冬に旬を迎えるみかん。長持ちするからと思って油断していると、みかん箱の中が“大惨事”に…なんて経験、ありませんか? 少しでも長く持たせる方法があるならば、知っておきたいものです。そこで、野菜ソムリエプロの福島玲子さんから、そのコツを教えてもらいました。
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みかんはヘタを下に風通しをよくして保管
長持ちするイメージのあるみかんですが、コツを知っておけばさらに長期間おいしく食べられます。その方法をお教えします。
みかんはヘタを下にして保存するのがおすすめ
みかんは保存するときに、収穫したヘタの部分が下になるようにするといいですよ。ヘタから水分が出ていきやすいので乾燥を防ぐこともできますし、かたく丈夫なヘタに重みが集中させることで果実への負担が少なくなり、傷みづらくなります。
袋みかんや箱みかん、保存はどうするのが正解?
みかんを袋に入れて保存するのは、なるべく避けたほうがいいと言われています。袋にぎっしりと入っていると、押しあって皮に傷がつき、そこからカビが発生してしまうケースが多いからです。袋で買ってきたときは、余裕のあるかごなどに移すのがいいですよ。
箱でみかんを買ったときは、1段ごとにみかんをきれいに並べ、間に新聞紙を敷いて保存すると、圧が分散するので、強く押された部分から傷むようなことを防げます。カビを防ぐために、ふたは密閉せずに風通しをよくしましょう。
たくさん買って保存するときの豆知識
たくさん買ったみかんを少しずつ食べたいのなら、冷蔵庫の野菜室で保存がおすすめです。できればひとつひとつ新聞紙やキッチンペーパーで包んでおくと乾燥も防げ、2~3週間は保存することができます。
また、表面が濡れていたらしっかりとふき取ってください。濡れたままにしてしまうと、それが傷む原因になってしまいます。
みかんが余ったら調理して食べるのもアリ
みかんを大量に買うと、甘いものから酸っぱいものまでさまざまなものが入っています。ヘタが小さいもの、表面のつぶつぶが小さいものなどは甘いみかんの特徴です。それ以外のみかんで食べ残ったものは調理して保存するのもおすすめです。
みかんジャムやコンポートにして長期保存
ジャムやコンポートなら、煮るだけなので簡単。かつ冷凍もできるのでおすすめです。糖度が高く、冷凍してもかたくならないので、使いたい分だけを取り出しやすいのもメリットです。1か月以上は保存ができるので、大量に消費したいときに役立ててみてくださいね。
酸味の強いみかんは追熟を待ってみるのも一手
フルーツは追熟するものとそうでないものとに分かれますが、みかんも追熟する果実です。酸味の強いものは時間が経てば徐々に甘くなることもありますが、あまり長く置いておくと腐敗の原因にもなりますので気を付けてください。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持つ。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導など、多岐にわたって活動している。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ