帯状疱疹の予防には腸を意識した食事を摂る
帯状疱疹の予防には、免疫細胞の約7割が集まる腸の健康を保つことが大切です。
腸内には約100兆個の善玉菌、日和見菌(善玉菌と悪玉菌の優勢なほうに味方する菌)、悪玉菌が存在しています。免疫機能を高めるには、善玉菌が優勢になるように、善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1の比率になるように腸内細菌のバランスを整えてあげる必要があります。
そのためには、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を直接摂取できる、ヨーグルトや納豆、キムチ、チーズ、甘酒などの「発酵食品」や、善玉菌のエサとなって活性化させる水溶性食物繊維やオリゴ糖を含むごぼうがおすすめです。水溶性食物繊維は水に溶けやすいため、汁物や素揚げにして食べると効率的に摂ることができます。
なお、ごぼうのアクは「ポリフェノール」で老化を防ぐ働きなどが期待できます。そのため、アク抜きは、30秒ほど手短に水にさらすくらいにするのがよいでしょう。
帯状疱疹の対策には漢方薬も役立つ
帯状疱疹になってしまった場合には、抗ウイルス薬や鎮痛薬などの西洋薬が処方されることが多いですが、漢方薬も帯状疱疹の対策や痛みの緩和に役立ちます。
帯状疱疹の対策としては、「血流をよくして全身に栄養を届け免疫機能を高める」「胃腸の機能をよくして必要な栄養を作る」「炎症や痛みを和らげる」などの作用がある漢方薬を選びます。
おすすめの漢方薬
・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
栄養やエネルギーを補い、血流や胃腸の機能をよくして全身に栄養を行きわたらせることで、免疫機能を高める効果が期待できる漢方薬です。
・越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
炎症や痛みを落ち着かせ、水泡などの余分な水を取り除く作用のある漢方薬です。帯状疱疹の急性期の症状に用いられることがあります。
漢方薬を始めるときの注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれた人:薬剤師・山形ゆかりさん
やまがた・ゆかり。薬剤師、薬膳アドバイザー、フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ。牛角・吉野家ほか薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信する「Medical Health -メディヘル-youtubeチャンネル」(@medicalhealth–7900)で簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)でも薬剤師としてサポートを行う。