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旬の大根には栄養たっぷり!野菜ソムリエプロが「大根おろし」をすすめる理由

大根をおろしている
ビタミンCは熱に弱いので、大根おろしで食べるのが◎(Ph/photoAC)
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冬が旬の大根は、風邪を引きやすい季節にぴったりの栄養が豊富につまっていると、野菜ソムリエプロの福島玲子さんは話します。一体どんな栄養を摂ることができるのでしょうか? 大根おろしがおすすめだという理由やおすすめのレシピ、使い切り術も教えてもらいました。

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大根の栄養は胃にやさしく美肌やダイエット効果も!

淡色野菜の根と、緑黄色野菜の葉でそれぞれ異なる栄養がある大根。どんな効果があるのか、詳しく説明します。

ざるにのったカット大根
淡色野菜の根と緑黄色野菜の葉で、栄養が異なる大根(Ph/photoAC)
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根の栄養は胃腸にやさしく、病気の予防にも役立つ

一般的に実と考えられている、大根の白い部分は根です。根には、でんぷんを糖に分解するジアスターゼ(アミラーゼ)や脂肪やたんぱく質の消化吸収を改善するリパーゼなど、消化酵素がたっぷり。消化を助けて、胸焼けや胃もたれを防止してくれます。消化酵素が代謝をサポートするので、ダイエットにもつながりますよ。

また、ナトリウムの排出を促進するカリウムも多めに含まれているので、高血圧や動脈硬化、脳梗塞、むくみの予防効果も期待できます。

美容効果も抜群の大根、葉の栄養にも注目

大根にはビタミンCがたっぷり含まれているのも特徴です。根にも葉にも含まれているビタミンCは、コラーゲンを生成して肌にハリを与えます。さらに、メラニンの生成を抑えて日焼けを防ぐ効果もあるので、美肌へと導いてくれます。ビタミンCは特に大根の皮付近に多く含まれ、熱に弱い性質を持つので、生食のサラダや大根おろしにするとよいです。

とれたての大根
大根にはたくさんの栄養が詰まっている(Ph/photoAC)
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大根の葉も栄養が豊富です。根には含まれないβ-カロテンは、 強い抗酸化作用で肌や粘膜を正常に維持する働きが期待できます。ほかにも糖質をエネルギーに変えるビタミンB1、肌荒れを防止するビタミンB2、ミネラル類のカリウムやカルシウムなどが入っているので、捨てずに炒めものにしたり、ふりかけやナムルにしたりして食べるのがおすすめです。

辛味成分には抗酸化作用あり!部位で辛味が異なる

すりおろした大根を食べたときにピリッと感じる、辛味成分のイソチオシアネートは抗酸化作用や強い解毒作用を持ちます。シミやシワの予防をするうえに、食欲増進や消化促進などに効果があります。おろしたときに組織が破壊されると生成され、吸収しやすくなります。天ぷらと一緒に大根おろしを食べるのも、胃によいからというのが理由の一つです。

天ぷらと大根おろし
天ぷらに大根おろしを添えるのは理にかなっている(Ph/photoAC)
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イソチオシアネートの量は根の先端に近づくほど多くなり、葉に近い部位の約10倍になるそうです。新鮮なほどイソチオシアネートの量が多くなり、成長するにつれて減っていくので、できるだけ鮮度がよいうちに食べるのがおすすめです。大根おろしにするときも、時間が経つとイソチオシアネートの量が減少していくので、天ぷらを揚げてからおろすのがいいですよ。

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