初心者のポートフォリオに全世界株とS&P500の投資信託
そうはいっても何を選べばいいかわからない、という方におすすめなのが、新興国も含めた世界中の株式に投資をする「全世界株式(オール・カントリー)」の投資信託と、米国の代表的な株価指数であるS&P500に連動する「米国株式(S&P500)」の投資信託です。
オール・カントリーであれば、世界中の経済に対して分散投資をすることができますし、S&P500連動型であれば、世界の経済をけん引する米国株に分散投資をすることができます。もちろん値下がりのリスクはありますが、両者ともパフォーマンスが比較的良好である(https://info.monex.co.jp/fund/guide/sp500-beginner.html)うえ、インデックスファンド(株価指数に連動する投資信託)のため、保有にかかる手数料が小さいのも魅力です。リスクを抑えたい場合は、さらに債券中心の投資信託を組み合わせて購入しましょう。
慣れてきたらポートフォリオの組み換え(リバランス)を
投資に慣れてきたら、ポートフォリオの組み換えも考えましょう。組み換えといっても複雑に考える必要はなく、米国株の割合が多いなと思ったら米国株の割合を減らして新興国株の割合を増やしたり、もう少しリスクを押さえたいなと思ったら株式の割合を減らして債券の割合を増やしたり、といった程度からで大丈夫です。
証券会社のマイページやアプリで自分の資産状況とポートフォリオの割合を見ることができるため、ときどきチェックするようにしましょう。
積立投資の注意点
比較的リスクが小さく投資初心者にもおすすめできる積立投資ですが、大恐慌が起きたときにはやはり価格が大きく下がりますし、その状態で売却すると損をする可能性も高いです。
2~3年後に使う資金を貯めたい、という場合には、売却時に値下がりしている可能性もあるため、一概に積立投資はおすすめできません。一方、例えば孫が生まれたタイミングで、約18年後の大学資金を準備しておきたいと考えたときには、積立投資で少しずつ貯めながら増やしておくのがいいでしょう。
また、預貯金は金利が付かないからといって、完全に預貯金の代わりとしてしまうのも考えもの。値下がりのリスクもありますし、商品を売却してから手元に現金として入ってくるまでにタイムラグもあります。
投資にはリスクがつきものということを理解したうえで、何のために、いつまでにお金を用意しておきたいのか、ということを考えて投資を検討してみてください。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん
節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/新藤まつり