秋に旬を迎える落花生。この時期しか食べられない生の落花生も出回りますが、野菜ソムリエプロの福島玲子さんは「決して大きい=おいしいとは限りません」と話します。新鮮でおいしい落花生を見分けるにはどこを見るべきか、あわせて正しい保存の仕方も教えていただきました。
* * *
おいしい落花生の特長は?大きさ、殻、色味
植物の状態や殻付きのものを落花生、殻を剥いて種のみの状態になったものをピーナツと呼ぶことが多いです。そして、殻の付いた国産の“生落花生”を食べられるのは、旬を迎えた時期だけ。せっかく買うのであれば、おいしい落花生を選びたいですよね。
落花生は実の大きさと殻の網目をチェック!
おいしい落花生は実が大きすぎず、細長いです。実が大きく、丸く太りすぎた落花生は、収穫時期を過ぎていて、食感が固く、風味も落ちていることが多いので避けるようにしましょう。
また、殻の網目が浅くツルツルとしていると、未熟なまま収穫されたものであることが多いので、実が小さくて味も薄い傾向にあります。逆に網目がデコボコとはっきりしているものは、よく育ち、おいしい落花生といえます。
殻は黒すぎも白過ぎも避けるのが◎
殻の色味も確認しましょう。殻が黒く湿っているものは収穫から時間が経ち、中身が傷んでいることが多いので避けてください。また、殻に穴が空いていると、虫が入っている可能性があります。こちらも選ばないようにしましょう。
とはいえ、逆に白すぎるのも要注意。これは、洗いすぎて傷みやすくなっていたり、カビが生えていたりして食べられない状態になっていることも考えられますので避けてください。
新鮮な落花生は土がついたまま売られていることもあります。色味が確認しにくい場合は、大きさや網目を見て選ぶといいでしょう。
生・乾燥・炒り、落花生の正しい保存法
落花生は状態によって保存法が異なります。おいしさを長持ちさせる保存の仕方を覚えておきましょう。
生落花生の正しい茹で方&保存法
収穫したての生落花生は水分を多く含んでおり、そのまま置いておくと水分が蒸発して甘みや味が落ちます。購入したらすぐに茹で、冷蔵または冷凍で保存しましょう。
冷蔵、冷凍どちらの場合も、落花生をまず流水でよく洗って泥や汚れを取り除いてから、沸騰させたお湯に入れて茹でます。お湯は落花生500gに対して1500ml程度。落花生:お湯の比率を1:3にしましょう。
そして、お湯の量に対して3%の塩を入れると、浸透圧がちょうどよく程よい塩味が付きます。落し蓋をして、中火で30〜40分程度茹でたらザルに上げて水を切り、熱を完全に冷まします。
冷蔵も冷凍も、タッパーなどの密閉容器に入れ、保存袋の場合は空気を抜いて保存してください。殻のままでもOKですが、殻を剥いてから容器に入れたほうが、体積が小さくなるので保存しやすいです。解凍するときは、自然解凍または、様子を見ながら電子レンジで1分ほど加熱しましょう。
乾燥&炒り落花生の保存の正解
乾燥落花生やローストピーナッツなどの炒り落花生は、油の酸化と湿気を避けるために、できるだけ空気に触れないよう保存するのがコツです。
保存するときは、殻付き・殻なし問わず乾燥剤を入れてしっかりと空気を抜いて保存袋へ。温度、湿度が高い野菜室ではなく、冷蔵室に入れてください。または、冷凍室で保存すると、新鮮な味を保つことができます。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ