幼少時代から太っており、40年近く体形の悩みと闘ってきたという医師の日比野佐和子さん。中学3年生の時からダイエットとリバウンドを繰り返し、42才で出合ったのが「1日5食ダイエット」。通常の3食に加え、ナッツ、玄米グラノーラなどの間食を入れ、食事間隔を約3時間にすることで、血糖値を上昇させない方法だ。K-POPアイドルのダンスをしながら1年で15kgやせた。48才の現在は、体重52kgをキープしている。
リバウンドしないコツは、無理しないことだという日比野さんはどのような”1日5食生活”を送っているのか。
朝食:玄米グラノーラ
太っていた頃は朝食を食べていなかったという日比野さんだが、現在は食物繊維が多くて、血糖値を緩やかに上げる低GI食品を主食にして食べている。
「朝食は1日のエネルギー源なので、きちんと食べます。玄米か全粒粉のパン、玄米グラノーラのいずれかを主食にして、野菜サラダと卵料理をプラス。卵は完全栄養食の1つでたんぱく質も豊富なので、毎朝2個が基本ですね。足りないビタミンCと食物繊維はサラダで補完すれば、バランスは◎」(日比野さん・以下同)
グラノーラは、朝食と昼食の間、昼食と夕食の間の間食にも重宝。間食をとることで、血糖値が上がりにくくなるのだ。
「グラノーラは食物繊維が豊富で、噛み応えがあり、ダイエット向きの食材。ドライフルーツやナッツ、雑穀なども入っているので、ビタミンやミネラルなどの栄養素もたっぷり。整腸作用があり、美肌効果も期待できます」
ただし、砂糖不使用のものを選ばないと、逆に太る原因になる。
間食:あたりめ
日比野さんが実践し、すすめる「1日5食ダイエット」の基本スケジュールは、7時朝食、10時間食、13時昼食、16時間食、19時夕食だ。
2度の間食には、ナッツや玄米グラノーラ、腸内環境を整えるヨーグルトドリンクに加え、あたりめ(するめ)がおすすめだという。
「たんぱく質が多く、低カロリーのいかは、ダイエットにピッタリ。肝機能が高まるタウリンが含まれており、これがコレステロール値を低下させる作用があります」
あたりめは乾燥しているため、噛み応えがあり、あごの運動にもなって、小顔効果も期待できるという。
「さらに、噛むことで唾液中にパロチンという若返りホルモンが分泌されるので、アンチエイジング効果もあります」
ただし、味付きは塩分が高いため、むくみの原因になる。また、添加物も代謝を下げるので、なるべくシンプルな素干しを選ぶとよい。
飲み物:ルイボスティー
ダイエット中は飲み物にも気を配りたい。日比野さんはルイボスティーを毎日作って冷蔵庫に常備。携帯ポットには温かいものを入れ、いつも持ち歩いている。
「ルイボスティーには、ポリフェノールの一種のフラボノイド、ルテオリン、ケルセチンが含まれています。いずれも、活性酸素を除去して老化を防止する作用があるので、美容ドリンクとして最適です」
緑茶や紅茶、コーヒーも、脂肪燃焼効果があるカフェインを含むため、ダイエットの助けになる。ただ、眠れなくなるのが心配な場合は、17時以降はルイボスティーを飲むのがおすすめだという。
「ルイボスティーはノンカフェインなので、何時でも気にすることなく、安心して飲めますよ」
良質な睡眠は疲れを取るだけでなく、食欲抑制効果のあるホルモン・レプチンの分泌を促す。つまり、バランスよく食べて、しっかり寝ることがダイエットには大切なのだ。
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今年は「ミートファースト」が流行に
日比野さんには2019年、流行りそうなダイエットについても教えてもらった。
数年前から、食事の最初に野菜を食べ、たんぱく質や炭水化物はその後で食べる食事法「ベジファースト」が取り上げられてきた。
「野菜に含まれる食物繊維をご飯などの炭水化物より先に摂ると、糖質の吸収を穏やかにして血糖値の上昇が抑えられます。腸管からの脂質吸収を防ぐ効果も期待できるので、肥満対策には有効です。しかし、糖質だけでなく、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養の吸収も抑制してしまうのです。
年を取るにつれ、たんぱく質の吸収に時間がかかるようになります。そのため、肉より先に野菜を食べると、アミノ酸などの栄養素が充分に吸収できない可能性があるのです」
だからこそ、50才以上の人は野菜ではなく、肉や魚など、たんぱく質が豊富な食材から先に食べる、“ミートファースト”がおすすめだという。
教えてくれたのは:医師・日比野佐和子さん
ひびの・さわこ。医療法人康梓会ワイズサイエンスクリニック広尾統括院長、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学 特任准教授。(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長。内科医、皮膚科医、眼科医、日本抗加齢医学会専門医。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授などを歴任。現在はアンチエイジング医療における第一人者的な立場として、基礎研究から最新の再生医療の臨床に至るまで幅広く国際的に活躍するとともに、テレビや雑誌等メディアでも注目を集める。医学博士、日本内科学会・日本皮膚科学会・日本眼科学会会員ほか。著書多数。
※女性セブン2019年1月17・24日号