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皇后雅子さま、「春のセットアップ」の着こなしをスタイリストが解説「甘辛MIXのバランスが抜群」

1996年6月、北海道をご訪問の天皇皇后両陛下
アクセサリーも白×ゴールドで統一(1996年6月6日、Ph/JMPA)
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春はフォーマルシーンも多く、セットアップが活躍。そこで、皇后雅子さまの春のセットアップの着こなしをチェック。着こなしのポイントをスタイリストの横山麻里さんに聞きました。甘さと辛さを両立させた好感の持てるバランスにも注目です。

フォーマルからカジュアルまで、きちんと見えするセットアップが豊作

最近はファストファッションブランドでもセットアップ売りしているアイテムを多く見かけます。そこで、最近のセットアップの傾向と、セットアップの魅力、着こなし方のポイントを教えてもらいました。

「ジャケット×パンツやスカートのいわゆるスーツタイプのセットアップだけではなく、トップス×ボトムや、ジレ×ボトム、ワンピース×ボトムなどさまざまな形のセットアップが登場しています。セットアップは、コーディネートを考えずに済むラクさがあるのに、着るだけできちんと見えするところが魅力。また、単品使いもできるので、フォーマルからカジュアルまで、幅広い着こなしができます。

着こなしのポイントは、きちんと見せしたいときはセットアップで、アクセサリーや小物もきれいめをチョイス。カジュアルな着こなしにするときは、単品使いで、デニムやスニーカー、フラットシューズなど、カジュアル小物を合わせると、テイストの違ったコーディネートを楽しめます」(横山さん・以下同)

目を引く大きめドレープデザインにシャープなタイトスカートで辛さをちょい足し

1996年6月、北海道をご訪問の際、雅子さまは、優雅なドレープが目を引く、シルエットの美しい白のセットアップをお召しでした。

1996年6月、北海道をご訪問の天皇皇后両陛下
大きめのドレープがアシンメトリーでおしゃれ(1996年6月6日、Ph/JMPA)
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1996年6月、北海道をご訪問の雅子さま
足元も白のパンプスでオールホワイトに(1996年6月6日、Ph/JMPA)
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1996年6月、北海道をご訪問の天皇皇后両陛下
白にゴールドの金具がついたバッグをチョイス(1996年6月6日、Ph/JMPA)
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「オールホワイトのスカートのセットアップという甘めの着こなしにも、大きめのブローチやイヤリングでアクセントをつけることで、コーディネートが引き締まっています。ジャケットのドレープは女性らしさがあり、とても上品な雰囲気。そこに、タイトスカートを合わせることで、少し辛さも加わり、シャープさも演出されています。

オールホワイトのスカートのセットアップのときは、甘くなりすぎないように、大きめのアクセサリーを合わせるのがポイント。チェーンモチーフや太めのバングルを合わせて、辛さをプラスするのもおしゃれです」

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ピンクの甘めセットアップは黒小物で引き締め

1996年5月、東京のNHKホールでハンブルグ国立歌劇場日本公演をご鑑賞の際は、ローズピンクのセットアップをお召しに。光沢感のある素材と胸元からふわりと広がるドレープでエレガントな印象でした。

1996年5月、東京のNHKホールでハンブルグ国立歌劇場日本公演をご鑑賞の雅子さま
黒小物がピンクの甘さをほんのり引き算(1996年5月30日、Ph/JMPA)
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1996年5月、東京のNHKホールでハンブルグ国立歌劇場日本公演をご鑑賞の天皇皇后両陛下
ドレープとタイトスカートで大人なシルエット(1996年5月30日、Ph/JMPA)
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1996年5月、東京のNHKホールでハンブルグ国立歌劇場日本公演をご鑑賞の雅子さま
光沢感のあるセットアップが華やか(1996年5月30日、Ph/JMPA)
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「光沢感のあるローズピンクのセットアップはとても華やか。一見、ピンクというと甘い印象ですが、フレアスカートやブラウスではなくタイトスカートのセットアップだと甘くなりすぎず、大人な印象に。さらに、バッグと靴を黒で引き締め、コントラストを付けることで、少し辛さもプラスされ、ピンク×黒の配色で甘辛MIXコーディネートになっています。

カジュアル使いするなら、ローズピンクのトップスに、ブルーデニムで軽やかに仕上げたり、インディゴデニムできれいめカジュアルな着こなしもおすすめです。小物は、辛口に黒を合わせたり、シルバーでシャープさを出してもバランスが良好。ローズピンクのスカートには、パーカを合わせ、アクセサリーはパールでまとめると、こなれた雰囲気に。足元は、少しボリュームのあるスニーカーを合わせると、カジュアルな甘辛MIXコーディネートの完成です」

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ロングジャケットにパンツでマニッシュなスタイルはアクセで女性らしさを加算

1997年5月、ご静養先の那須御用邸に向かうため、東京駅をご出発の雅子さまは白のパンツスーツスタイルでした。

1997年5月、ご静養先の那須御用邸に向かうため、東京駅をご出発の天皇陛下と雅子さま
インナーはVネックでシャープに(1997年5月1日、Ph/JMPA)
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1997年5月、ご静養先の那須御用邸に向かうため、東京駅をご出発の雅子さま
カチューシャやイヤリングがフェミニンさをプラス(1997年5月1日、Ph/JMPA)
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1997年5月、ご静養先の那須御用邸に向かうため、東京駅をご出発の雅子さま
ゴールドのボタンやネックレスもアクセントに(1997年5月1日、Ph/JMPA)
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「白のパンツスーツはジャケット丈が長めで、スタイリッシュな印象です。インナーがVネックなので、ほどよく抜け感が出て、シャープな雰囲気も演出。ジャケットの大きめのゴールドボタンやボリュームネックレスも辛口要素になっています。全体的にはマニッシュですが、カチューシャやイヤリングの存在がフェミニンさをプラスしています。

白のセットアップ、今季は、ジャケットをトレンドのジレに変化させてもおしゃれ。斜め掛けバッグやスニーカーを合わせてカジュアルダウンさせるのも今っぽい着こなしです。辛口になりすぎないように、パールやヘアアクセなどで甘さをプラスすると甘辛バランスが整います」

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クールなロイヤルブルーのパンツのセットアップにはカチューシャで柔らかさを

1998年3月、スペイン・フェリペ皇太子(当時)来日歓迎の際は、お気に入りカラーのロイヤルブルーのパンツのセットアップをチョイス。

1998年3月、スペイン・フェリペ皇太子(当時)来日歓迎の際の雅子さま
ブローチやカチューシャで女性らしさをプラス(1998年3月、Ph/JMPA)
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「鮮やかなロイヤルブルーのセットアップは、スタイリッシュで高貴な雰囲気。辛口なパンツスーツには、あえて黒小物を合わせることで、よりシャープでクールな印象に。そこに、女性らしいモチーフのブローチやカチューシャが加わることで、ほんのりフェミニンな雰囲気も漂います。

寒色の鮮やかなカラーは、シャープな印象のスタイリングに仕上がります。単品使いする際は、白やベージュのカラーを合わせると柔らかさが出るので、甘辛MIXコーディネートには、おすすめの配色」

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お気に入りのロイヤルブルーのセットアップにスタンドカラーシャツで凛とした表情に

1999年3月、運輸省航海訓練所の練習船の進水式にお出ましの際は、お気に入りのロイヤルブルーのセットアップでした。

1999年3月、運輸省航海訓練所の練習船の進水式にお出ましの際の雅子さま
スタンドカラーのシャツがスタイリッシュ(1999年3月、Ph/JMPA)
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「ロイヤルブルーのセットアップは、ジャケットのカッティングデザインが目を引くので、インナー選びも重要。スタンドカラーのシャツを合わせるとスカートのセットアップでもフェミニンに偏りすぎず、凛とした佇まいです。パールのブローチやイヤリング、帽子のリボンで甘さを取り入れつつも、靴やバッグを黒にすることで、バランス抜群の甘辛MIXコーディネートに仕上がっています。

きちんと感のあるジャケットは、シャープで辛口の印象が強いので、柔らかい素材のプリーツスカートで甘さを加えると、軽やかで春らしい着こなしに。辛口なタイトスカートには、少しカジュアルなサファリジャケットや、ロゴT×ロングカーディガンを合わせると、デイリー仕様になります」

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白にシックなネイビーを合わせた大人マリンスタイル

2005年5月、ノルウェーへ向かう天皇皇后両陛下(当時)を、空港でお見送りする雅子さま。白のセットアップにネイビーを合わせたクールな配色コーデでした。

2005年5月、ノルウェーへ向かう天皇皇后両陛下(当時)を、空港でお見送りする雅子さまと天皇陛下
白×ネイビーでキリリとクールな印象(2005年5月7日、Ph/横田紋子)
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2005年5月、ノルウェーへ向かう天皇皇后両陛下(当時)を、空港でお見送りする天皇皇后両陛下
帽子のサイドのリボンが可憐なムード(2005年5月7日、Ph/横田紋子)
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2005年5月、ノルウェーへ向かう天皇皇后両陛下(当時)を、空港でお見送りする雅子さま
パールのイヤリングで女性らしさもプラス(2005年5月7日、Ph/横田紋子)
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2005年5月、ノルウェーへ向かう天皇皇后両陛下(当時)を、空港でお見送りする天皇皇后両陛下と秋篠宮ご夫妻
秋篠宮ご夫妻も寒色コーデでお出ましに(2005年5月7日、Ph/横田紋子)
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「テーラードジャケットの白のセットアップは、織りのある素材が優美。柔らかい素材感も、ネイビーを差し色にすることで、キリッと辛口ムードがプラスされています。また、小物もネイビーと白の配色で統一させることで、おしゃれな大人のマリンスタイルが成立。

例えば、ボトムをインディゴデニムやネイビーの裾絞りパンツやスリット入りパンツにするだけで、上品さをキープしたままカジュアルダウンできます。ジャケットの中をネイビーのカットソーにして、ジャケットを肩掛けにするだけでも、大人カジュアルに。上下白のセットアップの場合、差し色をネイビーにするとそれだけで知的で上品な雰囲気に整います」

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スモーキーカラーのパンツスタイルはスカーフで大人フェミニンに

2016年4月、国営昭和記念公園(東京)でのお手植えのサトザクラのお花見の際は、スモーキーな色合いのパンツのセットアップをお召しでした。

2016年4月、国営昭和記念公園(東京)でのお手植えのサトザクラのお花見をされる雅子さま
結んで長めに垂らしたスカーフがエレガント(2016年4月7日、Ph/JMPA)
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2016年4月、国営昭和記念公園(東京)でのお手植えのサトザクラのお花見をされる天皇皇后両陛下と愛子さま
愛子さまは桜カラーのセットアップをお召しに(2016年4月7日、Ph/JMPA)
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2016年4月、国営昭和記念公園(東京)でのお手植えのサトザクラのお花見をされる天皇皇后両陛下と愛子さま
桜を愛でる3人(2016年4月7日、Ph/JMPA)
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「スモーキーカラーのパンツスーツは、ジャケットがダブルカフスということもあり、辛口な印象です。そこに、大きめのパールのアクセサリーや、柔らかい素材のフローラルプリントのスカーフをプラスすることで、甘さと華やかさがほどよく香ります。

辛口なパンツスーツを普段使いするなら、足元は、ローファーやスニーカーにするとカジュアルさがアップ。斜め掛けバッグやメガネなどポイントになる小物を足すとおしゃれ度も増します。スカーフは首に巻いたり、バッグに巻いたり、スタイリングのポイントになるアイテムなので、大人コーデにおすすめです」

◆ファッション解説:スタイリスト・横山麻里さん

ほどよくフェミニンで上品なカジュアルスタイリングが参考になると、同世代の女性たちからの支持多数。大人女性のファッション誌を中心にカタログや広告で活躍中。

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