高尿酸血症・痛風を予防する食材
高尿酸血症・痛風を予防するには、プリン体の吸収を抑制する「乳酸菌PA-3株」、プリン体の生成を抑制する「ポリフェノール」、尿酸を体外に排出する「ビタミンC」が有効です。
乳酸菌PA-3株を多く含む食品としては乳酸菌飲料やヨーグルトがあげられ、近年では乳酸菌PA-3株を主軸に置いた商品も発売されています。
ポリフェノールを多く含む食材にはブルーベリー(267㎎/100g:「地域特産農産物の総ポリフェノール量及び抗酸化能」https://hyogo-nourinsuisangc.jp/archive/3-k_seika/hygnogyo/200/09.pdf)、ビタミンCを含む食材はキウイフルーツ(71g/100g:文部科学省「食品成分データベース」https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07054_7)などがあります。
そこで、ヨーグルトに、ブルーベリー、キウイフルーツを合わせて食べるのが、痛風予防にはよい組み合わせといえます。
なお、ブルーベリーは冷凍することでポリフェノールの効果が高まる性質があるため、スーパーで一年中入手のしやすい冷凍ブルーベリーを使うとよいでしょう。ただし、ブルーベリーに含まれる「アントシアニン」というポリフェノールは、長期保存に向かないため早めに使い切るようにしてください。また、熱加熱にも弱いためジャムはおすすめしません。
高尿酸血症・痛風には漢方薬も役立つ
漢方薬のなかには、高尿酸血症・痛風の原因のひとつである肥満にアプローチできるものもあります。「脂肪や老廃物を排出する」「脂肪代謝を促進する」といった働きのあるものを選ぶことで肥満の根本改善につながります。なお、すでに痛みがある場合には「炎症を抑える」働きのある生薬を含む漢方薬がおすすめです。
痛風は治ったと思っても再発することがあるため、継続的に痛風の症状が起きないように取り組むことが大切です。のむだけでいい漢方薬は、生活に取り入れやすく続けやすいことも利点です。
おすすめの漢方薬
・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
お腹周りの内臓脂肪や皮下脂肪が気になる人に用いられる漢方薬です。余分な老廃物の排泄をしやすくし、代謝をあげて脂肪燃焼を促す効果が期待できます。
・越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
すでに痛風の痛みがある人へ向いている漢方薬です。熱感や関節の腫れ、痛みのある人、尿量が少ない人に用いられ、関節の炎症やむくみの解消に効果が期待できます。
漢方薬を始める際の注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれた人:薬剤師・山形ゆかりさん
やまがた・ゆかり。薬剤師、薬膳アドバイザー、フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ。牛角・吉野家ほか薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信する「Medical Health -メディヘル-youtubeチャンネル」(@medicalhealth–7900)で簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)でも薬剤師としてサポートを行う。