
“俺様”だった夫にぴしゃりと三くだり半を突きつけた加藤ローサ(40才)の行動が、女性たちの共感を集めている。思っているよりも、自分の趣味を無理矢理押しつける「自己満夫」に辟易している妻は多いのかもしれない──。
中学2年生と小学6年生という食べ盛りの息子たちに元プロスポーツ選手の父。彼らの胃袋を満たす母の手料理が並ぶ食卓を“家族”が囲む。温かい家庭の一コマだが、この父と母が、夫婦でなかったとしたら──。
「いまは籍を抜いていて。(中略)そうなんです。離婚していて……」
8月17日放送のトークバラエティー番組『おしゃれクリップ』(日本テレビ系)に出演した加藤ローサは、番組冒頭で元サッカー日本代表の松井大輔(44才)との離婚を電撃告白した。
「突然のカミングアウトに、MCの山崎育三郎さん(39才)は硬直していました。でも彼女に悲壮感はなく、はつらつとした笑顔で『一緒に生活は続けつつ、ちょっと夫婦という形を変えて』と子供のために離婚後も元夫との同居を続けていることを明かしました。そんな“妻卒業宣言”に世の女性たちからはあっぱれ!と共感の声が続々と集まっています」(芸能関係者)
高校3年生のときに出演した結婚情報誌『ゼクシィ』のCMでブレークしたローサだが、結婚願望は低かったという。そんな彼女を口説き落としたのが、2010年の南アフリカW杯で活躍した松井だ。
「当時フランスのチームに所属していた松井さんは共通の知人を介してローサさんに猛アタック。3度にわたるプロポーズの末2011年6月に授かり婚でゴールインしました」(ローサの知人)
ほどなくしてローサは渡仏、第1子を出産した。当初は育児に積極的で、イクメンを自称し、おむつ替えや入浴を担っていると雑誌の連載で誇らしげに語っていた松井だが、時が経つにつれて“素”が出てきた。
「協力的だったのは最初だけで、日本に帰国して2人目が生まれた頃には完全にローサさんのワンオペに。彼女はアスリートの夫のコンディションを崩してはいけないと2才差兄弟の育児に奔走し、周囲に夫のことを“家では3人目の息子のようにだらんとしている”とこぼすこともありました」(前出・ローサの知人)

ただし松井は夫として何もしなかったわけではない。
「結婚10周年のときはローサさんに指輪を贈っていました。育児であまり仕事ができない分SNSでの発信に力を入れていた彼女のオーダーに応じて、最新機種のスマホをプレゼントしたこともあります」(前出・ローサの知人)
しかし、夫からの豪華なプレゼントにもローサの表情はさえなかったという。
「指輪は大きなダイヤモンドが付いたかなりごついデザインで、ローサさんが“日常使いできるものに変えたい”と言っても、松井さんは“似合っているから毎日つければいい”と取り合わなかったそうです。
スマホも彼女は黒を欲しがっていたのに、くれたのはゴールド。表向きは喜ぶしかなかったようですが、内心は複雑な思いがあったでしょうね。松井さんはそんなローサさんの気持ちには気づかず、“おれはちゃんとやれてる”と、自己満足に浸っていたようです」(前出・ローサの知人)
同居離婚は賢い選択
積み重なる“がっかり”が夫への気持ちを冷やしていったのか、ローサのインスタグラムで当初は「アモーレ(愛する人)」や「夫」と表現されていた松井は、徐々に「35番」「22番」と彼の所属チームでの背番号で表現されるようになった。
「ローサさんはずっと“自分は大切にされていない”と感じていたのでしょう」と語るのは、離婚カウンセラーとしてこれまで4万件近い夫婦の問題を間近で見てきた岡野あつこさんだ。
「男性はプレゼントをあげる際、自分の趣味を押しつけがちです。それが女性には自分のことを充分に見ていない、考えていないように映り、私は大切にされていないと感じるのです。ローサさんのように要望を丁寧に告げても見当違いの言動が返ってくると、“こんなに価値観が違うのか”と無力感に襲われてしまいます」(岡野さん・以下同)
これは松井とローサに限った話ではない。
「夫からとんちんかんな贈り物をもらってしまい困ったことがある、というのはもはや世の妻たちの“あるある”です。だからこそローサさんには幅広い世代から同情が集まり、『鈍感夫によく言った』と称賛の声が上がっているのでしょう」
ローサは同番組で「よい妻、よい母でいなきゃ」と食事の準備や習い事の送迎、休日の外出などを“家族ファースト”でこなし、自我を忘れるほどの毎日を送っていたと語った。妻と夫で“見ているもの”が違うことも、すれ違いの大きな要因だという。
「妻はいまを大切にしていて、夫と子供に寄り添って一緒に生きていこうとします。でも夫は自分や家族の将来のことばかり考え“いま”のことをおざなりにしがち。そのくせ家事や育児を押しつけている妻に『いつもありがとう』と声をかけるでもなく、当たり前だと享受する。生活費と適当なプレゼントを渡すことで万事OKだろうという自己満な考え方だから、歩調が合わないのは当然です」

2015年近く良妻賢母を目指して家族に尽くしたローサが葛藤の末に選んだのは、「離婚したけど同居する」という新しい家族の形だ。彼女いわく松井は「理由とかない! おれが言っているんだからこう!」と主張する“俺様タイプ”。雑誌のインタビューで「食べ物が目の前にあると全部食べてしまう」「彼が行きたいところにしか行けない」と不満を漏らしたこともある。
「このタイプの男性は離婚の際も“離婚したら子供と一緒に住めない”と駄々をこねたり、子の親権を徹底的に主張したりと揉めるケースが多い。ですから、離婚届は出すけれど生活スタイルを変えない、“紙”の有無の違いだけだと同居離婚を提案し、納得させたローサさんの選択は賢いです。
呆れ果てて元夫の顔なんて見たくないという気持ちもあるでしょうが、子供のために円満離婚へとぐっと踏みとどまったのでしょう。もちろん、同居を続けることは思春期の子供のメンタルにとっても最適です」
番組にVTR出演した松井は「自分としては(生活は)これからも変わらない」と豪語したが、彼女の心境はまったく違うはずだ。
「同居していても離婚届を出すことで妻という役割から卒業できます。しかも妻としての責任感が強い人ほど夫の面倒を見ることから解き放たれた喜びが大きくなる。もう彼のワガママにつきあう必要は一切ないのです。見事に“自由”を勝ち取ったローサさんは、これからひとりの女性としてさらに輝くでしょう」
新たな道を歩む彼女を応援する女性は多いはずだ。
※女性セブン2025年9月11日号