秋から冬にかけて旬を迎える洋梨。この季節にしか味わえないものだからこそ、できるかぎり長く楽しめる、保存法を知っておくと便利ですよね。そこで、野菜ソムリエプロの福島玲子さんから、正しい保存法を聞きました。さらに、より甘みを引き出す皮のむき方のコツも教えてもらいました。
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洋梨を保存するときのコツとは?
ねっとりとやわらかく、濃厚な甘みのある洋梨。熟しているものを見極めるには、軸のまわりが少しやわらかく弾力があるか、香りが強いかをチェックしましょう。
また、丸いものより頭が小さくお尻の大きいひょうたんのような形をしているものの方が、ストレスなく育っているため、味がのっているといえます。まだ完熟していない梨を早く食べたいとき、逆にゆっくりと追熟させたいときの保存方法を知っておくと、おいしく楽しめますよ。
追熟を早めたいときの保存方法
洋梨の追熟を早めたいときは、りんごと一緒に袋に入れておけば、りんごが出すエチレンガスによる効果で早く追熟が進むことが期待できます。室温20℃程度の冷暗所に置いておきましょう。
追熟を遅らせたいときの保存方法
熟しているけれどすぐには食べない場合は、冷やしておくのが一番です。冷蔵庫の野菜室で保存することで、暖かい場所や常温に置いておくよりも追熟を遅らせることができます。
保存するときに共通していえるコツは、洋梨の実の水分が蒸散しないように、ビニール袋に入れておくことです。
カットしておけば追熟を防げる
洋梨は追熟が早く、買ってから4~5日以内に食べるのがおすすめです。せっかく熟したのに食べるタイミングを逃しそうなときは、カットして冷蔵庫に入れておけば、追熟が止まりますよ。とはいえ、カットした洋梨は日持ちしないので、翌日には食べましょう。
翌日に食べ切るの難しいときは、カットした洋梨を冷凍庫に入れて凍らせれば長持ちします。シャリシャリとしたシャーベット状になった洋梨もおいしいですよ。
洋梨をおいしく食べるなら皮を薄めにむく
洋梨は和梨とおなじく、品種に関係なく中心よりも皮側の甘みが強いです。そのため、皮をなるべく薄くむいたほうが、より甘みを感じることができますよ。洋梨はでこぼことして皮がむきにくいので、ピーラーを使うのも皮を薄くむくのにおすすめです。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持つ。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導など、多岐にわたって活動している。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ