
秋を代表する食材、さつまいも。焼きいも人気の高さから、さつまいも=甘いと思っている人も多いよう。でも、毎日のご飯にも大活躍! さつまいもの新たな魅力に出合える、ご飯が進むボリュームおかずレシピを料理研究家の瀬尾幸子さんが紹介する。
「さつまいもはアクが強いので、切ったら5~10分水にさらしてから調理するのがおすすめ。味のえぐみが取れて、色もキレイに仕上がりますよ」(瀬尾さん・以下同)
さつまいもの加熱時間は目安。大きさなどによって変わるので、火の通り具合を確認、調整して調理しよう。
「さつまいもと鶏肉のだし煮」のレシピ
煮汁が染みたさつまいもがご飯に合う!
《作り方》(2〜3人分)
【1】さつまいも250gは、太さに応じて3cm厚さの半月切り、またはいちょう切りにし、水に10分さらして水気を切る。鶏もも肉1/2枚は5cm角に切る。しめじ1/2パックは石づきを切ってほぐす。しいたけ2枚は石づきを除き食べやすい大きさに切る。
【2】鍋に【1】、だし汁3カップ、塩小さじ1/2、しょうゆ小さじ2を入れて強火で煮立てる。アクを除いたら落としぶたをして、コトコト煮立つくらいの火加減で10分煮る。
【3】片栗粉小さじ1と1/2を水大さじ1で溶き、【2】に加えてとろみをつける。
「さつまいものトマト煮」のレシピ
鶏ひき肉とトマトの相乗効果でシンプルな調味料でも旨みたっぷりの仕上がりに。

《作り方》(2〜3人分)
【1】さつまいも250gとピーマン1個は3cm角に、玉ねぎ1/2個は1cm角に切る。にんにく1片は半分に切る。さつまいもは、水に10分さらして水気を切る。
【2】鍋にオリーブオイル大さじ2を入れて熱し、【1】を中火で焦がさないように5分炒める。
【3】トマト水煮(カット)・水各1カップ、固形スープの素1/2個を加え煮立ったら、鶏ももひき肉80gをひと口大にちぎって加え、コトコト煮立つくらいの火加減で10分煮る。塩・こしょう各少量で味を調える。
「さつまいもと鶏胸肉のサラダ」のレシピ
玉ねぎとマヨネーズを先に混ぜておくと辛みがマイルドに。

《作り方》(2〜3人分)
【1】さつまいも250gは1.5cm角に切り、水に10分さらして水気を切る。
【2】小鍋に鶏胸肉1/2枚と水1/2カップを入れ、ふたをして弱火で10分蒸し煮する。粗熱がとれたら1cm角に切る。
【3】玉ねぎのみじん切り大さじ3とマヨネーズ大さじ2を混ぜておく。
【4】耐熱容器に【1】と水をひたひたに入れ、ラップをふんわりかけて電子レンジ(600W)で8分30秒加熱し、水気を切る。
【5】【2】、【3】、【4】を混ぜ、塩・こしょう各少量で味を調える。器に盛り、小口切りにした小ねぎ1本分をのせる。
「さつまいものグラタン」のレシピ
牛乳を煮詰めて作るミルキーなホワイトソースで秋らしい一品に。

《作り方》(2〜3人分)
【1】さつまいも200gは1cm厚さの半月切りにし、水に10分さらして水気を切る。玉ねぎ1/2個は薄切りにする。しめじ1パックは石づきを切ってほぐす。ベーコン2枚は1.5cm幅の短冊切りにする。
【2】フライパンを熱してバター大さじ2を溶かし、玉ねぎを少し黄色っぽくなるまで焦がさないように炒める。しめじ、ベーコンを加え、しんなりするまで炒める。
【3】薄力粉大さじ2と1/2を振り入れ、粉っぽさがなくなるまで炒めたら、冷たい牛乳2と1/2カップを加えて混ぜる。固形スープの素1個、さつまいもを加えて、コトコト煮立つくらいの火加減で12分煮る。牛乳が煮詰まり、程よいとろみがついたら、塩・こしょう各少量で味を調える。
【4】耐熱皿に【3】を入れ、シュレッドチーズ50gをかけ、200℃のトースターで焼き目がつくまで焼く。
「さつまいもと春菊のチヂミ」のレシピ
さつまいもを先にレンチンして火を通りやすくするのがポイント。

《作り方》(2〜3人分)
【1】さつまいも100gは1cm角に切り、水に10分さらして水気を切る。春菊1/3束は根元を切り落とし、1.5cm長さのざく切りにする。
【2】耐熱容器にさつまいもと水をひたひたに入れ、ラップをふんわりかけて電子レンジ(600W)で4分50秒加熱し、水気を切る。
【3】ボウルに【2】、春菊、乾燥桜えび10g、卵1個、薄力粉40g、水1/4カップを入れて混ぜる。
【4】フライパンにごま油大さじ2を中火で熱し、【3】を入れて広げる。焼き色がついたら裏返して焼く。中まで火が通ったら、取り出して食べやすく切る。器に盛り、好みでコチュジャン・酢じょうゆ各適量をつけて食べる。
「さつまいもと豚肉のかき揚げ」のレシピ
じっくり揚げることでほくっとやさしい甘さに。

《作り方》(2〜3人分)
【1】さつまいも100gは7mm角に切り、水に10分さらして水気を切る。豚肩ロース肉(焼き肉用)70gは1cm角に切る。
【2】ボウルに【1】を入れ、薄力粉50g、塩少量を混ぜ、炭酸水1/3カップを注いで混ぜる。
【3】揚げ油適量を160℃に熱し、【2】をスプーンで直径6cmくらいにまとめて落とし入れる。さつまいもに串を刺したらスッと通るくらいまでじっくり揚げる。器に盛り、好みで塩・しょうゆ各適量をつけて食べる。


料理に使うなら品種はこだわらなくてOK
シルクスイートは上品な甘さ、紅はるかはねっとり食感など、品種によって甘みや食感に違いがあると言われるさつまいも。
「石焼きいものように高温でじっくり加熱すると食感や甘みが際立ちますが、家庭の一般的な調理では、大きな違いは感じられないはず。品種は気にせず、スーパーで手に入るものを使ってください」
◆教えてくれたのは:料理研究家・瀬尾幸子さん

身近な食材を使い、簡単で飽きずに食べられるレシピが人気。『おにぎりは味方です』(Gakken)など著書多数。
撮影/豊田朋子 取材・文/青山貴子
※女性セブン2025年10月30日号