
思いがけない病気やけがで、日々の生活は一変する。先が見えない闘病生活の中、一度絶望を味わった人たちはなぜ立ち直ることができたのか、その強さはどこにあるのか。壮絶なリハビリを経て、社会に復帰したリアルストーリーを聞いた。
「入院中は朝5時起床で7時から自主トレ。日中もリハビリと自主トレを繰り返し、病室にいるのは食事のときくらいでした」
そう語るのはお笑いタレントの森脇健児さん(59才)。
中学1年生から陸上競技を続け、還暦間際でも月間250kmも走っていた森脇さんが自慢の足に異変を感じたのは2024年秋。恒例の『オールスター感謝祭』(TBS系)でミニマラソンを走った後から、右ひざが痛くて伸びなくなった。
鍼やマッサージでも治らず大病院を受診すると、「軟骨がなくなって骨と骨がぶつかっています。まだ走りたければ手術すべき」と医師に告げられた。
「5週間入院が必要と言われて落ち込みましたが、ぼくは還暦になってもまだまだ陸上競技をしたい。森脇健児というタレントから走ることを取るのは羽を奪うようなもんやから、すぐに手術の日を決めました」(森脇さん・以下同)
大腿骨内顆(だいたいこつないか)軟骨と内側半月板の損傷のため2025年4月に手術し、翌日からリハビリが始まった。理学療法士によるリハビリは午前1時間、午後1時間だったが、それでは満足できず「自主トレ」を始めた。
「動けるなら動いていいと理学療法士さんが言うから、手術3日後くらいから自主トレを始めました。右ひざは固定されているから、それ以外の筋肉を腹筋や腕立て伏せで鍛えました」
入院中は朝5時に起きて朝刊を読み、7時から自主トレ、電気療法、朝食を挟んで9時からリハビリ、自主トレ。昼食後にリハビリ、自主トレ、面会、夕食、最後にまた自主トレで夜9時消灯という病人らしからぬスケジュールをこなした。

「入院時より体重や体脂肪が減って、筋肉量が増えて退院する人が患者の1割いると聞き、その中に入ろうとがんばりました。
結果的にその1割に入って“ヤッター”とガッツポーズしました」
そんなストイックな生活を支えたのが病院で出会った「入院仲間」だった。
「整形外科の患者は基本みんな元気だから、“一緒に自主トレしましょう”とスカウトして回り、サッカーのガンバ大阪の選手や大学生、12才の女の子などが加わって一緒にワイワイと自主トレしました。
みんなぼくより先に退院するから寂しかったけど(笑い)。ぼくは人を笑わせる商売だから、夜は面会に来てくれた芸人仲間を交えて、入院仲間と楽しく異業種交流会をしました」
2025年5月末に退院してからは週に1度リハビリで通院し、自宅で毎日朝と夕方にリハビリを続ける。
「病院で理学療法士さんに指導してもらう際、次週までの宿題が出るので家ではそれをこなします。自宅リハビリはひとりで寂しくなりがちですが、入院仲間とLINEで励ましあいました。みんな同じ時期に手術したから、術後の経過が似通っているんです」
今年、完全復活をめざす森脇さんは、「手術をする勇気」と「リハビリを続ける根気」が大切だと語る。
「特に中高年は手術する勇気が必要です。ただし手術とリハビリはセットで、自分に厳しくリハビリしないと手術の意味がなくなります。大切なのは、理学療法士さんを信頼してリハビリに励むこと。ぼくも4月4日放送の『オールスター感謝祭』で最後にぶっ倒れるまで走れるようリハビリをがんばります」
※女性セブン2026年3月26日・4月2日号