、日本三大祭りのひとつで、1000年以上の歴史を持つ京都の夏の風物詩。疫病退散を祈願し、天下泰平などを願う34基の山鉾巡行は迫力満点(7月1~31日)。
※女性セブン2025年6月5・12日号