ダイエットに重要なのは、脂肪を燃やすための代謝アップ。そこで、手軽に代謝アップできる方法として飲み物に注目!
代謝アップ効果のある飲み物やレシピはもちろん、取り入れ方次第で代謝アップ効果が期待できる飲み物についても紹介。飲み物なら、食事ほどの手間をかけずに代謝アップ習慣を身につけることができるはず。まずは気になったものを生活に取り入れてみて。
コーヒーは運動前が代謝アップにオススメ
運動前のコーヒーがダイエットに効果的だと、医学博士の栗原久さんが教えてくれた。栗原さんによると、コーヒーに多く含まれるカフェインには、血管を広げる効果もあるという。
「カフェインは、摂取してから血流にのって、全身を巡り、30分前後で血中濃度がピークに達します。また、カフェインには心臓を刺激する作用もあり、末梢の血管まで広げるので、血行がよくなります。すると、肝臓や腎臓への血流も増え、基礎代謝も上がります」(栗原さん)
より効果的に基礎代謝を上げるには、運動をする30分~1時間前にコーヒーを飲むのがおすすめだ。
せっかくコーヒーを飲んで代謝を上げようと思っても、体を冷やしてしまっては意味がない。夏でもアイスではなく、ホットで飲むのが◎。さらに、ダイエット効果を期待するなら、カロリーがより低い“ブラック”を飲んで。
朝の甘酒が全身を活性化し代謝アップ
疲れた体を回復する“飲む点滴”として、近年注目されている甘酒。実は、美肌や健康にとっても優れた飲み物だ、と太鼓判を押すのはダイエット外来医師の工藤孝文さん。
「美肌効果を期待するならいつ飲んでも構いませんが、タイミングを重視すればさらなる効果も得られます。脳を目覚めさせるなら朝。甘酒のブドウ糖で脳が活発に動き始めます。さらに、脳が働けば全身の機能が活性化され代謝も上がる。ダイエット効果も期待できます。
また、午前中に疲れた脳を回復させて集中力を上げるなら昼。甘酒には糖の代謝を向上させるビタミンB1も含まれているので、午後の仕事や勉強の前に飲むのがおすすめです。そして、夜飲めば1日の疲れが取れます。ストレスを緩和する働きを持つGABAと、リラックスへ促す優しい甘みが安眠へと導いてくれます」(工藤さん)
しかし、糖分が高い甘酒をダイエット中に飲むなら、気をつけたいポイントも。
「1回あたり50~120ml(おちょこ、コップ各1杯程度)が適量です。エナジードリンクと言われるだけあって糖分が多く含まれているので、糖分の摂りすぎを防ぐためにも1日に飲む量は200mlまでに抑えましょう」(工藤さん)
また、血糖値が急上昇してしまうため、空きっ腹に飲むのはNGとのこと。
朝の豆乳は代謝アップ効果も期待
入手しやすく、リーズナブルな健康食品・豆乳。2018年には第3次ブームを迎え、ソイラテやアレンジレシピなど、今や一般的に定着した飲み物とも言える。
跡見学園女子大学マネジメント学部の石渡尚子教授(食生活学)によると、豆乳に含まれる栄養素で美容効果が期待できるイソフラボンに加え、大豆たんぱく質にもうれしい効果がある。
「たんぱく質は体内で燃焼したとき熱になりやすいため体温を上げ、血流をよくすることで代謝も上がります。また筋肉の疲労回復や脳をリラックスさせる効果も期待できます」(石渡教授)
また、豆乳を飲む時間帯は「朝と夜」がベストなのだそう。
「朝寝起きにたんぱく質を摂ると体温が上がり、シャキッとして仕事や家事の効率が上がります。夜に摂取すると疲労回復効果でリラックスできます」(石渡教授)
豆乳を飲むときの注意点については、「豆乳は意外と高カロリーで1本100キロカロリー前後あります。お茶碗半分のご飯くらいのカロリーなので、健康にいいからと飲みすぎると気づかぬうちに体重が増えています。一度に大量摂取するとアレルギーを発症する可能性もあります。大豆イソフラボンはなるべくサプリメントではなく、摂りすぎの心配がない食品から摂取してほしい」と教えてくれた。
炭酸水の血流アップ効果が新陳代謝を促進
サイダーやラムネ、お酒の割り物など幅広く炭酸水を開発・販売する「友桝飲料」は炭酸水の健康効果に注目し、生活に炭酸水を取り入れることを提案している。その中にはダイエットに関連した効果が期待できるものも。
炭酸水に含まれる炭酸ガスには血管を広げて血流をよくする効果があるため、新陳代謝が活発になり、冷え性の改善にもつながるという。
無糖の炭酸はカロリーゼロだけれど、冷えた炭酸水は食欲を増進するというから、食前に飲む場合は常温のものを選ぶこと。
起きて最初に飲む白湯で代謝アップ
「ABC HEALTH LABO(エービーシー ヘルス ラボ)」の栄養士・アヤネさんによると、白湯にも代謝アップ効果が期待できるという。
「寝ている間に実は、汗で水分が出て行ったり体温が下がっていたり。起き抜けに常温のお水を飲むと、水分を補給にも◎。胃腸の働きを活性化し、基礎代謝を上げるのにも役立つので、白湯を飲むのは”美痩せ習慣”といえますね」(アヤネさん)
ただし、不要な水分が体に溜まっていて、血液やリンパの流れが滞っている冷え性の人は水を足さない方がベターなんだそう。
朝のコーヒーが習慣という人にも、アヤネさんからアドバイス。
「体温と代謝を上げるという意味では、むしろ温かいスープやお味噌汁の方がオススメ。発酵食品の味噌はアミノ酸やビタミン類を含むため、代謝アップや美肌の効果も期待できます。朝、時間がないけれど、ダイエット効果を得たい!というのなら、それこそ白湯を飲んでからお味噌汁、の組み合わせが最適かと思います」(アヤネさん)
代謝アップのためにホットミルクで熟睡
管理栄養士の菊池真由子さんによると、代謝アップのカギは熟睡することなのだとか。そこで一役買ってくれるのが、ホットミルクなのだそう。
「牛乳に含まれるトリプトファンは安眠を促すメラトニンの材料になる成分です。しかも、突出して牛乳に多い成分なので、寝る前に飲めば深い眠りを得やすい。また、熟睡で痩せるのは、眠っている間に脂肪を分解する成長ホルモンが分泌されるため。成長ホルモンは代謝をよくし、脂肪燃焼を促す働きを持つ。成長ホルモンは成長期にしか分泌されないと思っている人も多いのですが、成長期をすぎても分泌されます」
成長ホルモンは成長期をすぎれば分泌量は減るが、いくつになっても分泌される。しかも、熟睡するほど分泌量は多くなるという。
選び方としては、「低脂肪牛乳」のように加工が施されたものよりも、一般的な牛乳の方がトリプトファンは豊富。また、豆乳はトリプトファンの量が少ないので、熟睡して代謝アップを目指すなら牛乳を選んで。
新陳代謝を高める手作り「こうじ水」
『コップ1杯で人生が変わる!こうじ水で体すっきり!ずっと健康!』(宝島社)の監修を務めた星子クリニック院長・星子尚美先生は、代謝アップも期待できるこうじ水の魅力についてこう語る。
「こうじには、体の代謝に必要な栄養素であるビタミンB群と必須アミノ酸がたくさん含まれています。これらは脂肪の原因となる脂質や糖質の分解を促進するので、新陳代謝を高めて、脂肪の燃焼をサポート。脂肪がつきやすい人は、ビタミンB1、B6、B12などのB群が不足している可能性もあります。
さらに、こうじに含まれる食物繊維や酵素が生み出すオリゴ糖は腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える効果も。腸内環境が整っていると、消化、吸収、排泄がスムーズに促されるので、栄養素が必要な場所に届き、エネルギー代謝を高めてくれます」(星子さん)
空腹のときに飲めば、腸にすばやくこうじ水の効果が行き渡り、特に代謝アップが狙えるという。1日に飲む目安は500ml以上。一度に大量に飲むより、こまめに飲むのがおすすめだという。
「こうじ水」のレシピ
《材料》
乾燥米こうじ(粒状または板状)…50g~70g ミネラルウオーター…500ml
※米こうじを入れるお茶パック、ふた付きポットを用意
《作り方》
【1】米こうじをお茶パックに入れる。(板状の場合はほぐしてからパックに入れる)
【2】米こうじをふた付きの容器に入れ、50~60度ほどに温めたミネラルウオーターを注ぐ。温度が70度を越えると、酵素が失活するので気をつけること。
【3】発酵によりガスが発生する場合があるため、ふたを密閉せず1時間(冬場は3時間)ほど冷まし、冷蔵庫で7時間以上寝かせる。
【4】容器から米こうじを取り出すか、こうじ水を保存容器に移し、できるだけその日のうちに飲みきる。
《Point》
米こうじは2回使うことができるので、水分を固くしぼって冷蔵庫で寝かせておく。このとき、雑菌などがつかないようにラップや茶こしを使ってしぼり、素手では触らない。
クエン酸とビタミン類で代謝アップ!「バナナ酢」レシピ
バナナを漬けた酢を、朝・昼・晩、食前に飲むだけ。おいしくて飲みやすくて、体重は楽々3kg減に。血流を促す作用のあるお酢と、新陳代謝を促すビタミンB群を多く含むバナナを組み合わせたバナナ酢には、代謝アップ効果も期待できる。
「酢に含まれる酢酸は、脂肪や糖をエネルギーに変える仕組み『クエン酸回路』を活発化します。この回路が活発になることで、筋肉中に溜まった乳酸が分解され、疲労を取り除いてくれるのです。乳酸だけでなく、体脂肪の分解も促すため、ダイエットにとても効果的なのです。また、酢には糖の吸収を抑える働きもあり、食前にバナナ酢を大さじ一杯飲んでおけば、食べすぎを防ぎながら、食後の血糖値の上昇も抑えられます」と料理研究家で、管理栄養士の村上祥子さん。
《材料・用意するもの》
バナナ…100g(中サイズ1本分) 粉黒糖(もしくは氷砂糖)…100g 黒酢(リンゴ酢や米酢でも可)…200ml 広口瓶…1本(450ml)
《作り方》
【1】広口瓶に黒糖、黒酢を注ぎ、箸で混ぜて黒糖を溶かす。
【2】バナナの皮をむき、幅2cmの輪切りにする。
【3】【1】に【2】を加え、ふたをせず電子レンジ600Wで30秒加熱。
【4】3を電子レンジから取り出し、すぐにふたをして常温で12時間おいたら出来上がり。
※バナナは1週間で取り出す。取り出したバナナは食べてもよい。 ※電子レンジを使わない場合は常温で2週間おくだけ。
1日あたりバナナ酢大さじ2~3杯を目安に、そのまま飲んでもよいし、水やお湯、豆乳などで薄めて飲んでもよい。朝・昼・晩の食事の前に飲むとより効果的。(常温で1年間保存可能。室温が30℃を超える場合は冷蔵庫で保存を)
レモンの代謝アップ効果を手軽に「薬膳レモン白湯」レシピ
レモンにはコレステロール値や中性脂肪を低下させ、脂肪の代謝を促進する効果があるという。レモンに詳しい管理栄養士の柴田真希さんが教えてくれた「薬膳レモン白湯」は、薬膳をプラスしていることがポイント。
「冷えやむくみなどの対策に、白湯を飲む方も多いと思います。温かいドリンクは血の巡りをよくしますが、なつめや松の実などの薬膳食材を加えると、さらにその効果がアップしますよ」(柴田さん)
《材料》(2人分)
レモン…1/2個(約50g) クコの実…大さじ1(約10g) 松の実…大さじ1(約8g) なつめ…2個 お湯…500cc
《作り方》
【1】レモンを輪切りにする。
【2】レモン、クコの実、松の実、なつめを容器に入れて、お湯を注ぐ。
きな粉に代謝アップ効果!「ミスカル風ドリンク」レシピ
著書に『作りおきでやせべんとう』(学研プラス)などがあり、ダイエット料理レシピも多く手掛ける料理家、管理栄養士の金丸絵里加さんに、代謝アップやデトックスなどの健康効果が期待できるスパイスを使ったドリンクを教えてもらった。
代謝アップにおすすめなのは、穀物を使って作る韓国の伝統的な飲み物をイメージした、ミスカル風ドリンク。材料のきな粉に含まれるイソフラボンやサポニンは、基礎代謝を上げて脂肪を分解しやすくし、過食防止効果も。
《材料》(1人分)
きな粉・すり白ごま…各大さじ1 黒砂糖(粉末)…小さじ2~3 牛乳…1カップ ナツメグ…1~2振り
《作り方》
【1】小鍋にナツメグ以外の材料を入れて、かき混ぜながら温める。
【2】カップに注ぎ、ナツメグを振り混ぜる。
※ナツメグは入れすぎると香りがきつくなるので注意。
→ダイエット効果のあるスパイスを使ったドリンクレシピをもっと見る
代謝アップに◎「アスパラとりんごのスムージー」レシピ
「ABC HEALTH LABO(エービーシー ヘルス ラボ)」に教えてもらった「アスパラとりんごのスムージー」は、まさにダイエット中にぴったりの組み合わせ!
アスパラガスは新陳代謝を活発にする効果がある「アスパラギン酸」が、りんごには整腸作用やデトックス効果があり、代謝アップも期待できる「ペクチン」を含んでいる。
《材料》(2人分/1人分あたり154kcal)
グリーンアスパラガス…4本 りんご…1個 塩(こすり洗い用)…少々
【A】レモンのしぼり汁…小さじ1/2 牛乳…大さじ2 プレーンヨーグルト…150g はちみつ…大さじ1
《下準備》
・グリーンアスパラガスは根元を1cm位切り、硬い部分をピーラーでむき、斜め薄切りにする。塩を加えた熱湯でさっと茹でておく。
・りんごは塩でこすり洗いし、ヘタと芯を除く。皮つきのまま幅5mmのいちょう切りにする。
《作り方》
【1】ミキサーにアスパラガス、りんご、【A】を入れて、なめらかになるまで撹拌する。
【2】グラスに分け入れる。
脂肪の代謝やデトックスにも役立つ酵素ドリンク
新鮮な野菜や果物、発酵食品などに含まれる酵素は、食べものの消化や脂肪の代謝、老廃物の排出などをサポートしてくれるもの。エネルギーの消費量が上がるので、基礎代謝アップにもつながるという。
英国生まれのヘルス&ビューティーブランド「ニールズヤード レメディーズ」の「ブラウンライス 酵素アクティブプラス」(300ml 5200円 税別)は、野菜と果物を中心に70種類以上の原材料を3年半以上、熟成発酵させた植物性発酵エキス含有飲料。ビタミンやミネラル、ファイトケミカルが豊富に含まれているので、アンチエイジングや免疫力アップにも役立つとか。