料理動画を公開しているYouTube「料理研究家リュウジのバズレシピ」のチャンネル登録者数は400 万人を超え、著書は累計145万部を誇る料理研究家のリュウジさん。彼のYouTubeで人気を集める、材料や手間を最低限におさえた「虚無シリーズ」をまとめたレシピ本『虚無レシピ』(サンクチュアリ出版)が話題を集めています。そこで、“虚無レシピ”の3つの意味や同レシピ本に掲載されている人気メニューを紹介します。
極限まで無駄を削ぎ落とした「虚無レシピ」
「虚無レシピ」とは、極限まで無駄を削ぎ落としたレシピ。「冷蔵庫の中が虚無」でも、「財布の中が虚無」でも、「二日酔いで虚無」でも、いかに少ない材料と手間でいかにうまいものを作れるか突き詰めて生まれたもの。
「限られた材料と限られた時間でどれだけ手間をかけず、どれだけ対価を払わず、ウマいもんを食うか。これは“現代の錬金術”であり、“究極のサバイバル飯”でもあります」というリュウジさん。
そんな虚無レシピについて、YouTubeやSNSのコメント欄には、「今日も虚無に救われた」「余り物すらない主婦の昼ごはんにも最高」「虚無ご飯に人権を与えてくれたリュウジさんに感謝」「具が入ってないからこそ、あれ入れたらおいしそうとか、これも合うかも…って自分流のアレンジを考えるのも楽しい」などのコメントで溢れ、“虚無”にハマる人が続出中です。
「虚無」の3つの意味とは?
「虚無」には、リュウジさん曰く、3つの意味があるそう。
【1】材料が虚無でも作れる
「家にいつもたくさん食材があるわけじゃないですよね。冷蔵庫が空っぽだけど、買い物に行きたくない日もあります。それでも、食べていかねばならないわけで。『具がなくても、ここまでできる』ってのを極限まで突き詰めたのが『虚無レシピ』です。ほぼ調味料だけで作れるのに、『ほんとに具なし?』とびっくりするウマさ。もちろん、ここに自由に好きな具材を入れてもOK。アレンジ無限大のレシピです」(リュウジさん、以下同)
【2】心が虚無でも作れる
「なんだかうまくいかなかった日、どうしてもやる気が出ない日、死ぬほど酒を飲んだ翌日……。『今日は、もう無理』ってなるときは誰にだってあると思います。それでも、食べていかねばならないわけで。そんな日は『頑張るのも最低限でいいじゃん』っていうのを極限まで突き詰めました。パックご飯だって立派な自炊だし、フライパンからそのまま食べる日があってもいいはず。意識低いとか、邪道と言われようが、ウマいもんはウマい。味が見た目にまったく比例しないんです」
【3】財布が虚無でも作れる
「世の中、値上げラッシュで、物価は上がる一方。給料日前は、特にお財布がさみしいけど、それでも、食べていかねばならないわけで。できるだけ節約したい。でも、少しでもウマいもんを食べたい。『安い食材を、調味料と調理法でウマくする』を極限まで突き詰めました。ときには、意外な食材の『え? お前、こんなウマかったん?』っていう新たな一面にもびっくりするはず。全然ひもじい感じがしなくて、なんなら味は貴族級です」
「『手間ひまかけたらおいしい』は幻想です。生きるための飯なら、結果的にウマければいいし、どんな手を使ってもいい。ウマさだけに固執してください。また、虚無レシピはアレンジ推奨です。調味料だけで味のベースを作るので、そこに余っている野菜や肉を入れれば、『ちゃんとした料理』にすぐ昇格するし、いくらでも応用がききます。だから、『自分好みの虚無』を見つけてほしいです。決められたレール通りではなく、好きにやってください」
今回は、虚無の代表作人気ベスト10にノミネートした2品のレシピを紹介します。