秋を迎える今しか食べられない梨は、ぜひ旬のうちに味わっておきたいものですよね。でも、どの梨がおいしいか見極める方法を知っている人は少ないのではないでしょうか。
そこで野菜ソムリエプロの福島玲子さんから、スーパーで梨を買うときにおいしいものを見分ける目利きのポイントを教えてもらいました。食後のデザートにおすすめと語る、その理由とは?
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たんぱく質分解酵素を含む梨は消化吸収を助けてくれる
夏の終わりから秋にかけて旬を迎える梨は、さわやかな口当たりが好きな人も多いと思います。種類が豊富で、8月の初めごろから「幸水」がお店に並んで、その後は主要なものだと「豊水」、「あきづき」、「二十世紀梨」、「新高」…と順に見かけるようになります。
梨はおいしいだけでなく、たんぱく質分解酵素を摂ることができるので、消化吸収を促す作用があるんです。消化酵素の働きを助けてくれるので、から揚げなどの揚げものや中華などこってりした食事のあとのデザートにおすすめです。
梨の種類別、おいしい梨の見極めポイント
たくさんの種類のある梨ですが、大きく「赤梨」と「青梨」の2つに分けられます。その違いと、見極め方の違いも説明します。
すべての梨に共通する見極めポイント
梨の甘みがギュッと詰まっている部分はお尻と皮の部分です。
箱で梨を買うと逆さ向きで入っていることが多いです。それは、お尻から頭の部分へ向かって甘みが行き渡るように、ということと、へたの部分から水分が蒸発していくのを防ぐため。つまり、生産者の気遣いなんです。
なので、スーパーで購入するときもお尻を上にして並べているか、チェックするといいでしょう。お尻を上にしていれば、果物の扱い方をちゃんと把握しているお店の可能性が高いです。
「幸水」「豊水」など赤梨の選び方のポイント
赤梨は「幸水」「豊水」「南水」「新高」など、皮の色が褐色で表面がザラザラしている品種を指します。果肉は甘みが強く、シャリシャリとした舌触りが特徴です。
見極めるポイントは、皮が赤茶色になっていて、ザラザラ感が少ないこと。これが熟している証なので、店頭などで比べてみてくださいね。
「二十世紀梨」などの青梨のポイント
青梨は「二十世紀梨」など、果皮が薄緑色でツルツルしている品種。さっぱりとした甘みが特徴です。果肉は赤梨に比べ、なめらかな舌触りの果肉で、りんごに近いサクッとした食感です。
皮が黄色っぽく、虎のような模様が濃いものが熟している印なので、甘みのあるものを選ぶときのポイントとして押さえておくといいですよ。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持つ。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導など、多岐にわたって活動している。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ