リモートワークが増えるのに比例して、家での食事も増え、準備や洗い物に追われている人も多いのではないでしょうか。
そこで役立つのが、食器洗い乾燥機(以下、食洗器)。従来は、工事してキッチンに取り付ける“ビルトイン型”、水道工事をして設置する“据え置き型”の2択。いずれも工事が必要なため、賃貸住宅に住んでいる人には導入しづらいのがネックでした。
ところがここ数年、工事が一切不要で、買ってすぐに使える“タンク式”、それもコンパクトサイズな食洗器が続々登場。賃貸住宅に住んでいる人も、キッチンが狭い人でも気軽に購入できるようになったのです。
工事不要ですぐに使えるコンパクトタイプ
そのひとつが、シロカの『食器洗い乾燥機 UV除菌タイプ』。家電ライターの田中真紀子さんもおすすめします。
「水栓と接続しなくても、電源を入れてタンクに水を注ぐだけで使えます。排水用のバケツと電源さえあれば、水回り以外の場所でも設置できるんです」(田中さん・以下同)
一見コンパクトなスクエア型ですが、一度に洗える食器は16点(大皿、中皿、小皿、中鉢、小鉢、茶碗、コップが2点ずつ、箸やスプーン等の小物類が2人分)。洗浄コースは、「標準、念入り、おいそぎ、ソフト、高温すすぎ」の5種類があり、例えば食洗器対応でもデリケートなお皿には「ソフト」にするなど、食器やシチュエーションによって選べるのがうれしいところです。
食器洗いと乾燥だけでなくUV除菌機能も!
さらにユニークなのがUV除菌機能。洗浄後にUVライトを照射して除菌できるほか、UV除菌機能を独立して使うことができ、マスクやスマートフォン、哺乳瓶の除菌にも便利です。
「菌が気になるこのご時世、食器はシンクに溜めず、高温で洗うのがベスト。これはコンパクトなぶん、こまめに使うことに向いています。またUV除菌機能も、今の清潔さを求める時代にぴったりですね」
それでは、実際の使用感などはいかがでしょうか。5つの視点からレビューしてもらいました。
【使用感】並べ方に工夫が必要だが、汚れ落ちはビルトインタイプと遜色なし
自宅ではビルトイン型の食洗機を使っている田中さん。そこでオフィスのキッチンに、本製品を設置。使い始めるまでもハードルがなく、ラクだったと言います。
「給水は、分岐水栓を利用することもできますが、タンクに6Lの水を入れて排水場所さえ確保しておけば、どこに置いてもOK。置き場所を選ばない点、そして工事や分岐水栓の用意などを一切せず、すぐ使い始められる点が最大の魅力です。
3人用と少人数向けだけあって本体はコンパクト。狭いキッチンに置いても、圧迫感はありません。
オフィスではシンクのそばに置けたので、排水はシンクに直接流しましたが、排水場所がない場合は6Lがはいるバケツを用意しておけばOKです」
そして、いざ食器洗い。ビルトインタイプに比べて、汚れ落ちのほどは?
「トマトソースのパスタを食べたお皿やグラスなどを、予洗いせずにかごに並べてみました。自宅の食洗機に比べるとサイズが小さいため、並べ方に少し工夫が必要でしたが、3人分は収まる大きさ。上下から噴出される水流が汚れにしっかり当たるよう、配置を意識しました。
標準コースで約1時間で食器洗いの運転が終了。そこから食器を乾燥させるため、1時間の送風運転が始まります。このとき5分だけUVライトが照射。洗い終わったので食器を見てみると、食器はすっかり乾いていて、予洗いをしていないのにトマトソースのベタベタが残らず、ビルトインタイプと遜色なくきれいになりました」
【手軽さ】食卓に置いて使うことも可能
設置するまでのハードルの低さが、最大のメリット。
「タンク式に共通することですが、置き場所を選ばないのがとにかく手軽。場合によっては、食卓の近くに置いておき、食事が終わったらシンクに運ばず、キッチンペーパーで汚れをサッと拭き落としてそのまま食洗機に入れてしまうこともできます」
また、UV除菌機能を単体で使うこともできるため、帰宅後にスマートフォンなどを除菌するのにも便利です。
「例えば赤ちゃんがいるご家庭では手軽に哺乳瓶が除菌できますし、食洗器にはいりきれなかったまな板なども、洗った後にUV除菌できると安心ですよね」
【時短】排水の手間はあれど、食器洗いに比べれば問題なし
食器洗い乾燥機は、時短家事の代表選手。
「置き場所や工事がネックで手が出せなかったかたでも、これなら導入しやすいでしょう。自分ですることは、タンクに水を入れて食器をかごに並べるところまで。使い終わったら、排水を流す必要もあります。水の量が多いので大変ですが、1枚ずつ手洗いする手間に比べたら小さいものです」
これまで洗い物にかけていた時間を、家族との団らんに充てることもできます。フライパンなどの大きな調理器具は手洗いする必要がありますが、1日3度か5度の食器洗いの時間が短縮されるだけでも、1日の疲労度や充実感は大きく変わるでしょう。
【コスパ】工事費不要で導入しやすい
価格は税込で5万9800円(7月26日時点の実勢価格)。
「食洗器の多くは工事が必要で、本体のほか、工事費や分岐水栓費などが2万円前後かかるケースが少なくありません。その点、こちらは本体料金だけで済む点で、リーズナブルです。ランニングコストの水道費も、手洗いより1回あたり約29L節水できるため、手洗い派にとっては、手間もコストも下げられます。
さらに節約するなら、送風機能ではなく、洗い終わったらドアが自動でオープンするタイプを選べば自然乾燥でき、節電になります」
【意外性】UV除菌機能が大きな魅力
食洗器にUV除菌機能を搭載した点が、大きな魅力だったと田中さん。
「最近はメガネなど小物にUV除菌機を利用する人も増えているようですが、こちらは食器に菌を残さないという合理性と、ほかのものも除菌できる汎用性が画期的です」
コンパクトサイズなのでふたり暮らしや、田中さんのように“2台目”としても。またUV除菌という心強い機能もあり、導入の価値はありです。
【DATA】
シロカ『食器洗い乾燥機 UV除菌タイプ』
販売価格:5万9800円(税込)※7月26日時点の実勢価格
販売場所:家電量販店、楽天市場やAmazonなどのECサイト、ほか
◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん
白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。ブログ(https://ameblo.jp/makiko-tanaka89/)
取材・文/桜田容子
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