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雑談のプロが「雑談力」をつけるためにやっている「観察グセ」「言葉貯金」とは?

言葉をストックする「言葉貯金」

さらに雑談上手になるために、ひきたさんがすすめているのが「言葉貯金」です。言葉貯金とは、響いた言葉や上手いと思った表現などをメモし、言葉をストックしていくこと。過去には単語カードや英単語帳、専用のノートなどを使って言葉貯金をしていたそうですが、今は利便性を加味してスマホのメモアプリで言葉貯金をしているそうです。

「カテゴリーなどで細かく分けるとあとで面倒になるので、時間ごとに、言葉のメモをしていけばいいと思います。その語彙やフレーズに出会った時間で分けると、『あぁ、あの暑い日に出会った言葉だな』なんて、記憶にも残りやすいのです。言葉貯金は、『1日3つ、カテゴリーにこだわらず、新しい語彙を書き込む』ことを、当初の目標にしてはどうでしょうか」

「よい口ぐせ貯金」で話し上手の人の真似をする

何かを習得するとき、上手い人の真似をするというのはよくある手法ですが、話し方についても上手い人を真似るのが上達への近道です。「話が上手い人たちから、話し方のポイントをどんどん盗んでください」とひきたさん。相手が知人であれば、直接コツを聞いてみるのもおすすめです。

「もし、話を聞くのが難しい場合は、観察です。周りにいる『人から、なぜか好かれる人』『話を盛り上げるのが上手い人』、そんな人を見て、『この人は、なぜ好かれるのか』という視点で観察し、分析してみましょう」

観察するうちに、「この人は、他の人より『ありがとう』と言う回数が多いな」といった傾向が見つかるはずです。

Thank youのプレート
好かれる人は「ありがとう」が口ぐせになっていることも(Ph/photoAC)
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「このように、観察、分析で発見した話上手な人の『口ぐせ』をストックしておくのはおすすめです。メモして、リストにして、『よい口ぐせ貯金』をしてみてください。こういった習慣が、あなたの雑談力を上げることになります」

「言葉のマグネット」で自分らしい言葉を使う

言葉の貯金を続けていくと、「使える言葉」はどんどん増えていきますが、やはり相手の心に伝わりやすいのは、自分らしい言葉での表現。自分らしい言葉を使うためのコツとしてひきたさんが教えてくれたのは、あるテーマを「言葉のマグネット」にして、自分の思いや言葉を集めるという方法。

例えば、「生きる」をテーマとしたとき、どんな言葉を思い浮かべるでしょうか。「知らないものに出会うこと」、「日常に戻るということ」など、人それぞれいろいろな言葉が出てくると思います。「生きる」などの、テーマにした言葉をマグネットにし、そこに吸い寄せられる思い、浮かんでくる情報、経験、考えなどを集めていくことをひきたさんは「言葉のマグネットをつくること」と呼んでいます。

「大切なのは、ふだんから『自分の心の中にあるもの』を、できるだけ言語化し、そうした言葉を意識してストックしておくこと。そして、それを習慣化すること。これを続けていけば、必ず、それを使うときがやってきます」

◆教えてくれたのは:コミュニケーションコンサルタント・ひきたよしあきさん

ひきたよしあきさん
コミュニケーションコンサルタント・ひきたよしあきさん
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大阪芸術大学芸術学部放送学科客員教授。早稲田大学法学部卒業。博報堂に入社後、クリエイティブディレクターとして数々のCMを手がける。政治、行政、大手企業などのスピーチライターとしても活動し、幅広い業種、世代の価値観、世代間のギャップ、言葉遣いの違いなどを分析、コミュニケーション能力が高まる方法を伝授。著書に『雑談が上手い人が話す前にやっていること』(アスコム)、『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』(大和出版)など。https://smilehikita.com/

雑談が上手い人が話す前にやっていること

『雑談が上手い人が話す前にやっていること』(アスコム)

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