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ダイエットで注意すべきは筋肉よりも肝臓?「代謝アップ」につながる食材と避けたい食材

グレープフルーツとケールのサラダ
ダイエットで注意すべきは筋肉よりも肝臓?「代謝アップ」につながる食材と避けたい食材とは?(Ph/イメージマート)
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年を重ねるごとに「代謝が落ちた…」と感じる人も多いでしょう。代謝が高ければ痩せやすく、代謝が低ければ太りやすくなると言われていますが、そもそも代謝とは? そして、どうしたら加齢に負けずに代謝アップを目指せるのでしょうか。今回は体重78kgから1年間で24kgのダイエットに成功、その後、トータルダイエットカウンセラーとして活動し現在ヘルスフードサイエンス研究家として活動中の大西ひとみさんに、その仕組みと代謝アップにおすすめの食材、逆に避けたい食材を教えていただきます。

24㎏減量に成功した大西ひとみさん
24kg減量に成功した大西ひとみさん
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そもそも代謝とは?

ダイエッターとしては、代謝はつねに上げておきたいもの。けれども、忙しい毎日を過ごす私たちにとって、運動を習慣化するのは簡単なことではありません。そこで今回は、運動をせずとも、食べることで代謝アップが期待できる食材をご紹介します。

まず、「代謝」という言葉について今一度、整理しましょう。「代謝が上がる」と聞くと、痩せやすい体質になるというイメージを持つかたが多いのでは? 本来、代謝という言葉は「新陳代謝」を意味し、「代謝が上がる」という言葉の表現に変わると、直接カロリー消費に関係する基礎代謝が上がる意味で使われることが多いです。

筋肉よりも注目したい肝臓とダイエットの関係

基礎代謝を上げるためには、筋肉量の多さが最も重要だと認識しているかたが多いかもしれませんが、実は筋肉よりも肝臓のほうが基礎代謝量が多いことをご存知でしょうか。つまり肝臓機能を高めておくことで、代謝の低下を予防できるのです。

肝臓機能を高めておくことで、代謝の低下を予防できる(Ph/イメージマート)
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食生活や活動量はあまり変わっていないのに最近太りやすくなったと感じているかたの中には、筋肉量の減少より、肝臓の機能が低下してしまっている可能性も否定できません。

肝臓には3つの役割がある

肝臓には、主に3つの役割があります。私たちは食べ物からの栄養素をそのまま使うことができないので、肝臓が胃や腸で分解・吸収された栄養素を利用しやすい物質にして一旦貯蔵し、必要に応じてそれらを分解してエネルギーなどを作り出します。これが1つめの役割です。2つめは、私たちが摂取した物(アルコールや薬剤など)や代謝の際に生じた体に有害な物質を毒性の低い物質に変え、尿や胆汁中に排出するという解毒作用。3つめは、脂肪を乳化し、たんぱく質を分解しやすくするという働きです。

肝臓は、身体を正しく機能するためにとても大きな役割を果たし、活発に活動量しています。そのため肝臓はデリケートで疲れやすく、ちょっとしたことで機能低下に陥りやすい。これが代謝を下げてしまう原因につながります。

なので、肝臓を元気にするために必要な栄養素をしっかり摂取することで、代謝が上がり、ダイエット効果も高まります。

肝臓をいたわる食材とNG食材

肝臓の機能を高める食材は多くあります。今回は、その中でも特に私が普段から意識していて、簡単に取り入れられる食材を紹介したいと思います。

【肝臓をいたわる食材】アブラナ科の野菜

野菜には、肝臓の中にある毒素を排出してくれる作用が強いものが多く存在します。特にアブラナ科の野菜がおすすめで、キャベツやケール、菜の花、プチベール、カーボロネロなどがその効果を発揮してくれる代表的な野菜です。

菜の花のおひたし
菜の花のおひたし(Ph/イメージマート)
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その他にも、アスパラガス、ビーツなどに含まれる栄養素も肝機能をアップしてくれます。私は、血糖値の観点からも普段から野菜はたくさん食べていますし、お酒を飲むときはアブラナ科の野菜を必ず食べるように意識しています。

【肝臓をいたわる食材】グレープフルーツ

グレープフルーツには、他のフルーツに比べて肝臓の毒素を排出してくれる酵素が豊富に含まれています。毒素が排出されることで肝臓は正常に機能しやすくなります。

ちなみに、グレープフルーツは半個ほどで食べればその効果を発揮してくれるようです。時間があるときに皮を剥いてすぐ食べられるように、タッパーなどに入れて常備しておくのもおすすめ。小腹が空いたときのおやつとしてもいいですね。

【控えたい食材】果糖

一方で気を付けなければいけないのは、果糖を多く含む食材です。果糖をたくさん摂取すると肝臓は脂肪肝になりやすく、脂肪肝傾向に向かっている肝臓ほど代謝は下がってしまいます。

果糖といえば、フルーツを一番に思い浮かべる人が多いと思います。フルーツには確かに果糖が豊富に含まれていますが、脂肪肝への影響はほぼないことがわかっています。

お菓子
スナック菓子やジュースなどの加工品のほうが脂肪肝につながりやすい(Ph/イメージマート)
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それよりも果糖ブドウ糖液糖などの異性果糖といった天然ではないもの、またアガベシロップが多く含まれるスナック菓子やジュースなどの加工品のほうが脂肪肝につながりやすい傾向があります。脂肪肝を避けるには、これらをできるだけ摂取しないことも大事です。

パッケージの原材料表記の上に表記されているものほど多く含まれていますので、上のほうにこれらが記載されている場合は特に注意が必要です。

体の仕組みをよく理解して、上手にコントロールすることが大切

いかがでしたか。今回はダイエットの観点から肝臓をいたわる食材、また控えたい食材をご紹介しましたが、例えばお酒好きな人がお酒と上手に付き合うため、普段から肝臓を労わる努力をするように、ダイエットをする人も肝臓をいたわる必要があるということを知っておきましょう。

食べたいもの、好きな食べものを我慢しすぎるのはストレスのもと。たまのご褒美として、お酒や甘いものを摂取してもよいのです。だからこそ、体の仕組みをよく理解して、上手にコントロールすることが大切。正しい情報を身につけ、いつも頭の片隅に置いておき、ストレスなくダイエットを楽しみましょう。

◆教えてくれたのは:ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん

ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん
ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん
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9年間、米ロサンゼルスでパーソナルトレーナーとして活動後帰国。トータルダイエットカウンセラーとして7冊の本を出版、ダイエット商品・食品の商品開発の監修などをはじめさまざまなメディアで活動。2017年に自身のギルトフリースイーツブランド「h+diet(エイチプラスダイエット)」(https://h-plusdiet.com/)を立ち上げ、現在は東京・武蔵小山で『h+diet laboratory』をオープン。野菜を使い、甘味料・人工甘味料不使用、グルテンフリーの「栄養学から考えるオーガニックスイーツ」を販売、他社の商品監修などに携わるなどヘルスフードサイエンス研究家としても活動。

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