長いもは1年に二度旬を迎えます。野菜ソムリエプロの福島玲子さんは、「11〜12月に収穫される“秋どり”と、3〜4月に収穫される“春どり”がある中で、本来の旬は“秋どり”ですがそれぞれに特徴があり、春どりは寒い冬を越しうまみがアップし、秋どりはシャキシャキとした食感を楽しむことができます」と話します。寒い今の時期が旬の長いもについて、よりおいしいものの選び方と正しい保存の方法を教えていただきました。
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おいしい長いもの選び方は太さと表面がポイント
長いもと山いもの違いをご存知ですか? 山いもは、長いも、大和いも、自然薯などの総称を指します。ここでは、山いもの中でも代表的な長いもについて、よりおいしいものを見極めるポイントを紹介します。
長いも選びは太さ・表面・重みをチェック
長いもを丸ごと1本買うときは、ふっくらと均一に太く、まっすぐ伸びているものを選びましょう。付け根が太すぎるものは成長しきっていない段階で収穫されていて、エグみが強いことがあります。
表面はハリがあって、傷やシミがないものがよいです。また、長いもといえば表面にひげ根があるのが特徴ですが、このひげ根はできるだけ少ないほうが、味がなめらかでアクが強くない傾向にあります。
さらに、持ったときにずっしりと重みを感じるものは、水分がよく詰まっていてみずみずしい証です。
カット長いもは切り口を見るのがコツ
カットされた長いもを買う場合は、切り口をチェック。カットしてから時間が経つと、切り口がだんだんと変色するので、できるだけ白っぽい新鮮なものを選びましょう。
細いものは、カット前の状態のときに太さが均一でなかった場合があるので、できるだけ太めのものをセレクトするのがおすすめです。丸ごとのものを買うときと同様、重さも確認するとよいでしょう。
長いもの正しい冷蔵&冷凍保存の仕方
長いもを保存するときに大事なのは、変色を防ぐことです。そこで、正しい保存の仕方を知っておきましょう。
変色を防ぐ長いもの冷蔵保存法
長いもを丸ごと保存するときは、新聞紙で包んでから冷暗所に置けばOKです。生食するなら5日程度、加熱調理するなら10日程度保存できます。
カットした長いもは、切り口が乾燥するにつれて変色します。この変色を防ぐために、切り口をラップでしっかりと包んでから輪ゴムでとめ、さらにポリ袋に入れて冷蔵庫へ。ちなみに、色味が変わってしまったときは、変色部分をカットすれば、他の部分は食べることができますよ。
また、カット長いもは酢水にさらしても酸化を抑えて変色を防げます。長いもを触るとかゆみを感じる人にも、酢水を手につけてから調理するとかゆみを防げるので、試してみてください。
冷凍もOK!すりおろせて凍らせても便利
長いもは冷凍保存もできます。皮を剥いてから使いやすい大きさにカットし、水気を拭き取って保存袋へ。空気を抜いて、冷凍庫へ入れれば1か月程度保存できます。すりおろした長いもをフリーザーバッグに入れて冷凍することもできます。その場合は、袋を寝かせて平たくして凍らせると、使いたい分だけ割って取り出すことができるので使い勝手がいいですよ。
冷凍した長いもを使うときは、サラダや和え物なら自然解凍、加熱するときはそのまま鍋に入れましょう。とろろにするときは凍ったまますりおろせるので便利です。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ