「ペンがない」「携帯の充電器はどこ?」「メガネを店に置き忘れた」など、一日に何度も探し物をしていませんか? すぐに見つかればいいのですが、見つからない場合は、新しく買い直すこともありますよね。生活コスト削減コンサルタントの生方正さんは「探し物をする人は、お金とともに時間も失い、二重に損をしている」と言います。
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「探し物」をすることで失っているものは?
20代から60代の男女を対象にした「探し物に関する調査」(2017年、TrackR, Inc.による)(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000022312.html)によると、失くした物の損失額と、探し物をする時間について、驚くべき数字が出ています。
損失額は1人あたり年間2万円以上
「探しても見つからなければ、また買えばいい」と思うことはありませんか。たとえば、ボールペン1本なら約100円、スマホなどの充電器だったら1000円程度。たいした金額ではないと思うかもしれません。
しかし、同調査では失くした物の損失額を合計すると1年間で約1.7兆円にもなるそうです。国民1人あたり年間2万2139円と同調査では計算していますが、ほとんど物を失くさない人もいるので、それを考えると失くし物が多い人はもっとたくさんの金額を失っている可能性があります。
探し物をすることで失っている貴重な時間
「探し物」をすることで失うのは、お金だけではありません。同調査では、探し物に使っている時間が1年間で約145時間、つまり1週間程度という結果が出たそうです。
探し物1回あたりの時間はわずか5分から10分程度かもしれませんが、積み重なるとバカにできない時間を使っていることになります。時間は、お金で買えない貴重なものですよね。
探し物をすることで気分もイライラ!
また、自分の物はもちろん、家族の物を一緒に探すことになることもあるでしょう。これからやろうと思っていたことに集中できず、イライラしたり、家族と険悪な空気になるなど、金額では表せない損失も出ることになります。
「失くし物」をゼロにするための3つのコツ
探し物をする時間がかかり、挙げ句の果てに新しいものを買い直すことになったら余分な出費が増えます。無駄な買い物をしないためにも、普段から失くし物をしない工夫が必要です
必要以上に物を持たない
よく失くし物をする人は、持ち物が多すぎて管理できていない可能性があります。たとえば、100円ショップなどの雑貨店で、「これは便利そう」「失くしていつも探すから」と、似たものをいくつも買い込んでいませんか? 持ち物が多いとそれだけで管理するのが大変になります。
物は必要以上に買わない、増やさないことが大切です。持ち物を減らすことで管理しやすくなるうえに、不要な支出も減り、お金も貯まりやすくなります。
すべての物に収納場所を確保・ラベリング
物を無くさないためには、物の定位置を決めましょう。引き出しやボックスの外側に「文房具」「シニアグラス」「マスク」など、ラベリングをすることをおすすめします。そして、使ったら元の場所に戻す、ということを徹底しましょう。
これによって自分自身はもとより、家族みんなが探し物をする時間が激減し、「あれがない」「これがない」といわれて、一緒に探す時間もストレスも減らすことにつながります。
持ち物に名前を書く
物を失くすのは家の中だけとは限りません。外で失くした場合は運よく拾われても、戻ってくるかどうかはわかりません。
そうならないためにも持ち物には名前を書いておくのがおすすめです。私は、ハンカチであればタグの部分に名前を書き、ボールペンや傘であればテプラで名前を出力して貼っています。 名前を書いておくことで、電車やお店で傘を忘れても探しやすくなりますし、所有意識が高まって、物を失くす回数も自然と減ります。
お金が貯まる人は「無駄な買い物をしない」ことと同時に、「物を失くさない」ことも意識しています。物をよく失くす人は、持ち物の管理について一度見直してみましょう。お金にも時間にも余裕が持てるようになってきますよ。
構成/間野由利子
◆教えてくれたのは:生活コスト削減コンサルタント・生方正さん
うぶかた・ただし。明治大学サービス創新研究所研究員。高校卒業後に海上自衛隊に入隊。勤務の傍ら節約術を駆使しながら、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資などを行い、40代で2億円の資産を築いた。現在は生活コスト削減コンサルタントと南極講演家として、メディアで活躍中。著書に『高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法』(あさ出版)、『攻めの節約』(WAVE出版)など。
構成/間野由利子