
暮らしのプロが実際に使ってみて「これ買ってよかった!」と実感した便利グッズと、暮らしに役立つテクニックを教えてもらうこの企画。今回は、科学する料理研究家、キッチンまわり評論家としても活躍する、さわけんさんが、コスパがいいと絶賛する「三徳包丁」について教えてくれました。
デザインもかっこいい、継ぎ目なしのオールステンレス包丁
コロナ禍で自宅で過ごす時間が増え、自炊をすることが多くなったという人も多いはず。ただ料理が苦手な人、億劫な人にとってのネックは手間。その手間を少しでも減らすべく、便利なキッチングッズや調理道具が注目を浴びていますが、料理に欠かせない包丁はなんといっても切れ味が重要項目です。
ただし、包丁といってもピンからキリまであり、高いものだと数万円することも。そこで、今回さわけさんが紹介してくれたのは“コスパがいい三徳包丁”。刃物で有名な貝印の『関孫六 匠創 三徳包丁』(税込4950円)です。こちらの三徳包丁は刃渡り165mm。重量は134g。刃体からハンドルまで継ぎ目のない一体成型のオールステンレス包丁です。

「どんなものがいいかわからない」という人におすすめ
「おすすめのポイントはオールステンレスで握りやすいハンドル、大きすぎないサイズ感と切れ味とお値段です。『とりあえず包丁が欲しいけど、どんなものがいいかわからない』という人におすすめです。包丁は高いものは数万円、安ければ100均でもそろうほど、価格帯も形もさまざま。なので、選ぶとなるとなかなか難しいアイテムです。
包丁の価格は基本的には、金属と柄の材質が反映されています。日本料理の包丁は鋼系の素材で切れ味が鋭くグレードによって値段が変わります。一方、家庭用の和包丁はSK鋼というものがメインで、硬めで耐久性もそこそこ、鋼なので錆びるという性質を持ちます。洋包丁によく使うステンレスは鋼にクロムを配合して錆びづらくした金属で、包丁で使うステンレスは、普通のステンレスより硬さが必要で、ステンレス刃物鋼と呼ばれています。
今回の包丁はオールステンレスで、継ぎ目のない一体構造なので衛生的。デザインもかっこよく、価格も5000円以下なので、かなり買いだと思います」(さわけんさん・以下同)
にぎりやすくて切れ味抜群!5000円以下とは思えないコスパのよさ
いくら切れ味がよくても、握りやすくないと使い勝手がいいとは言えませんし、その逆で、いくら握りやすくても切れ味が悪くては不便です。こちらの包丁はにぎりやすさと切れ味のよさを両立していると、さわけんさんは言います。

「使っていくうちに徐々に切れなくなってきて研ぎが必要になるのは、どんな包丁でも一緒ですので、この包丁もいずれ研ぐ必要がありますが、それでも初めからこの切れ味のよさは魅力です。
柄の握りやすさもおすすめポイントです。指がかりがよくグリップ感の高い流線型のハンドルデザインになっています。過去に、主婦の皆さんに包丁の握り比べ30本をしていただいた中でも上位にランクインしました。包丁の握りやすさというのは柄の形と包丁全体のバランスなので大きさや重さや重心がよいのかもしれません。
こちらの包丁は、重さでいうと重すぎず軽すぎず、見た目通りの重さです。包丁は軽すぎても使いづらいので見た目通りというのは意外と重要です」
欠けにくいし錆びづらいから長期間使える
安い包丁を買って何度も買い替えていては、結果的に「安物買いの銭失い」に。もう失敗はしたくないので、いいものをお手頃な値段で買いたいですよね。
「こちらの包丁は、切れ味がよく、欠けづらく錆びづらいので家庭用としてはかなり優秀です。食材への切断抵抗を小さくする独自の研削加工が施されているので、食材への切り込みのよさと鋭い切れ味があります。研ぐ頻度などにもよりますが、砥石でちゃんと研げば長期間使える品質のよさだと思います。
また、素材がステンレスだと鋼ほど錆びません。定価は4950円ですが、Amazonでは3000円前後で買えることも。この価格帯で、不満なく使える包丁というのはとてもお得だと思います。その割に切れ味がいいということで、コスパが最高です」
◆教えてくれたのは:科学する料理研究家、キッチンまわり評論家・さわけんさん

科学的に料理を考えて、狙った通りの料理をつくるレシピの達人。モノ比較雑誌「モノクロ」や「LDK」、「家電批評」の編集者が頼る識者で調理器具・家電、食品類を日本一比較している。テレビ出演も多数。著書に『ぶり大根が15分でできてなんならお客さんにも出せる』(ダイヤモンド社)などがある。
HPリンク:https://s-d-m.jp/talents/sawaken/