体重を増やしたくなければ、食事のあとに急激に血糖値を上げないことが大切です。その際にカギを握るのが、“インスリン”。そこで、体重78kgから1年間で24kgのダイエットに成功、その後、トータルダイエットカウンセラーとして活動し現在ヘルスフードサイエンス研究家として活動中の大西ひとみさんに、血糖値とインスリンの関係について教えてもらうことに。血糖値の上昇を緩やかにしてくれる身近な食材も紹介します。
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そもそもインスリンとは?
インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンの一種で、糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きがあります。
食事をすると、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上昇します。そうすると、血糖値を下げようと反応して膵臓からインスリンが分泌されます。細胞の表面にはインスリン受容体があり、インスリンがこの受容体に結合することで、細胞は血液中のブドウ糖をとりこみ、エネルギー源として利用します。
大量に分泌されると、脂肪組織で脂肪が構成されるのを促進して、脂肪の分解を抑制してしまいます。また、余ったブドウ糖はグリコーゲンや中性脂肪に合成され蓄えられますが、インスリンはその合成を促進する働きもあるので、太る原因となるのです。
血糖値を下げる5大食材
太らないためには、血糖値を下げることが大切。そこで、「血糖値を下げる」効果が期待できる食材を紹介します。
【1】こんにゃく
こんにゃくに含まれるグルコマンナンという成分に血糖値を下げる効果があることがわかっています。
お店でよく目にするこんにゃくゼリーなどには糖質が多く含まれていますが、同じ糖質で同じカロリーのスイーツと比較するならグルコマンナンが含まれている分、こんにゃくゼリーのほうが、血糖値が上がりにくく太りにくい食べ物と言えます。
ただし、こんにゃくは不溶性食物繊維をとても多く含んでいるため、食べ過ぎると便秘になってしまう可能性があるので、気をつけましょう。
【2】赤ワインビネガーなどのお酢類
お酢には、血糖値を下げる効果があります。それはお酢に含まれる酢酸がアデノシンに働きかけ、血管が拡がることにより、血圧の上昇がゆるやかになって血圧の上昇を抑制することができるからです。
お酢の中でもおすすめは、赤ワインビネガー。赤ワインビネガーはぶどうを原材料とする果実酢で、ポリフェノールも豊富です。ポリフェノールは糖質の吸収を和らげて血糖値を上げにくくする作用がありますので、他のお酢類よりも効果的と入れるでしょう。
酢をそのまま飲むと、酸が強すぎて胃や喉を痛める恐れがあるので、赤ワインビネガーを飲む場合は、水や炭酸水などと割って薄めて摂取するようにしましょう。サラダのドレッシングを作る際に、赤ワインビネガーを使ってみるもよいです。
赤ワインビネガーは深みのある味わいの物が多いので、肉料理の付け合わせのサラダドレッシングとして使うと、より食事が楽しめます。