頭が痛いわけではないけれど、重くてスッキリしない「頭重感(ずじゅうかん)」。「いつものことだから」とそのままにしている人も多いのではないでしょうか。しかし、不快感を抱えたまま生活していると、注意力が散漫になり思わぬ事故につながる懸念もあります。そこで、漢方にも詳しい管理栄養士の小原水月さんに、頭重感の対策を教えてもらいました。
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あなたも感じている?頭重感の 症状をチェック
頭重感とは、脳に病気がないのに慢性的に繰り返す「緊張型頭痛」の症状の1つです。
血流の悪化が原因で、症状は「後頭部が押さえつけられているような感じ」「頭全体がずっしりと重い」「はちまきで締め付けられているような感じ」などと表現されます。また、眼精疲労、耳鳴り、めまい、肩こりなどの症状をともなう場合もあります。
頭重感が起こる原因
頭重感は、自律神経の交感神経が優位になることで起こりやすくなります。アクセルモードの交感神経には血管を収縮させる働きがあるため、血流を悪化させるのです。交感神経が優位になる具体的な状況をみてみましょう。
寝不足・疲労
慢性的に睡眠が足りていなかったり、疲労が解消されていない状況では、自律神経の調整が難しくなり、自律神経のバランスに偏りが出やすくなります。
ストレス
緊張や不安、怒りの感情は、直接交感神経を優位にします。また、慢性的なストレスは頭部だけでなく全身の血流を悪化させ、さまざまな不調を引き起こします。
更年期
閉経の前5年と後5年を合わせた10年を更年期といい、ホルモンバランスが大きく変わる時期です。ホルモンバランスの乱れは自律神経にも影響し、頭重感の原因にもなります。
頭重感を軽減する方法
頭重感の軽減に必要なのは血流の改善と、自律神経のお休みモードである副交感神経を優位にさせることです。
入浴
湯船に浸かって全身を温めることで血管が弛緩し、血流の改善が期待できます。また、入浴にはリラックス効果もあり、副交感神経が優位になりやすくなります。
ストレッチ
ストレッチをして体を動かすことで、血流が促されます。さらに、ゆっくり深い呼吸を繰り返すと副交感神経が優位になり、血管が弛緩しやすくなります。