
すべて想像の逆を行く男、高須克弥の破天荒な人生を描く連載『YES!逆張り人生~高須克弥物語~』! 読めば悩みが全て吹き飛ぶ、そんなパワフルすぎる人生を、どうぞご堪能あれ。
第19話:“下(シモ)”からの完全脱却の話【前編】
処女膜再生から始まり、包茎で大ブレイクしたあと、体の脂肪吸引で“下(シモ)”からの脱却を成し遂げた克弥だったが、本来やりたかった顔の美容に辿り着く前にクリニックは連日予約でパンパンとなり、既に天下を獲ってしまった感があった。
当時の美容外科界には2つの学会があり、お互いを誹謗中傷しあっていた。1つは形成外科出身で大学病院を経て美容に流れてきた派閥で、「メスを使うのが本当の美容外科医だ」と主張していた。もう一方は非外科系で、主に直美(チョクビ※)で美容外科になった医者たちである。注射がメインだったり、糸をピュッと縫い合わせるという、メスを使わない派閥だった。
「訳のわからんものを注射しやがって!」
「そっちだって必要もないのにメスで切りやがって、手術がしたいだけだろ!」

克弥は整形外科出身であり、メスを使うのが得意だったが、処女膜再生術などでメスを使わない治療もしていたので、どちらの学会にも属していた。そんな克弥にある時、手術派の重鎮である、昭和医大の恩師が迫ってきた。
「高須、お前は手術ができないインチキ医者たちの仲間らしいな。評判悪いぞ。どっちを取るかはっきりせえ」
当時は「手術をする医者は優秀な医者で、しないのは腕が悪い医者だ」という風潮があり、旗色が悪かった非手術派は、ネームバリューのある克弥を学会のナンバー2として迎え入れていた。旗色が悪い方にベットしてしまうのが、逆張り男、高須克弥であることは言うまでもない。
「手術派は教授のような、僕よりも上の先輩がいっぱいいますよね?」
「まあ、いるな。高須もそういう先輩たちと仲良くしておく方が得だぞ」
「僕は非手術派のナンバー2で、もうすぐナンバー1になります。手術派で1番になるのは時間がかかりそうなので、辞めます」
「え? 辞める? もう少し、考えてから……」
「今辞めます」
非手術派の学会1本に絞った克弥は、敵をギャフンと言わせたい。言わせる必要はないのだが、元いじめられっ子の克弥は徹底的に仕返しをする性根ができ上がってしまっていた。(中編につづく)
※直美:医学部を卒業後、大学病院などでの研修をせずに直接、美容医療分野に進むこと。
最新話は発売中の女性セブン本誌に掲載!
バックナンバーはWEBにて更新中!!
<<エピソード一覧はこちら>>
【プロフィール】
家守鷹主(いえす・たかす)/テレビ局プロデューサーとして高須克弥氏と出会い、十数年来の友人。今回、その人生を小説として描きたいと依頼したところ、高須氏は一言“YES”と快諾し、ペンネームも命名。かくして、希代の人生物語が幕を開けた。
高須克弥(たかす・かつや)/1945年、愛知県生まれ。医師(美容外科、整形外科、形成外科。学位は医学博士)。2018年に自身の全身がんを公表(発病は2014年)。
※女性セブン2026年11月12日・19日合併号