マネー

固定費が減らない理由は「気づいていない出費」のせい 可視化して優先順位を決めるのが減らすコツ

電卓をたたいている
増える出費をカバーするには、まず固定費の見直しを(Ph/photoAC)
写真7枚

物価の高騰に電気代の値上げなど、無駄遣いをしていないのに出費が増えて頭を抱えている人は、改めて出費の見直しをしてみましょう。節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに固定費が減らない理由と節約のポイントを教えてもらいました。

* * *

固定費が減らない2大理由

公共料金のほかに、習い事などの月謝、定期購入の化粧品やサプリ、動画配信サイトや音楽配信サイトといったサブスクリプションサービスの費用など、毎月支払っている固定費がどのくらいあるか把握していますか? その中で、使っていないのに支払い続けているものや、不要なものがないか、確認する必要があります。

カードと明細
実は不要な出費に気づいていないことも…(Ph/photoAC)
写真7枚

見直してみると契約したこと自体を忘れていたり、解約したつもりになっていたりして、支払い続けていることに気づいていない出費が出てくる場合があります。また、ネットで契約したのに電話でしか解約ができないなど、解約が面倒くさいという理由で放置しているものはありませんか? 本当は必要ではないものに、年間で数万円払っているということもあります。

ペーパーレス化で見えにくい出費を可視化

固定費の出費に気づきにくくなっているのは、ペーパーレス化が進んだことが大きな原因。クレジットカードの明細などが郵送で送られてこないために、引き落とされている内容を確認しなくなると、無駄な出費に気づかないことがあります。

パソコンを操作している
クレジットカードの明細のペーパーレス化が無駄な出費の見逃しに(Ph/photoAC)
写真7枚

そこで、まずはクレジットカードの明細をインターネット上で確認。同時に銀行の預金通帳も確認し、何が毎月引き落とされているのかを確認し、出費を書き出してみましょう。

不要なものはいますぐ解約!

書き出してみると、使っていないサービスの契約が続いていたり、今は使っていないクレジットカードの年会費が引き落とされていたり、ということに気づくことができます。不明な引き落としがあれば、まずはネットで調べることも大切。サービスの申し込みをしていても、その企業名ではなく別の決済会社名で引き落とされていることもあります。

化粧品を指さしている
電気代などがかかる時期は不要不急のサブスクをお休みして調整するのも一手(Ph/photoAC)
写真7枚

ほかにも電気代が高くなっている冬の3か月だけ、サプリや化粧品などのサブスクリプションをやめて出費を調整するという方法もあります。固定費をすべて書き出すことで、解約・退会するべきものの優先順位をつけやすくなります。

解約を後回しにしないことが大事

いざ解約をしようとして気づくのが手続きのしづらさです。ネット上で簡単に解約できるものならいいのですが、そもそも解約のページが見つけづらいことも多いですよね。その場合は、「サービス名+解約」で検索してみると解約ページがすぐに見つかることもあり、サイト内でリンクを探すよりも早い場合があります。

電話での解約は10〜11時、15〜16時が狙い目

ただし、解約は電話でのみの受付であったり、受付窓口に出向いて直接手続きが必要だったりするものは、ついつい解約・退会が後回しになってしまいがちです。

電話をして首を傾げている女性
解約のコールセンターがつながりづらいときのコツ(Ph/photoAC)
写真7枚

なかでも電話での受付の場合、回線が混んでいてなかなかつながらないこともあります。コールセンターで働く知人に聞いた話ですが、解約に限らず一般的なコールセンターでつながりやすい時間は平日の10〜11時、15〜16時だそうです。これは、コールセンターのスタッフが多い時間で、かつ電話がかかってくる本数が比較的落ち着くタイミングだからです。

企業などによっては混雑状況予想をホームページ上で公開していることもあるので、そちらを参考にするのもいいでしょう。

年度末は退会タイミング

習い事などは、1か月前に申請する必要があるなど、期限が早めに設定されている場合もあります。「この月に解約したいなら◯日までに」という注意書きは必ずチェックしてください。ちなみに、年度末の3月は退会者が多いため、やめる理由をしつこく聞かれることも少ないです。対面だと気まずさがあって辞めづらい、という人はこのタイミングを活用するのもいいでしょう。

解約をスケジュールに組み込んでおく

スマホを見て頭に手を当てている
サブスクの解約はスケジュールに入れて忘れないように(Ph/photoAC)
写真7枚

また、動画や音楽のサブスクリプションサービスは契約期間がギリギリで解約しようとして、うっかり忘れてまた1か月分払ってしまうということもよくあります。カレンダーやスケジュール、タスクリストに入れて、忘れず解約するようにしましょう。

◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

丸山晴美さん
節約アドバイザー・丸山晴美さん
写真7枚

節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/

構成/吉田可奈

●3Gサービスが終了へ!ガラケーを使っている老親のスマホへの買い替えで気をつけたいこと

●実績2万4000件の家計再生コンサルタントが指南「家計の支出削減は“固定費カット”が鉄則」の理由

関連キーワード