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和食とまるで違う洋食マナー|レディ・ファーストの徹底と「着席は左から」

洋食レストランの椅子とテーブル
洋食のマナーは”レディ・ファースト”を徹底(Ph/GettyImages)
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入店から着席まで、洋食のマナーは和食とはまるで異なります。とにかく「レディ・ファースト」が徹底されています。書籍『おとなの清潔感をつくる 教養としての食べ方』(サンマーク出版)の著者で教養エレガンスマナー講師の松井千恵美さんは、そんなテーブルマナーは、“教養“として表れると語ります。そこで、多くの人が間違って覚えていた、もしくは曖昧だった洋食のテーブルマナーについて教えてくれました。

【入店】日本とのギャップがある“レディ・ファースト“

和食と洋食では真逆の形が多いと松井さんは言います。和食では、男性が先、が原則です。「先輩」と「後輩」の場合は、先輩が優先。ファミリーの場合は「年長者」が優先です。なので、入店するのも、座るのも、食事に手をつけるのも、和食の場合はすべて「男性」が先です。

「洋食の場合は、古くからの騎士道の影響で『レディ・ファースト』。どのようなシーンにおいても『女性が男性よりも先』と捉えておけば間違いありません。入店の際もドアを開けるのは、お店の人か男性の役目で、『予約した○○です』と確認するのも男性の役割。

お店の人が席に案内する際も、案内係のすぐあとにつくのは女性で、同行の男性は女性のあとにつきます。これは一旦エスコート役をお店の人に譲るからで、案内役がいないときは、男性がエスコートします。椅子に座るのも女性が先、食事に手をつけるのも女性が先です」(松井さん・以下同)

【上座】お店の人が最初に引いた椅子がサイン

たびたび勃発するのが「上座どこかわからない問題」。でもこれはわかりやすいサインがあるそうです。

レストランのテーブルに並べられたお皿、スプーン、フォーク
上座をスムーズに案内できるとスマート(Ph/AFlLO)
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「お店で、案内役にエスコートされ入店した場合は、『お店の人が最初に引いた椅子が上座』と覚えます。このルールは和洋共通。洋食の場合、この上座の椅子には女性が座ります。和食の場合は上座に座るのは男性か立場が上の人です。この見極めを誤ると長時間バツの悪い思いをすることになります。なぜなら料理は上座から順に供されるからです」

【着席】男女共通「着席は左から」である理由

洋食のお店でテーブル席に案内され、いざ椅子に腰をかけようとするときには男性にも女性にも注意してほしいことが「着席は左から」のルール。

「『椅子には左側からはいる』ということを覚えておいてください。着席も退席も『左側から』です。右から行うのがNGというわけではありません。大勢での会食の際に、隣同士がぶつからないためのスマートな習慣です。その昔、剣を左腰に差していた時代の衣装の名残と言われています」

◆教えてくれたのは:教養エレガンスマナー講師・松井千恵美さん

教養エレガンスマナー講師・松井千恵美さん
教養エレガンスマナー講師・松井千恵美さん
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一般社団法人ジャパンエレガンススタイル協会代表理事。日本と西洋の作法に精通し、エグゼクティブから絶大な信頼を集める。各種マナースクールやフランス上流階級婦人らからの直接指導などで、西洋と日本のマナー両方を極める。マナー全般における講師養成をはじめ、大手CA養成スクールでの講師実績を積むなど、これまで1万人以上が受講。昨年11月、知的な食べ方について紹介した書籍『おとなの清潔感をつくる 教養としての食べ方』(サンマーク出版)を出版。https://japan-elegancestyle.org

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