「頭痛持ち」という言葉があるように、繰り返し起こる頭痛に悩んでいる人もいるのではないでしょうか?
頭痛は原因や症状もさまざまですが、タイプに応じた漢方薬を用いることで、頭痛の予防や緩和に役立つ可能性があります。
薬剤師の道川佳苗さんによると、頭痛に効果のある漢方薬はいくつかあるそうです。そこで、自分に合う漢方薬を知るため、頭痛タイプのセルフチェック方法を道川さんに教えてもらいました。
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なかなか治らない「頭痛」の症状と原因
慢性的に続く頭痛には、大きく分けて「片頭痛」「緊張性頭痛」「心因性頭痛」があります。
「片頭痛」は、発作的に起こるズキズキと脈打つような痛みが特徴で、吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。原因は明確にはわかっていませんが、三叉神経の炎症が関わっている説があります。
「緊張型頭痛」の特徴は頭全体が締め付けられるような痛みで、肩こりを伴うことが多いです。原因としては、長時間同じ姿勢でいることなどによる、首や肩の筋肉の緊張が考えられます。筋肉が緊張すると血流が悪くなり、筋肉が疲労し神経が圧迫されることで痛みが生じます。
「心因性頭痛」は、心理的な原因の関わりが大きく、ストレスや気分の落ち込みを感じることが多い人に起こりやすい頭痛です。めまいを伴うこともあります。
あなたの頭痛はどれ?タイプ診断
これから紹介するチェックリストで、あなたの頭痛タイプを診断してみましょう。
片頭痛タイプ
以下のチェック項目に多く当てはまる人は、「片頭痛タイプ」の可能性があります。
・脈打つような拍動性の頭痛がする
・吐き気や嘔吐を伴うことがある
・冷え性である
・頭痛時に光や音を不快に感じる
緊張型頭痛タイプ
以下のチェック項目に多く当てはまる人は、「緊張型頭痛タイプ」の可能性があります。
・うなじや肩に、こりがある
・高血圧ぎみである
・よくストレスを感じる
・デスクワークなどで長時間同じ姿勢でいることが多い
心因性頭痛タイプ
以下のチェック項目に多く当てはまる人は、「心因性頭痛タイプ」の可能性があります。
・ストレスを感じることが多い
・落ち込みや不安感などがある
・ストレスで頭痛が悪化する
・めまいがある
自分に合った漢方薬で頭痛のお悩みを改善
日本人の多くはいわゆる頭痛持ちで、慢性頭痛に悩んでいるといわれています。そこで頭痛薬を長期間、頻回服用など乱用すると、頭痛薬の飲み過ぎが原因で慢性的に頭痛を起こす(薬物乱用頭痛)が起こることもあります。
しかし、頭痛に効果が認められている漢方薬なら、痛みを抑えるのではなく痛みの原因に働きかけるため、そういった心配もありません。
片頭痛タイプにおすすめの漢方薬「呉茱萸湯」
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)は体を温めて頭痛を治す漢方薬で、とくに冷え性がある人の片頭痛に有効です。体力が低下していて、胃腸が弱く、手足が冷えるような人に向いています。
緊張型頭痛タイプにおすすめの漢方薬「釣藤散」
釣藤散(ちょうとうさん)は高血圧の傾向があって、めまいや耳鳴り、肩こりを伴い、とくに朝方に頭痛が起こりやすい人に向いています。
心因性頭痛タイプにおすすめの漢方薬「半夏白朮天麻湯」
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)は、冷え性でめまいや頭重感がある人に向いています。ストレスが多い人の頭痛や心理的な要因大きい頭痛に、とくに適しています。
自分に合った漢方薬で頭痛を予防、緩和しよう
脳の病気が原因で起こる頭痛には、すぐに西洋医学的な治療が必要ですが、慢性的に続く頭痛に対しては漢方薬でのアプローチも可能です。
漢方薬を服用することで体質改善につながるので、頭痛発作が起きにくい体質を目指せます。また頭痛薬では胃腸に負担がかかる場合にも、漢方薬が適しているといえるでしょう。
漢方薬は自分の体質やタイプに合ったものを選ぶことにより効果が発揮されるので、まずは専門家に相談することをおすすめします。
クリニックや薬局に行くのが面倒という人には、「あんしん漢方(オンライン個別相談・AI漢方)」のような、スマホで気軽に頼めるサービスを使うのもおすすめです。
教えてくれたのは:薬剤師・道川佳苗さん
みちかわ・かなえ。漢方薬・生薬認定薬剤師。調理師。薬膳アドバイザー。大学卒業後、薬局にて従事し服薬指導をする中、病気の予防、健康維持には食育が大切であると感じ、服部栄養専門学校で調理技術、栄養学を学ぶ。現在はweb上で健康相談や薬膳や漢方に関する情報発信をしている。
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