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年末の『紅白』特別企画「テレビが届けた名曲たち」が待ちきれない!歌謡ライターの予想と妄想で楽しむ「名曲対決」

中島みゆきの『ファイト!』はアルバム『予感』に収録。1994年、ドラマ『家なき子』の主題歌『空と君のあいだに』との両A面としてシングルカットされた
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海援隊と植村花菜の「家族の思い出」対決も

そのほかにも、『君は薔薇より美しい』(布施明)vs『聖母たちのララバイ』(岩崎宏美)=歌唱力対決、『夜明けのスキャット』(由紀さおり)vs『北の国から』(さだまさし)=スキャット対決、『落陽』(吉田拓郎)vs 『ファイト!』(中島みゆき)=魂が揺さぶられる対決、『母に捧げるバラード』(海援隊)vs『トイレの神様』(植村花菜)=家族の思い出対決……このあたりも我ながらなかなかよく練れた対戦カードとほくそ笑む。

若き日の海援隊(Ph/SHOGAKUKAN)
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しかし、山本リンダさんの配置がどうしても決まらない。彼女の『どうにもとまらない』は情熱対決として、西城秀樹さんの『傷だらけのローラ』と当てるのが一番しっくりくるのか。いや、西城秀樹さんのメガヒットといえば、やはり『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』。この曲なら、対戦はピンク・レディーの楽曲にするべきか——。

『傷らだけのローラ』は西城秀樹10枚目のシングルだった(写真は1978年、Ph/SHOGAKUKAN)
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ゴフッ……。勝手に妄想歌合戦を決め始めたはいいが、あまりにも難しく、胸やけがしてきた。

気が付けば午前2時。目の前にいくつも転がるビールの缶。ノートに、判別できないほどオロオロ書き散らかした歌手名と曲名。

妄想だけでも、こんなにプレッシャーがかかるとは。日本代表を選ぶ、ポジションを決めるって、本当に大変だ。紅白はもちろん、今年のWBCで見事優勝した侍ジャパンの栗山監督にまで、リスペクトが飛び火した。

私は静かにノートを閉じた。紅白歌合戦にまつわる妄想は中断したが、心に漂うのは不思議な爽快感と嬉しさ。

日本には名曲が多い、多すぎる。困るほどに!

◆ライター・田中稲

田中稲
ライター・田中稲さん
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1969年生まれ。昭和歌謡・ドラマ、アイドル、世代研究を中心に執筆している。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)がある。大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。他、ネットメディアへの寄稿多数。現在、CREA WEBで「勝手に再ブーム」を連載中。https://twitter.com/ine_tanaka

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