健康・医療

更年期の不調?症状が似ているので注意!「微小血管狭心症」の原因、予防法を解説

微小血管狭心症を予防する食材

生活習慣以外でのアプローチ方法としては、微小血管狭心症に関係しているとされるエストロゲンの減少を補うこともあげられます。

そこで、エストロゲンに似た作用をもつ大豆イソフラボンを摂取すると、微小血管狭心症の予防に役立つ可能性があります。

大豆製品に多く含まれる大豆イソフラボン

豆腐や納豆、豆乳、みそ、しょうゆなどの大豆製品に大豆イソフラボンは多く含まれています。なかでも、大豆を丸ごと食べる大豆の水煮や納豆、きな粉などは、効率よく大豆イソフラボンを摂取できます。

大豆の水煮
大豆イソフラボンを摂るには、大豆を丸ごと食べられる食品がおすすめ(Ph/photoAC)
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また、食品から大豆イソフラボンを摂取する際の目安の摂取量は、1日40〜45mg(食品安全委員会「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」https://www.fsc.go.jp/sonota/daizu_isoflavone.html)とされています。

食材に含まれる大豆イソフラボンは、大豆の水煮1缶(100g)に約70mg、納豆1パック(45g)に約35.5mg、きな粉大さじ1(6g)に約9.6mg、豆腐1丁(300g)に約80mgが目安です。朝食に納豆を1パック食べるのを習慣にしたり、夕食に水煮や豆腐を取り入れた料理を一品追加したりすると、大豆イソフラボンを摂取しやすいでしょう。ただし、納豆はタレの塩分が高いものもあるため、タレの量を半分にしたりポン酢などの塩分が少ない調味料で代用したりするほうがよいでしょう。

大豆イソフラボンを摂る際の注意点

なお、エストロゲンに似た働きをするのは大豆イソフラボン自体ではなく、腸内細菌の働きで大豆イソフラボンが代謝されて作られるエクオールという物質です。

人によってはエクオールを生み出す腸内細菌を持っていない可能性があり、その場合は大豆イソフラボンを摂っても女性ホルモンと同様の働きは期待できません。大豆製品自体は健康にいい場合が多いので、食事に取り入れることを推奨しますが、エストロゲンを補う目的の場合は、エクオールを生み出せるか判定ができる検査キットなどで調べてみることをおすすめします。

大豆と豆乳
女性ホルモンのような働きをするのは大豆イソフラボンが生み出すエクオール(Ph/photoAC)
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また、食品安全委員会「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」では、食品や特定保健用食品から摂取する大豆イソフラボンの安全な摂取目安量の上限値は、1日70〜75mgと示されています(食品安全委員会「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」https://www.fsc.go.jp/sonota/daizu_isoflavone.html)。これはヒトの安全な摂取目安上限値です。上限値を超えるとすぐに健康被害へ結びつくわけではありませんが、体へ悪影響を及ぼす可能性もゼロではありません。大豆イソフラボンを摂取する際は、できるだけ上限値を超えないように気をつけましょう。

微小血管狭心症の予防に役立つ漢方薬

微小血管狭心症と関係している女性ホルモンの乱れやストレスなどにアプローチする漢方薬によって、症状の改善目指すこともできます。

具体的には、「冷えや疲労によるホルモンバランスの乱れを改善する」「心身の緊張を和らげ、不眠やストレスを改善する」「自律神経を整えて、ストレスによる疲れを軽減する」「精神を安定させる」といった作用がある漢方薬があります。

小皿にのった生薬
微小血管狭心症の予防に役立つ漢方薬2つ
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おすすめの漢方薬

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

滞った血液の巡りをよくして、冷えやのぼせなどの更年期の不調に働きかけるほか、ホルモンバランスの乱れを改善する効果も期待できます。比較的体力のある、冷えやのぼせ、肩こりがひどい人に用いる漢方薬です。

→桂枝茯苓丸について詳しく知る

・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

「気(き)」(エネルギー)の巡りをよくして、こもった熱を冷まし、緊張やストレスなどに働きかけます。精神状態が不安定で、動悸や不眠などを伴う人に用いる漢方薬です。

漢方薬を始める際の注意点

漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。

ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。

◆教えてくれた人:薬剤師・山形ゆかりさん

白衣の女性
薬剤師の山形ゆかりさん
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やまがた・ゆかり。薬剤師、薬膳アドバイザー、フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ。牛角・吉野家ほか薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信する「Medical Health -メディヘル-youtubeチャンネル」(@medicalhealth–7900)で簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)でも薬剤師としてサポートを行う。

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