約100℃の高温スチーム(蒸気)を出すことで汚れを浮かし、手早くキレイにしてくれる、家庭用スチームクリーナー。水だけで油汚れなども掃除ができるため、人気が高まっています。
従来モデルに比べ、シンプル装備でリーズナブルに
家電ライターの田中真紀子さんが最近注目しているのは、ケルヒャーの『スチームクリーナー SC MINI』です。
「本製品は、洗剤やアルコールを使わず水だけで汚れ落としができるほか、一部のウイルスやバクテリアなどを99.99%除菌(※)ができるのも特長です。掃除ついでに除菌までできるのは、今のご時世ありがたいですよね。
ケルヒャーはこれまでもスチームクリーナーを出していますが、従来モデルとの違いは、アクセサリー(アタッチメント)の少なさです。ハンドブラシとマイクロファイバーのカバーが2枚だけですが、最低限に抑えることで価格も抑え、初心者でも手軽に購入しやすくなりました」(田中さん・以下同)
※第三者機関調べ。ケルヒャースチームクリーナーをスチーム最大量モードで30秒間噴射するとウイルスを99.999%除去するという結果が出ました。ケルヒャーのスチームクリーナーを正しく使用すると、一般家庭のバクテリアを99.99%除菌することができます。(表面の硬い場所を清掃した場合)
コンパクトで使いやすい
家庭用スチームクリーナーは大別して、持ち運びがしやすいハンディタイプ、フローリングなどの床にかけやすいスティックタイプ、タンクが大きく長時間の使用に最適なキャニスタータイプがありますが、日常的にテーブルやソファなどに使うなら、『スチームクリーナー SC MINI』のようなハンディタイプがおすすめです。
とりわけ本製品は『MINI』という名の通り、長さ約32cm×幅約13cm×高さ約19cmで、本体重量も1.6kgと軽量です。
「今まで、キャニスター掃除機タイプのスチームクリーナーは使ったことがありますが、『スチームクリーナー SC MINI』は比較にならないほどコンパクト。電気ケトルよりも小さく、手軽に使えます」
ドアノブやテーブルの上、汚れやすいカーテンなどちょっとしたところにもサッと使えそうで、期待が高まります。では、実際の使用感などはいかがでしょうか。5つの視点からレビューしてもらいました。
【使用感】洗剤ナシでも油汚れがよく落ちる
スチームクリーナーは蒸気を使うため、スチームアイロンのように本体に水を入れる準備が必要です。
「まず、本体内に200mlの水を入れてフタを締めます。そして電源を入れると加熱がスタート。1分ほどで“コポコポ”と湧くような音がし始め、3分経ち、準備が完了。マイクロファイバーのカバーを装着したハンドブラシを先端に取り付け、まずはテーブルの除菌を。
ボタンを押すと、すごい勢いで熱々のスチームが噴出! そのままテーブルをスーッと拭いていきます。ボタンを押している間だけスチームが出るので、少し指がつりそうな感じもありますが、アルコールなどを使わず除菌できる安心感は大きいです。コードが4mと長いので、そのままドアノブやソファなど、リビング周りの除菌を一気に済ませられました。ただし、連続噴射時間は6分のみ。効率よく掃除した方がよいでしょう」
では、肝心の汚れ落ちはいかがでしょうか。
「油が落としやすいというメリットを生かして、ガスコンロ周りの油汚れを落としてみました。付着してまだ日が浅い油汚れなら、気持ちいいほど一気に落ちます。一方、蓄積した油は簡単に落とせないので、洗剤を使って落とすしかありません。ただ、このスチームクリーナーはコンパクトで使いやすいので、こまめにお手入れすれば蓄積する前に落とせるようになるかもしれません。
ちなみに、垂直に当てると、軽量のはずが重く感じるのでご注意を。しかもボタンを押しながらなので若干しんどいです(笑い)」
【手軽さ】サッと使えてサッとしまえるコンパクトサイズ
掃除用品は、すぐに使える手軽さがないと、使用機会が減ってしまうもの。その点、本製品はコンパクトゆえに出しやすさ、しまいやすさは高得点のようです。
「コンパクトなのでシンク下などよく使う場所に収納できるのは便利ですね。使い慣れれば、いつもの掃除に取り入れられるはずです。
しいていえば、壁面などに使うときは重く感じるので、もう片方の手で支えながら使うといいでしょう」
【時短】出してから掃除完了まで約10分
立ち上がりは3分、スチームの連続噴射時間は6分。出してから掃除を終えるまで約10分です。6分以上掃除を続ける場合は、再度水を入れて沸かす作業が必要になります。本腰を入れて掃除するというより、毎日の掃除にプラスして家具などをお手入れする“ちょこっと使い”に適しているようです。
「1日10分、いつもの掃除に追加することで汚れの蓄積を防ぐことができるなら、長時間かけてじっくり掃除する頻度も減るはずなので、結果的に時短になるのでは。個人的には油汚れが溜まりやすいコンロ周りに使いたいので、カバーを追加購入したいところです」
【コスパ】基本的に洗剤やアルコールは不要。使うのは水だけ!
価格は1万780円(税込)。
「アクセサリーが少ないとはいえ、このサイズでこのパワーなら十分。スチームクリーナーの中には数千円のものもありますが、低価格帯のものは高温が保てないものも。その点、こちらは価格と品質のバランスが取れています。
また、洗剤は定期的に買うと意外と支出がかさみますが、この製品なら薬剤や洗剤を使わずに済むため、節約にもなります」
【意外性】掃除や除菌だけでなく、衣類のシワ伸ばしにも
意外だったのは、衣類スチーマーとしても使える点。
「衣類のシワ伸ばしに使えるというので使ってみたところ、驚くほどシワが伸びました。高温に弱い衣類もあるので、使用の際は注意する必要がありますが、衣類スチーマーとして使えるのは大きい収穫でした」
朝、家族それぞれが衣類のシワを伸ばしたい時は、「セカンドスチーマー」としても使えそうですね。なお、購入時に付属するマイクロファイバーのカバーは2枚のみ。くり返し洗って使えますが、衣類スチーマーとして使う場合は、もう1枚買っておいてもいいでしょう。
掃除、除菌、衣類スチーム機能と1台3役のこの製品。思ったより活躍の幅は広そうです。
【DATA】
ケルヒャージャパン『スチームクリーナーSC MINI』
販売価格:1万780円(税込)※付属品は、ハンドブラシとマイクロファイバーカバー2枚。マイクロファイバーカバーを買い足す場合は、2枚組で2728円(税込)
販売場所:家電量販店、Amazonや楽天市場などのECサイト、公式オンラインストアほか
https://www.kaercher.com/jp/home-garden/steam-cleaners/sc-mini-15163390.html
教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん
白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。ブログ(https://ameblo.jp/makiko-tanaka89/)
取材・文/桜田容子
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