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大塚寧々に漂う“しなやかさ”のヒミツ 本人が語る「10時間睡眠」、太極拳、アロマ

大塚寧々さん
大塚寧々さんの”しなやかさ”のヒミツとは?
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芝居のみならず、写真や陶芸、書道など、幅広い分野で“表現”することを続けている女優・大塚寧々さん(55歳)。彼女にとって、文章で表現する際、何を大切にしながら気持ちを綴っているのか。連載エッセイ「ネネノクラシ」を始めてから2年。執筆活動含め、コロナ禍真っ只中から始まったこの2年間の心境の変化を語ってもらいました。

「誰かが私の言葉でつらくならないように」

女優デビューから30年を過ぎたいまもなお、みずみずしい魅力が衰えないことから“奇跡の50代”と言われる寧々さん。そんな彼女が綴るエッセイにもそのチャーミングな人柄が現れている。

たとえば、キャンプに出かけたものの「テント忘れた」エピソードや、大掃除で夫が“やってしまった”話、お好み焼きをひっくり返す際の一家のルールなどの仲睦まじい家族のエピソードは、読むだけで情景がありありと浮かび、思わずくすっとしてしまう。愛妻家で知られる夫もさぞかし絶賛しているだろうと水を向けると……。

「いやいや、そんなあるわけないじゃないですか(笑い)。一応、原稿を出す前に『これでいい?』って見せているんですけど、あまり言われないですね」

そう照れ笑いする寧々さんだが、軽快な筆致は読む人の心を軽くさせてくれる。原稿を書くとき、一体どんなことに気をつけているのだろうか。

「“こうあるべき”って強い考えがあるわけではないんですけど、私が書いた文章で誰かがつらくなることはないようにしたいとは思っています。ネガティブな情報に触れる必要はないかなとも思いますし、なるべく優しい気持ちで、丁寧な言葉遣いをしようと心がけています」

連載を始めた2年前と比較しただけでも、社会の価値基準はどんどん変わっている。ドラマや映画の世界にもコンプライアンスが求められ、多様性への配慮が欠けるとすぐ炎上するようになった。コロナ禍で生まれた自粛警察は、自分の価値に合わない他人を許せないところまで来ている。

だが、寧々さんのエッセイにはそうした“息苦しさ”が全く感じられない。

「やっぱり、すべてのことは自由だと思うんです。何をしちゃいけない、こうあるべきだというのもないと思いますし、人それぞれ価値基準の違いはあって当然。で、自分で無理しちゃったな、嫌だったなと思えば、またのときにそうしないという選択をすればいいし。したいときにして、しないときはしないでもいいと思うんです。

なんでもそうですけれど、何か事柄があったときに全力で突き詰めすぎるとかえって物事が見えなくなると思っていて。力を抜くということは意識するようにしています」

寧々さんに漂う“しなやかさ”や“抜け感”は、こんなポリシーに隠されていたのだ。

日常でも「面白いこと」を探している

SNSなどを中心に話題を呼び、6月に終了したドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)では、自分を犠牲にして、夫の顔色をうかがいながら献身的に家族に尽くす専業主婦・幸恵役を好演。寧々さんは「自分とは全然違う」としながらも、幸恵の生き方にも理解を示した。

大塚寧々さん
日常でも「面白いこと」に目を向けるようにしている
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「ちょっと上の世代のかたでそうやって生きてこられたかたはいるだろうなって、すごくわかります。昔は男の人が育児をすると言っただけで、ん?ってなるくらい珍しかったと思いますし…。

うちの母親の場合は“個”が強い人なので、それともちょっと違うんですけど……でも世代ごとの価値観ってやっぱりあると思うんですよ。私と息子の世代も全然違うでしょうし。直接言われたことはないですけど、多分息子は“この世代わかってないわ〜”って思っているはずです(笑い)」

他人との違いを認めつつ、あはは!と笑い飛ばす。寧々さんにとって、“笑うこと”は毎日をハッピーに過ごす大きな要素だという。

「面白いことに素直に笑えることって、すごく大切なことだと思うんです。だからつい、日常でも面白いことないかなって探しちゃうタイプですし、そういう場面にもしっかり遭遇します(笑い)。

先日も雨の日に車の運転をしていたら、小学生の男の子が傘をチャンバラみたいにして遊んでいる場面に出くわしたんですけど、路地を曲がっても曲がってもそういう子ばかりで、一体どうなっているんだろうって大笑いしました(笑い)」

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