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料理研究家が初めて語る「260万部売れたダイエットレシピ本」の誕生秘話 バリキャリ母と美食家父の死がきっかけだった

「これが最後のダイエットだ!」と決意

「そんな父が、晩年には病気で入退院を繰り返していました。あれだけ、お金に糸目をつけず食べたいものを食べたいだけ食べていた父が、最期にはお粥の上澄みしか食べられなくなった。その姿は見ていて切なかったです」

「(食いしん坊の)自分は父親似だな」「まあでも、食べたいものを食べて死ねればいっか」

──そんな、諦めに近い感情もあったという。しかし、病床で小さくなっていく両親の姿が脳裏にチラつく度に、「まだ人生をあきらめたくない」との思いも募った。今まで仕事で培ってきた栄養学の知識を駆使すれば、健康的にやせることができるかもしれない。50代は若くはないけれど、老いてもいない。これが最後のダイエットだ!──そんな決意を柳澤さんにさせたのは、美食家の父と食に全く興味のない母の死だったのだ。

作り慣れた豆腐ハンバーグには、海藻類の芽ひじきを組み込むのが柳澤流(『毎日「き・ま・か」ごはん』より)
写真4枚

◆教えてくれたのは:料理研究家・柳澤英子さん

やなぎさわ・えいこ。雑誌の料理ページやレシピ本の編集を経て、2002年『ひとりごはん』(西東社)で著者としてデビュー。忙しい人でも苦にならずに作れる簡単レシピを提案。2011年、52歳のときに食を楽しむ独自のダイエット法を始め、1年後には26kg減の47kgに、その後大きなリバウンドもなく、太りにくい体質と健康をキープ。このダイエットレシピを書籍化した『やせるおかず 作りおき』シリーズ(2015年1月~計10冊 小学館)は、260万部超の大ベストセラーに。近著に『料理のその手間、いりません』『映える!おいしい!こんにゃく食堂』(どちらも小学館)、『柳澤式ラクやせオートミールレシピ』( 扶桑社)など。

取材・文/川越光笑(管理栄養士、ライター、編集者)

柳澤英子さんの新著『毎日「き・ま・か」ごはん』

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