「再開発」の景色に感じた「自分まで世の中から押し出される…」
いかがわしさと自由が混じり合った町、新宿2丁目を通り、四谷三丁目から慶応病院の横をすり抜け青山へ。ここも2年近く住んだけど、はい、思い出すのはやめやめ! 青山墓地下をYouTubeでラテン音楽を聴きながらバスは行く。
で、乃木大将の住まいの横を抜けたあたりから大小の坂の連続で、上を見上げりゃタワマンがニョキニョキ。横を見たらふつうの一戸建て住宅の一画があったり、古いお寺が連なったりして何度も「ひゃーっ、麻布おもしれー」と声をあげそうになったわよ。
さてさて、品川駅前に着いたら大きな土地が更地になっていて再開発の真っ最中。そういえば上野でもあったはずのビルが消えていたし、新宿駅西口は駅を出たらスバルビルがウソのようにきれいサッパリない!!
古くなったビルは立て直す。町のつくりも変える。再開発は自然の流れだけど、なんだか自分まで世の中から押し出されるような気持ちになってきた。世の中のセンターからはずいぶん前に降りたけど、まだまだ脇を固めているような気になっていない? いやいや、それもずい分なウノボレで舞台なんてとんでもない。66歳のあちこち不具合が出た身体がそれを証明しているではないの。
六本木のハイブランド店に「闘志が湧いてくる」
それをちゃんと自覚したうえで、やれることをやっていこうよ。そんなことを思っているうちに午後3時。ラスト1本は品川駅から六本木ヒルズ行きにしたの。都バス旅の終着は「今」をキラキラ飾らせたら日本一であろう六本木ヒルズがいいなと思ったのよ。ここで若い人やハイブランドの店をのぞいたりすると、「ケッ、見ておれよ」と闘志が湧いてくるんだよね。
都バス、もう一本? いやいや、腹八分ということをこの年でやっと覚えた私。ふし目ふし目にはこうしてバスに揺られながら自分を見つめ直したいなと思いながら六本木から秋葉原の自宅までは地下鉄日比谷線で帰宅したのでした。
◆ライター・オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。
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