
「若いときは何もかも無限に存在すると思っていたけど、年齢を重ねると“この人に会えるのはあと何回だろうか……”と考えるようになりました。争ってばかりのご夫婦でも“あと何回この人とけんかできるんだろう”と考えたら、けんかすら愛おしくなるんです」
そう語るのは俳優の羽田美智子さん(58才)。還暦を控えた彼女は、人生が有限であり、だからこそ「いま」に向き合うことが大切だと語る。
「東日本大震災や今年の熊本地震、千葉豪雨などでは、朝“行ってきます”と出かけた人が戻らぬ人になりました。人生は有限で、今日会えるのは奇跡のようなもの。だから不平不満など言っている時間はなく、目の前のすべてに感謝することが大事です。
そのことに気づけたらいろいろなことを前向きに受け止められるようになり、追い風が吹いてきて幸せに生きることができます」(羽田さん・以下同)
老いも前向きに受け止めたい。昨日までなかったしわが増えたり目がかすんだりすると年を取ったと落胆するが、そうした変化を受け入れることが肝要だ。

「年齢を重ねると失うものは多いけど、絶望したりあきらめたりするのではなく、変化を愛おしむ姿勢が大事です。
もちろん若いときほど美しいものもあるけれど、熟年の人にしか出せない年輪や味わい深さがあります。世のおばさんやおじさんは経験豊富で生きる知恵を持ち、優しさや包容力、決断力や行動力もある。内面に武器をいっぱい持つ“すてきなおばさん”を私はリスペクトします。経験を人生の糧にできることがおばさんの強みです」
いくつになってもいまを楽しく生きるために羽田さんは「感動」を重視する。
「目の前の一つひとつのことに心を置いていくと、日常には感動があふれていることがわかります。そして私自身、朝起きてからすべての瞬間をすてきだなと思って生きています。朝起きて冷たい風を全身に感じ、ラジオ体操をして、お弁当を作って“行ってきます”と言って出かける。どの瞬間にも幸せを感じることができれば、常にご機嫌で毎日を過ごせるはずです」

【プロフィール】羽田美智子/1988年のデビュー以降、映画やドラマ、舞台などで活躍。10月2日、自身の経験を綴ったエッセイ『羽田美智子、素敵なおばさんやってます』(KADOKAWA)を上梓。更年期について語るYouTube番組『羽田美智子のChange of Life』が毎週水曜日19時更新。
※女性セブン2026年11月12・19日号