健康・医療

バナナに含まれるハイパー食物繊維「レジスタントスターチ」はダイエットの救世主!バナナを買うときのポイントは?

3本のバナナ
ダイエットにいいバナナの選びかたとは?(Ph/photoAC)
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「第3の食物繊維」や「ハイパー食物繊維」といった異名を持つ「レジスタントスターチ」は、ダイエットにおいて食物繊維以上の働きが期待されるでんぷんで、ダイエット中の人がぜひ摂りたい栄養素。実は、これを含んだ身近な食材が「バナナ」なのだそうです。そこで、『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)の著者で順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんに、「レジスタントスターチ」を多く含むバナナの選び方や保存方法について教えてもらいました。

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ハイパー食物繊維「レジスタントスターチ」とは

朝食を含めて1日に2本のバナナを食べ、自律神経と腸の調子を整えることで無理のない減量を目指す「モーニングバナナダイエット」を考案した小林さんが、バナナを食べるメリットとして挙げる栄養素が「第3の食物繊維」や「ハイパー食物繊維」の異名を持つ、「レジスタントスターチ」です。

2種類の食物繊維の特徴を併せもっているレジスタントスターチ

「レジスタント」は難消化性、「スターチ」はでんぷんのことで、簡単に言えば、小腸で分解されずそのまま大腸へ運ばれるでんぷんのことです。レジスタントスターチのすごいところは、2種類の食物繊維の特徴を併せもっているところ。

「水溶性食物繊維と同じように、エサとなり、善玉菌を元気にしてくれます。さらに、不溶性の食物繊維の特徴である、腸の中の便をおそうじし、善玉菌の居心地のいい環境を作り出す役割も果たしてくれます。つまり、レジスタントスターチはダブルのパワーで、腸内環境を整えてくれるというわけです。水溶性、不溶性のバランスを意識せずとも、レジスタントスターチをとれば、両方の効果を得ることができます」(小林さん・以下同)

お腹を触る女性
腸内環境を整えるのに有効な「レジスタントスターチ」(Ph/photoAC)
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腸の奥にまで届くレジスタントスターチでやせる物質を産生

消化が難しいレジスタントスターチが消化されるのは、大腸の最も奥。そして、腸の奥にすんでいるのは、数ある善玉菌の中でも主役級であるビフィズス菌であり、実はレジスタントスターチが大好物。ビフィズス菌によってレジスタントスターチが分解されると、脂肪をたまりにくくする効果などを持つ「短鎖脂肪酸」が作られます。

「日本が長寿国である要因の1つがビフィズス菌をもつ人が多いことだといわれています。その意味で、レジスタントスターチと日本人の腸は相性抜群ともいえます」

ダイエットに効果的なバナナの選び方

ダイエットに効果が期待できるレジスタントスターチを含むバナナですが、含有量はバナナの熟成度合いによって異なるそうです。ボディは黄色くなったものの上下の先端に緑が残っているのが「グリーンチップバナナ」、完全に黄色くなったものが「イエローバナナ」、完熟して茶色いシュガースポットができたものが「完熟バナナ」です。グリーンチップバナナ、イエローバナナ、完熟バナナのうち、レジスタントスターチを最も多く含むのは、グリーンチップバナナです。

グリーンチップバナナ
グリーンチップバナナにレジスタントスターチが多く含まれている(Ph/photoAC)
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「成熟していくうちに、バナナに含まれるでんぷんが分解されて糖化していくので甘さを増していき、逆にレジスタントスターチの含有量は減っていくのです。つまり、レジスタントスターチは腸活の鍵をにぎる栄養成分ですから、選ぶバナナによってダイエット効果に差が出てくるわけです」

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