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3連休が9回!2022年の旅トレンド|注目は瀬戸内海、九州、ジブリパークも。GoToはどうなる?

ハウステンボス
2022年の旅のトレンドは?(写真は長崎・ハウステンボス)
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2022年は3連休が9回と多く、ゴールデンウィークも大型連休を作りやすい日並び。カレンダー上では、旅をするには絶好の1年です。一方、オミクロン株の感染拡大を受け、まん延防止措置の適用や要請が相次ぐなど、コロナの状況は一進一退。そんな中、今年の旅はどうなるのか? 旅のトレンドを旅行ジャーナリストの村田和子さんが解説します。

飛行機
コロナが落ち着いたらいろいろ巡りたい
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3連休が多い2022年。遠方への国内旅行が人気に?

昨年10月に緊急事態宣言が解除されると、全国の観光地は久しぶりに賑わいを取り戻し、SNSには旅先を楽しむ投稿が溢れるなど、旅への底堅いニーズが顕著になりました。

2022年は3連休が9回と多く(※うち1回は終了)、ゴールデンウィークも平日を2日休めば10連休になるなど大型の旅がしやすい暦です。一方で、海外への渡航は時間がかかることが予想されます。そんな中、注目を集めそうなのが、飛行機や新幹線などの移動を伴う遠方への国内旅行。

北海道の大地
飛行機から北の大地を望む
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特に沖縄県、北海道、あるいは海外気分が味わえるスポットは人気が高まりそうです。

ただし、現状はオミクロン株の感染拡大の最中であり、移動を伴う遠出の旅へのシフトは、コロナの状況が落ち着いてから。しばらくは安全安心に配慮した近場への旅「マイクロツーリズム」がベースとなりそうです。

沖縄
リゾート感あふれる沖縄。コロナの終息が待ち遠しい
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ラベンダー畑
大自然を満喫できる北海道
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トマム
豊かな自然が生み出す食べ物も人気
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スパリゾートハワイアンズ
日本のハワイと言われるスパリゾートハワイアンズ。海外気分を味わいに
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ハウステンボス
ヨーロッパのような街並みのハウステンボス
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県民割・GoToの動きは?

県民割は、年明けに割引対象を隣県へ拡大した自治体も多く、GoToトラベルキャンペーン再開へつながる一歩と期待する声もありました。しかし、同時にオミクロン株の感染が広まり、感染拡大地域では「県民割の新規予約受け付けを中止する」などの動きが出ています。

京都府の府民割で渡されるクーポン
京都府の「きょうと魅力再発見旅プロジェクト」のクーポン。1月21日現在、全ての隣接県民の新規予約を中止
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加えて1月19日、観光庁は、前提となっていたワクチン・検査パッケージ制度を原則適用停止したことを理由に、まん延防止等重点措置の対象区域において、県民割支援の対象外とすることを発表しました。(https://www.mlit.go.jp/kankocho/topics06_000353.html)

具体的には「まん延防止等重点措置の対象区域を発着する旅行」や「居住者による隣接県への旅行」、ならびに「まん延防止等重点措置の対象区域への隣接県民による旅行」は、県民割支援の対象外となります。

わかりやすく言うと、お住まいの自治体がまん延防止等重点措置の対象となった場合は、県内・隣県に関わらず割引とはなりません。また、まん延防止等重点措置の対象となった区域への旅も割引対象外となります。

注意が必要なのは、予約済みの場合も、まん延防止等重点措置の期間に宿泊する場合は、割引除外となること。キャンセルの増大が予想され、また出発が迫った旅行についてはキャンセル料も発生することから(※利用者負担としている自治体が多い)、混乱が予想されます。感染拡大への配慮はもちろん必要ですが、急な変更により、観光事業者、ならびに旅行者双方に混乱を生じそうで、施策への不信感も懸念されます。

全国的なGoToトラベルキャンペーン再開は、いったん白紙、県民割の今回の状況からも、再開タイミングの見極めはより難しくなったと感じます。

旅のテーマは、ウェルネス・学び・自然体験

コロナ禍で「旅は単なるレジャーではなく、旅は日常を豊かにしてくれる」と気が付かれたかたも多いことでしょう。

コロナ禍では多くの人が心身にストレスを抱え、リモートワークにより体重増加や生活習慣病などのリスクが増えているといいます。旅先で積極的に体によいことを行い、健康習慣のきっかけづくりとするウェルネス旅への動きが加速しそうです。

ヨガ
ウェルネス滞在とは、ヨガなど運動や食事など、旅先で積極的に体のメンテナンスを行う旅スタイル。健康的な生活への気づきの機会となる
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また、子どもたちは、学校行事や修学旅行などが中止となり、新しいことに出会い挑戦すること、多様性を認めるなど、実体験を通じた成長機会が減っています。家庭で何かできないかと考える親御さんも多く、旅で子どもの成長を育む「旅育」が注目を集めています。大人もリカレント教育が人気ですが、旅を学びに活用する動きは今後強まると考えます。

農家やお米の一生を学ぶ「お米の学校」(星野リゾート リゾナーレ 那須)
農家やお米の一生を学ぶ「お米の学校」も旅育にピッタリ(星野リゾート リゾナーレ那須)
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コロナ禍で大きく変わってしまった世の中でも、植物の成長など自然の営みは変わりません。そういった「変わらないこと」を感じることで気持ちが落ち着くことも多いもの。三密回避という観点からも、自然をさまざまなスタイルで味わう旅スタイルや、SDGsとのかかわり方で旅を選択する動きも高まりそうです。

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2022年注目の旅先は?

今年のイベントを踏まえつつ注目の旅先をご紹介します。コロナ終息を願いながら、先々の旅計画をされてみてはいかが?

【1】岡山を中心とする瀬戸内海

3年に1度開催される人気アートイベント「瀬戸内国際芸術祭2022」が開催されます。「海の復権」をテーマに、2つの港と島々を舞台に開催。春、夏、秋と3つの会期があり、春は4月14日に開幕します。

芸術祭の舞台のひとつ犬島精錬所美術館(岡山県・犬島)
芸術祭の舞台のひとつ犬島精錬所美術館(岡山県・犬島)
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「カモメの駐車場」木村崇人作(香川県・女木島)
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また、JRグループ6社と地元自治体、観光事業者が一丸となって行うJRディスティネーションキャンペーンも7~9月は、岡山県を舞台に実施されます。全国のJRの駅ではポスターが掲示され、キャンペーンを機に、新しい地域魅力の創出やバラエティに富んだツアーの販売なども行われるので注目です。

観光列車「La Malle de Bois(ラマル・ド・ボア)」
旅行カバンがモチーフの観光列車「La Malle de Bois(ラマル・ド・ボア)」は瀬戸内を巡り、現代アートやサイクリングも楽しめる
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倉敷
そぞろ歩きが楽しい美観地区「倉敷」のまちなみ
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大原美術館プレミアムモーニングツアー
期間中は、大原美術館プレミアムモーニングツアーも開催予定。開館前の美術館を楽しみ、倉敷国際ホテルで、モネが愛したレシピを再現した朝食を!
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【2】秋以降は佐賀・長崎を中心とした九州

秋には、佐賀の武雄温泉駅と長崎駅間に西九州新幹線が開業します。利便性という点では博多から在来線を経由するなど課題がありますが、水戸岡鋭治氏デザインの新幹線「つばめ」への乗車を目的とした旅、加えて温泉・自然・歴史と旅の魅力が溢れる九州全体への旅が、開業ニュースと共に注目を集めそうです。また、九州には海外気分が味わえる長崎のハウステンボスも。

 

武雄温泉
武雄温泉 元湯(佐賀県)。明治9年の建築で温泉施設としては最古の建物
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【3】ジブリパークもオープン予定!年末に向けては愛知県に注目

秋には、スタジオジブリの世界観をテーマにした公園施設「ジブリパーク」が、愛知県長久手市にある愛・地球博記念公園にオープンします。

5つのエリアのうち、2022年は「ジブリの大倉庫」、「青春の丘」、「どんどこ森」の3つ、2023年度には「魔女の谷」「もののけの里」の2つのエリアがオープン予定。世代を超えてファンの多いジブリ作品だけに人気が出るのは間違いありません。

ジブリの大倉庫
「ジブリの大倉庫」イメージ図からもワクワク (C)Studio Ghibli
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名古屋では、テレビ塔がある街の象徴「久屋大通」を大規模リニューアル。コロナ禍の2020年に「RAYARD Hisaya-odori Park」としてオープンしています。

他にも、全国にコロナ禍では十分なPRができないままオープンしている施設が多くあります。移動が自由にできるようになった暁には、改めて知られざるニュースポットをめぐる動きも出てくるでしょう。

※この情報は1月21日時点のものです。

◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

村田和子さん
旅行ジャーナリスト・村田和子さん
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旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年よりNHKラジオ『Nらじ』月一レギュラー。トラベルナレッジ代表(https://www.travel-k.com/)。旅ブログも行っている(http://www.murata-kazuko.com/)

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