健康・医療

《腸内環境》「やせ菌」を増やすための食生活 菌類や食物繊維は効果的、悪玉菌による炎症を抑える「さば」「いわし」も重要 高脂肪のものや加工食品は注意、サプリは非効率

やせ菌を増やすための食生活とは(写真/PIXTA)
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 人間の腸には約1000種類、100兆個以上の腸内細菌が棲んでいる。その腸内環境こそが、健康と密接に関係している。そして、腸内には「やせ菌」と「デブ菌」が存在し、そのバランスが悪くなり、太りやすい体になっている可能性があるという。「やせ菌」と「デブ菌」について細かく解説した前編記事に続いて、後編記事では肥満を避けてるべく、「やせ菌」を増やすための食事や生活習慣について紹介する。【前後編の後編】

水溶性食物繊維の中でも「イヌリン」に注目

 やせ菌を増やすための最優先事項は、腸と直接的にかかわる日々の食生活の改善だ。まず摂りたいのは腸内で直接作用してくれる菌類。やせ菌を増やし、作用しやすい腸内にするため、イシハラクリニック副院長の石原新菜さんは発酵食品を推す。

「生きたまま腸に届きやすい納豆菌やぬか漬けなどの酪酸菌は積極的に摂ってほしい。ほかにもビフィズス菌や乳酸菌など腸を支えてくれる菌を摂りましょう。仮に腸に届くまでに死んでしまったとしても善玉菌のエサになってくれます」

やせ菌を増やす食材
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 それらの菌が腸内で増えるためには「食物繊維が重要です」と話すのは、犀星の杜クリニック六本木院長の川本徹さんが解説する。

「やせ菌は食物繊維を食べ、それを分解して短鎖脂肪酸を作っています。特に、“水溶性食物繊維”がいいですね。糖質の吸収をゆるやかにして腸内環境を整えてくれる食物繊維で“ネバネバ食材”に多く含まれています。オクラや山いも、わかめなど、それからごぼうなどの根菜類。

 もちろん不溶性食物繊維も必要で、腸内で水分を吸収して便のかさを増してくれます。じゃがいもやさつまいもなどのいも類を摂るといいでしょう。食事では水溶性と不溶性を1:2の割合で摂るのが理想的。食物繊維は1日20g以上摂ることを目標に。特に水溶性食物繊維は不足しがちなので意識して摂りましょう」(川本さん)

 管理栄養士で医学博士の岩崎真宏さんは、水溶性食物繊維の中でも「イヌリン」に注目する。

「玉ねぎやにんにくに豊富に含まれるイヌリンは消化されにくい特性があり、分解されずに大腸まで届きます。発酵食品、食物繊維と一緒にフラクトオリゴ糖を摂るのもおすすめです。こちらも分解されにくい性質があり、ビフィズス菌などのエサとなります。ビフィズス菌を増やす目的では1日3g程度から効果が確認されています」(岩崎さん・以下同)

デブ菌が活性化する食生活

 ダイエットで糖質制限を行い炭水化物を抜くことは、やせ菌の減少につながる。

「炭水化物やいも類に含まれるでんぷんは、やせ菌を増やすために有効です。特に難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)は酪酸菌のエサになり、これは冷める過程で増える栄養素です。冷やご飯やポテトサラダ(冷えたいも)はおすすめです。豆類を食事に取り入れるのもいいですね」

 悪玉菌が作る毒素で腸は炎症を起こすため、それを抑える食材を摂ることも重要だ。石原さんが言う。

「さばやいわし、さんまに含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は腸内の炎症を抑えて、腸内フローラのバランスを良好に保つ手助けをしてくれます」

 一方で、脂ののった肉、焼き肉やステーキ、とんカツなどを食べる回数が多いと、デブ菌はどんどん増え、活発に働いてしまう。

「デブ菌は脂肪や油をエサにしていて、高脂肪のものを多く食べると働きが活発になり、脂肪や炭水化物を分解して糖や中性脂肪にしていきます。こうした食生活を続けているとデブ菌が活性化し、さらに増えるという悪循環に陥ってしまうのです」(川本さん)

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