エンタメ

【大塚寧々 ネネノクラシ#25】雨は嫌いじゃない 自転車に乗っているときに降られても「楽しい」

大塚寧々
寧々さんが綴る雨エピソード(Ph/網中健太)
写真2枚

女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第25回は、寧々さんの「雨」のエピソードについて。猛暑が続きますが、寧々さんの雨エピソードで少しでもひんやり気分を感じてください。

* * *
子供の頃は雨が降ると、とにかく水溜りにぽん!ぽん!と足を入れてよく母に怒られたものだ。

道にローセキで円を書いて、ケンケンして遊ぶときのような感覚だ。 水溜りをみつけると、とにかくぽん!と足を入れていた。怒られても全然気にしてなかった気がする。

長靴を履いているし、水溜りに「どうぞ~」と呼ばれている気がした。今思えば、私が子供の頃は、今よりも道に水溜りがたくさんあった気がする。小学校に通うときも、雨の日は水溜りみつけてぽん!と足を入れて遊んでいた。 大人になっても、たまに水溜りを見つけると、ふと足を入れたくなる気持ちになる時がある。もちろん、もうしませんが。

そういえばモチ(トイプードル・女の子)も、雨上がりに散歩すると、水溜りの方によく行く(笑)。 息子も小さい時は、よく水溜りに足を入れていた! 息子はどうしてだかわからないが、よく傘を破って帰ってきたなあ~。

雨の時の匂いが好き

雨の時の湿度を含んだ空気の匂いが好きだ。なんだか、気持ちが落ち着く気がする。忙しくて気持ちがざわざわしている時も、雨の匂いを嗅ぐと、少し気持ちが地に足がつくような感覚がある。

虹
雨があがると、虹が!(Ph/大塚寧々)
写真2枚

色々なものを洗い流してくれる気がするからかもしれない。そういえば、雨で家にいる時は、よく音楽をかけているかもしれない。実を言うと、雨に濡れるのは嫌いではない。少しの雨なら、たいていそのまま歩いてしまう。

この間、太極拳の帰りも雨が降っていた。来る時は、雨が降るような感じではなかったので、傘も持っていないし、しかも自転車だった。

滑らないようにだけ気をつけようと思いながら、そのまま濡れながらゆっくり帰った。ちょっと楽しい気持ちになった。

都会の雨よりも、自然の中の雨の方が好きだ。木々の緑の色が、しっとりと濡れて美しいなと思う。雨の匂いも強い気がする。アスファルトではなく土だからだろうか…。雨があがったあとに、虹が出ていると嬉しくなる。なんだか嬉しい事が起こりそうな気持ちになるのだ。

◆文・大塚寧々(おおつか・ねね)

1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。現在、出演映画『軍艦少年』が公開中。

▶【ネネノクラシ#24】「赤福」

▶【ネネノクラシ#23】「春のファッション」

▶【ネネノクラシ#22】「母の日」

▶【ネネノクラシ#21】「お花見」

▶【ネネノクラシ #20】「食べ物の好み」

→大塚寧々さんが自身の食やお酒事情に語ったインタビューはコチラ

関連キーワード