家族のライフプランを親に見せる
老人ホームの話まで考えられないという場合は、定年後のプランでも構わないそうです。そして菅井さんは、現在の資金内容や子どもの教育資金の必要額なども記載したライフプランを親に見せることを推奨します。
「もし私が息子にこれを見せられたら、『こいつ、家族のことをしっかり考えているんだな』と感心するでしょう」
事業計画表(=ライフプラン)で親に心配をかけないようにする
「ライフプランは、企業が銀行に融資を頼むときの「事業計画表」に似ています」という菅井さん。
「『フレンチの店をオープンしたい。一流シェフを雇う予定なので、開店資金1000万円を貸してくれませんか?』こういわれても、銀行はお金を貸しません」
銀行からお金を融資してもらうには、いつ、どのくらいの規模の店をオープンするのか、売り上げと経費の概算、あわせて返済計画や客を呼ぶための施策など、数字を出して具体的な計画を提示し、「信用」を得ることが必要なのだそうです。
「親に対しても同じです。親だからと甘えて『いざとなれば500万円くらい出してくれるだろう』なんて思っていてはダメ」
家族の「事業計画書」(=ライフプラン)を提出し、「正直10年後にピンチを迎えそうだから、500万円くらい援助してほしい」などと、事前に相談しておくことで親に信用してもらうことができ、安心させることができるでしょう。
親のライフプランも書き込む
さらに大切なこととして、自分たち家族のライフプランに親のライフプランを書き込んで行くとよいそうです。
「これこそ、『親のことを大切に思っている』という強いメッセージになります。親はとてもうれしいはずです。自分と子どもと孫。そこに一体感が生まれ、自分も家族の一員であると再認識できますから」
たとえば年祝い(古希・喜寿・傘寿・米寿・卒寿など)や親の○歳記念の家族旅行など、親が主人公になるイベントの計画をたてて、ライフプランに書き込みます。その費用も記載し、積み立てや分担をどうするかを、例えばお正月など定期的に話し合うといいでしょう。
「私は父がなくなる前、こうして計画を立て、『最後に行きたい』という特攻隊基地があった鹿児島の知覧に連れていきました。とても喜んでくれました。親は子どもが自分のために計画し、段取りしてくれることが、なによりうれしいんです」